概要
ピート・ハイン(1905-1996)は、デンマークの数学者・詩人である。1959年、ストックホルムのセルゲル広場の計画に関わり、楕円と矩形の中間にあたる曲線を「スーパー楕円」と名付けて用いた。この曲線は、ブルーノ・マットソンと共同で開発したテーブルの天板にも使われている。
バイオグラフィー
1905年12月16日、コペンハーゲンに生まれた。ストックホルムの王立芸術アカデミーで学んだのち、コペンハーゲン大学で哲学と理論物理学を学んでいる。
ドイツ占領下の1940年から、新聞「ポリティケン」にクンベル(Kumbel)の筆名で短詩「グルック」を発表した。グルックは1940年から1963年にかけて20冊の詩集にまとめられている。1942年には盤上遊戯ヘックスを同紙に発表した。
1950年代末、建築家ダヴィッド・ヘルデンがストックホルム中心部のセルゲル広場を計画していた。長辺200メートル近い長方形の敷地にロータリーを設けるにあたり、ハインは1959年にスーパー楕円を考え、名付けた。広場は1967年に完成している。
1968年、スーパー楕円を天板に用いたテーブルがフリッツ・ハンセンから発売された。1996年4月17日に没している。
デザインの思想と方法
ハインは形を描くのではなく、式で定義した。式が決まれば、指数の値を変えるだけで形が連続的に変わる。
形を式で定義する
スーパー楕円は、楕円の式の指数を2より大きくした曲線にあたる。指数が2なら楕円、大きくするほど矩形に近づき、その間の値で角の丸みが決まる。セルゲル広場では指数2.5の曲線が用いられた。
立体へ拡張する
スーパー楕円を長軸のまわりに回転させると、「スーパー卵」と呼ばれる立体になる。先端を下にして平らな面に立てることができ、1960年代に置物や玩具として製品化された。
数学を遊戯にする
六角形の盤で遊ぶヘックスや、7つの部品で立方体を組む立体パズル「ソーマキューブ」を考案した。
フリッツ・ハンセンの歴史や他の製品について詳しくはフリッツ・ハンセン ブランドページをご覧ください。
代表作にみる方法
セルゲル広場のスーパー楕円(1959年)
長方形の敷地に収まるロータリーの形として、円と矩形の中間の曲線を式で定めた。スーパー楕円が大きな規模で使われた最初の例にあたる。
スーパーエリプス テーブル(1968年、フリッツ・ハンセン)
スーパー楕円を天板の輪郭に用いたテーブルである。天板の形はハイン、工具なしで組み立てられる脚部はマットソンが手がけた。フリッツ・ハンセンの製品としては、アルネ・ヤコブセンを加えた3人の名で扱われている。→スーパーエリプステーブル
スーパー卵(1960年代)
スーパー楕円を回転させてつくる立体である。先端を下にして立てられる性質をもち、置物や玩具として製品化された。
ヘックス(1942年)
六角形のマスを並べた盤の上で、対辺どうしをつなぐことを競う二人用の遊戯である。1942年12月、「ポリゴン」の名でポリティケン紙に発表された。
収蔵
MoMA(ニューヨーク近代美術館)、V&A(ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)、Met(メトロポリタン美術館)、AIC(シカゴ美術館)の4館では、ハインの名義による収蔵は確認できなかった。
作品一覧
| 年 | 区分 | 作品名 | ブランド / 場所 |
|---|---|---|---|
| 遊戯 | ソーマキューブ | — | |
| 1942年 | 遊戯 | ヘックス | — |
| 1959年 | 都市計画 | セルゲル広場のスーパー楕円 | ストックホルム、スウェーデン |
| 1960年代 | オブジェ | スーパー卵 | — |
| 1968年 | テーブル | スーパーエリプステーブル | Fritz Hansen |
プロフィール
| 生没年 | 1905年12月16日〜1996年4月17日 |
|---|---|
| 出身地 | デンマーク・コペンハーゲン |
| 国籍 | デンマーク |
| 活動拠点 | デンマーク |
| 分野 | 数学、詩、形の定義 |
| 主な協働ブランド | Fritz Hansen |
Reference
- Piet Hein(公式)About Piet Hein
- https://piethein.com/piet-hein/
- Den Store Danske(lex.dk)Piet Hein
- https://lex.dk/Piet_Hein
- Ingeniøren「Superellipsen fylder 60 år」(2019年4月1日)
- https://ing.dk/artikel/superellipsen-fylder-60-ar-225050
- Möbeldesignmuseum: Piet Hein
- https://www.mobeldesignmuseum.se/designer/piet-hein