概要
ピート・ハイン(1905-1996)は、デンマークの数学者・詩人である。1959年、ストックホルムの交差点の設計にあたり、楕円と矩形の中間にあたる曲線を数式で定義した。これが「スーパー楕円」と呼ばれる。ブルーノ・マットソンとアルネ・ヤコブセンが、この曲線を卓の天板に用いている。
バイオグラフィー
1905年12月16日、コペンハーゲンに生まれた。コペンハーゲン大学とストックホルム大学で理論物理学と数学を学んでいる。
1940年から新聞に短い詩「グルック」を発表した。以後、数千編を残している。
1959年、ストックホルムのセルゲル広場の交差点の設計にあたり、楕円と矩形の中間の曲線を数式で定義した。円形では車の流れが滞り、矩形では角が生じるという問題への解にあたる。
この曲線は「スーパー楕円」と呼ばれ、以後、家具、食器、都市の構成に用いられた。1996年4月17日に没している。
デザインの思想と方法
ハインは設計者ではなく数学者である。彼が行ったのは、形を描くことではなく、形を式で定義することだった。式が決まれば、指数の値を変えるだけで形が連続的に変わる。
形を式で定義する
スーパー楕円は、楕円の式の指数を2より大きくしたものにあたる。指数が2なら楕円、無限大に近づけば矩形になる。中間の値をとれば、その間の形が得られる。
指数で形を選ぶ
家具に用いる場合、指数の値によって角の丸みが変わる。用途に応じて値を選べば、形の判断が数値の選択になる。設計者が曲線を描く必要がない。
都市の問題から出発する
もとは交差点の形を決めるための解だった。円形では車の流れが滞り、矩形では角が生じる。この二つの条件を同時に満たす形が求められていた。
立体へ拡張する
同じ式を三次元へ拡張すると「スーパー卵」と呼ばれる立体になる。回転させても倒れずに立つ性質を持ち、玩具や置物として製品化された。
フリッツ・ハンセンの歴史や他の製品について詳しくはフリッツ・ハンセン ブランドページをご覧ください。
代表作にみる方法
スーパー楕円の定義(1959年)
ストックホルムのセルゲル広場の交差点のために定義した曲線である。楕円の式の指数を2より大きくすることで、楕円と矩形の中間の形が得られる。指数の値によって角の丸みが変わる。
スーパーエリプス テーブル(1964年、フリッツ・ハンセン)
スーパー楕円を天板の輪郭に用いた卓である。角がなく、縁に沿って座る人数を確保できる。ブルーノ・マットソン、アルネ・ヤコブセンとの三者の名で発表された。→スーパーエリプステーブル
スーパー卵(1960年代)
スーパー楕円の式を三次元へ拡張した立体である。回転させても倒れずに立つ性質を持ち、玩具や置物として製品化された。
グルック(1940年〜)
新聞に発表した短い詩の系列である。数千編を残している。設計とは別の活動にあたる。
数学の遊戯
盤上遊戯「ヘックス」や、立体パズル「ソーマキューブ」を考案した。数学の問題を遊戯の形にする試みにあたる。
評価と影響
ハインは、設計者ではなく数学者として言及される。形を描くのではなく式で定義するという立場が、その仕事の性格を決めている。
スーパー楕円は、家具、食器、皿、都市の広場に用いられた。指数の値を変えるだけで形が連続的に変わるため、用途に応じて選択できる。
スーパーエリプス テーブルは1964年の設計で、現在もフリッツ・ハンセンが生産している。数学者、家具デザイナー、建築家の三者による共同の例にあたる。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、ハイン個人の名義での収蔵は確認できなかった。デンマーク国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 年 | 区分 | 作品名 | ブランド / 場所 |
|---|---|---|---|
| 1940年〜 | 詩 | グルック(数千編) | デンマーク |
| 1959年 | 数学 | スーパー楕円の定義 | ストックホルム、スウェーデン |
| 1964年 | テーブル | スーパーエリプステーブル | Fritz Hansen |
| 1960年代 | 製品 | スーパー卵 | 各社 |
| 1940-60年代 | 遊戯 | ヘックス、ソーマキューブ | — |
プロフィール
| 生没年 | 1905年12月16日〜1996年4月17日 |
|---|---|
| 出身地 | デンマーク・コペンハーゲン |
| 国籍 | デンマーク |
| 活動拠点 | コペンハーゲン |
| 分野 | 数学、詩、形の定義 |
| 主な協働ブランド | Fritz Hansen |
Reference
- Piet Hein | Fritz Hansen
- https://fritzhansen.com/en/designers
- Designmuseum Danmark
- https://designmuseum.dk/en/