概要
ソリアナは、アフラ・スカルパとトビア・スカルパが1969年に設計し、カッシーナが発表したソファである。内部に支持のためのフレームを持たず、クロームメッキのスチール製クランプで外側から詰め物を締め上げて形を保つ。1970年にコンパッソ・ドーロを受賞した。一度生産を終えたのち、近年カッシーナが復刻している。
特徴・コンセプト
外側から締めて形にする
ポリウレタンフォームとダクロン繊維の詰め物を、T字型のクロームメッキスチール製クランプで外側から締め付ける。フォームはそのままでは形が定まらないが、外から一箇所を締めることで、締めた位置を境に上下がふくらむ。金属のクランプが、無定形の詰め物に輪郭を与えている。
内部にフレームを持たないため、身体が触れるどこにも硬い部材がない。座面と背もたれに配されたボタンは、張地と内部を結びつけ、ふくらみのある曲線を保ちながら詰め物が偏るのを防ぐ。
低い座面
座面は低く設定され、深く腰掛ける姿勢に向く。内部フレームがないため、身体を預けたときに沈み込みが大きい。外周のクランプが形を保つので、沈んでも輪郭は崩れない。
素材
張地はウール、レザー、ベルベット、アルカンターラなどから選べる。復刻版では、当初の色に加えて新たな張地と金属クランプの色が用意されている。
エピソード
スカルパ夫妻は1960年代を通じてカッシーナと複数の仕事に取り組んでおり、ソリアナはその延長線上に生まれた。当時新しい素材であったポリウレタンフォームの性質を、内部フレームを省く方向で使った例にあたる。
ソリアナは1980年頃に一度生産を終えたが、その後カッシーナが復刻した。復刻にあたっては、カッシーナ・ラボ・プロジェクトの一環として素材が見直され、内部の詰め物には植物由来のバイオフォーム微粒子が、座面には回収されたPETを再生した吹き込み繊維が用いられている。
評価と影響
内部フレームを省くという方向は、同時期のイタリアで複数の設計者が試みていた。同じ頃のUP5_6 アームチェア&オットマンは骨組みを持たずフォームだけで成立させ、セルペントーネはフレームもカバーも持たない構成をとっている。ソリアナは外側の金属で形を決めるという点で、これらとは異なる解にあたる。アームチェア、ソファ、シェーズロング、プフが展開されている。
カッシーナの歴史や他の製品について詳しくはカッシーナブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ソリアナ / Soriana |
|---|---|
| デザイナー | アフラ&トビア・スカルパ(Afra & Tobia Scarpa) |
| ブランド | カッシーナ(Cassina) |
| 発表年 | 1969年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | ソファ |
| 構造 | 内部フレームなし。T字型のスチールクランプで外側から締めて成形 |
| 主要素材 | ポリウレタンフォーム、ダクロン繊維、クロームメッキスチール |
| 張地 | ウール、レザー、ベルベット、アルカンターラなど |
| 構成 | アームチェア、2人掛け・3人掛けソファ、シェーズロング、プフ |
| 受賞 | 1970年 コンパッソ・ドーロ |
Reference
- Soriana | Cassina
- https://www.cassina.com/ww/en/products/soriana.html