概要
スーパーエリプステーブルは、ピート・ハイン、ブルーノ・マットソン、アルネ・ヤコブセンの3人が1968年に発表したテーブルである。天板には、ピート・ハインが定義した「超楕円」の曲線が用いられる。脚部はマットソンによるスパンレッグである。フリッツ・ハンセンが製造を続けている。
特徴・コンセプト
円と長方形の中間をとる
円形のテーブルは席の序列を生まないが、面積のわりに座れる人数が少ない。長方形は人数を稼げるが、短辺の席が上座になる。超楕円は両者の中間にあたる曲線で、四隅が丸く落ちた矩形に近い形をとる。
長辺と短辺の区別が緩むため、短辺だけが特別な席にならない。角がないので、どの位置に座っても天板の縁との距離が近い。
スパンレッグ
脚部は、細い金属のロッドが中央へ向かって収束する構造をとる。テンション機構で締め付けて固定するため、緩めれば工具を使わずに分解できる。細い部材で構成されるため、天板の下に太い支柱が現れない。
天板の仕上げ
ラミネート仕上げとウォールナットの突板が用意される。ラミネートの場合は縁にアルミニウム、突板の場合は同じ材で縁を処理する。2017年からは、表面の細かな傷を熱で戻せるラミネートが加えられた。サイズは複数展開され、天板を広げられる仕様もある。
エピソード
超楕円の曲線は、もともと家具のために考えられたものではない。1959年、ストックホルム中心部のセルゲル広場では、長方形の広場に円形や楕円形のロータリーを置いても交通の流れがうまく整理できないという問題があった。建築家ダヴィッド・ヘルデンから相談を受けたピート・ハインは、円と長方形の中間にあたる曲線を数式で定義し、この形を提案した。広場は1967年に完成している。
ハインはこの経緯について、人は直線と長方形へ向かう傾向と円へ向かう傾向のどちらかを選ばされてきたが、中間の形のほうが適する場合があると述べている。
広場での採用を経て、ハインはこの形を家具に用いることを考えた。脚部の開発は1954年からマットソンが進めており、1968年にヤコブセンが加わって製品としてまとまった。
評価と影響
1968年から生産が続いている。上座を作らない天板の形は、食卓のほか会議用のテーブルでも用いられる。同じフリッツ・ハンセンではエッグチェアなど、ヤコブセンの椅子と組み合わせられることが多い。EUエコラベルの認証を受けている。
三人の設計思想や経歴について詳しくはピート・ハイン、ブルーノ・マットソン、アルネ・ヤコブセンの各プロフィールページをご覧ください。
フリッツ・ハンセンの歴史や他の製品について詳しくはフリッツ・ハンセンブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | スーパーエリプステーブル / Superellipse Table |
|---|---|
| デザイナー | ピート・ハイン(Piet Hein)、ブルーノ・マットソン(Bruno Mathsson)、アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen) |
| ブランド | フリッツ・ハンセン(Fritz Hansen) |
| 発表年 | 1968年 |
| デザインの成立国 | デンマーク |
| 分類 | ダイニングテーブル/会議テーブル |
| 天板 | 超楕円(円と長方形の中間にあたる曲線) |
| 脚部 | スパンレッグ(細い金属ロッドが中央へ収束、テンション機構で固定) |
| 天板素材 | ラミネート、ウォールナット突板 |
| 脚部仕上げ | クロームスチール、粉体塗装スチール |
| 認証 | EUエコラベル |
Reference
- Superellipse Table | Fritz Hansen
- https://www.fritzhansen.com/en/products/tables/b612-superellipse