ランプ・ド・ビューローは、ジャン・プルーヴェが1930年に設計した小型のテーブルランプである。一枚の鋼板を折り曲げただけの構成で、光源を覆いながら机上へ光を反射させる。
ナンシーの大学都市(シテ・ユニヴェルシテール)の学生寮に備える什器の一部として設計された。現在はヴィトラが復刻生産している。
特徴・コンセプト
造形上の操作は板金の曲げだけである。台座も支柱もシェードも、切り出した鋼板を折ることで一体的に成り立たせている。溶接や接合の数を抑え、加工の工程を減らすという判断が、そのまま輪郭になっている。
曲面の内側が反射面として働く。光源は直接見えず、板に当たった光が拡散して机の面を照らす。まぶしさを抑えるという要求に対して、シェードを追加するのではなく板の角度で応じている。
寸法は幅240mm、奥行145mm、高さ225mm。ソケットはE14で、最大12W。ケーブルは布巻きで、コード出口からスイッチまで500mm、スイッチからプラグまで2,000mm。調光機能は持たない。
仕上げはパウダーコートで、ブラン・コロンブ(エクリュ)、ジャパニーズ・レッド、ブルー・マルクール、ディープ・ブラックが用意される。いずれもプルーヴェが実際に用いた色に由来する。
背景
プルーヴェは設計者であると同時に製造者でもあり、自分の構想を自分の工房で形にした。板金の加工から出発しているため、鋼板を折り曲げて剛性を得るという手法が家具にも照明にも共通して現れる。
ナンシーの学生寮という設計対象は、限られた予算で大量に供給する必要があった。ランプ・ド・ビューローの単純さは、意匠上の禁欲というより生産条件から導かれた帰結にあたる。
評価
実務では、机上の占有が小さい点が利点になる。幅240mm、奥行145mmは書類やノートパソコンと同居できる寸法で、作業面を圧迫しない。光源が視界に入らないため、長時間の作業でも目が疲れにくい。
一方、アームや首の可動を持たないため、光の向きは固定される。位置を変えたい場合は本体ごと動かすことになる。可動を求めるならトロメオ ミクロのような機構を持つデスクランプが比較対象になる。同じプルーヴェでは、スタンダードチェアやアントニーチェアにも鋼板を折り曲げて剛性を得る手法が現れる。
ジャン・プルーヴェの設計思想や経歴について詳しくはジャン・プルーヴェプロフィールページをご覧ください。
ヴィトラの歴史や他の製品について詳しくはヴィトラブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | ジャン・プルーヴェ / Jean Prouvé |
|---|---|
| 発表年 | 1930年 |
| ブランド | ヴィトラ / Vitra(復刻生産) |
| カテゴリー | テーブルランプ / デスクランプ |
| 素材 | 鋼板(パウダーコート) |
| サイズ | 幅240mm × 奥行145mm × 高さ225mm |
| ソケット | E14(最大12W) |
| 色 | ブラン・コロンブ、ジャパニーズ・レッド、ブルー・マルクール、ディープ・ブラック |
| 調光 | 不可 |
| 設計背景 | ナンシー大学都市 学生寮の什器 |