概要

フォトゥイユ ド サロンは、ジャン・プルーヴェが1939年に設計したラウンジチェアである。前脚と後脚に異なる素材と形状を用い、厚みのあるクッションと無垢材の肘掛けを組み合わせる。当時は量産に至らず、ヴィトラがプルーヴェ家と協力して復刻した。

特徴・デザインコンセプト

椅子に座ると、体重は後方へ寄る。背もたれに寄りかかればなおさらで、後脚にかかる荷重は前脚より大きい。前後の脚を同じ断面にすれば、前脚は必要以上に太くなる。

前脚には細径のスチールチューブを、後脚にはプレス成形した鋼板による三角形断面の脚を用いる。荷重の差がそのまま断面の差として現れる。この扱いはスタンダードチェアと共通する。

フレームの上にポリウレタンフォームによる座面と背もたれが載り、ファブリックまたはレザーで覆われる。肘掛けには無垢材が用いられる。手が直接触れる部分だけを木にすることで、金属の冷たさが伝わらない。

素材の使い分け

スチールフレームは鋼板のプレス加工と鋼管の曲げ加工を組み合わせる。肘掛けの無垢材はオーク、スモークドオーク、ウォールナットから選べる。

エピソード

アーカイブからの再発見

フォトゥイユ ド サロンは1939年にデザインされたものの、当時は量産に至らず、図面と試作資料はプルーヴェのアーカイブに残された。2002年以降、ヴィトラがプルーヴェ家と協力して進めた復刻プロジェクトのなかでこの椅子も取り上げられ、現代の製造技術によって本格的な製品化が実現した。

プルーヴェの色彩

フレームの色には、プルーヴェがナンシーの工房で用いた色を下敷きにしたパレットが用意される。同じヴィトラのランプ・ド・ビューローにも同系統の色が展開される。

評価と影響

同じプルーヴェによるシテ チェアは、脚と側面を一枚の板から連続してつくるランナー状のフレームをとる。フォトゥイユ ド サロンは前後の脚を別の部材に分け、荷重に応じて断面を変えている。ラウンジチェアという同じ用途に対する、二つの解にあたる。

4館の公開データでは、フォトゥイユ ド サロンの収蔵は確認できていない。

基本情報

製品名 フォトゥイユ ド サロン / Fauteuil de Salon
デザイナー ジャン・プルーヴェ / Jean Prouvé
デザイン年 1939年
ブランド Vitra(ヴィトラ / スイス)
製造国 ドイツ
カテゴリ ラウンジチェア / アームチェア
サイズ W680 × D840 × H825 mm(座面高 415 mm)
フレーム素材 プレス成形スチール(鋼板)およびスチールチューブ、パウダーコート仕上
座面・背もたれ ポリウレタンフォーム、ファブリックまたはレザー張り
アームレスト 無垢材オイル仕上(ナチュラルオーク / スモークドオーク / アメリカンウォールナット)
フレームカラー ディープブラック / ブランコロンブ / ジャパニーズレッド / グリフェルメール / ブレヴェール / ブルーディナスティ / ブルーマルクール ほか
張地 ファブリック(Twill / Cité など)/レザー(Premium)
グライド ハードフロア用フェルトグライド(カーペット用プラスチックグライドも選択可)
参考価格 ¥444,400(税込)〜 ※張地・仕様により異なる(税込目安)
納期 受注生産 約3〜5カ月