概要

ガットは、アキッレとピエル・ジャコモのカスティリオーニ兄弟が1960年に設計したテーブルランプである。金属の骨組みに樹脂を吹き付けて膜をつくる「コクーン」の技法による。名称はイタリア語で猫を意味する。フロスのコクーンシリーズの一つとして生産が続いている。

特徴・コンセプト

骨組みに膜を張る

シェードをつくるには通常、布や紙を裁って枠に張るか、ガラスを成形する。コクーンの技法では、白く粉体塗装したスチールの骨組みに、細い糸状の樹脂を吹き付けて膜を形成する。裁断も縫製もなく、骨組みの形がそのまま外形になる。

できた膜は繊維が絡み合った状態で、光を通しながら拡散させる。仕上げに透明な樹脂を重ねることで、表面が保護される。

扁平な球

形は球をわずかに押しつぶした扁平な立体で、木製のベースの上に載る。骨組みの位置に沿って膜がわずかに張るため、表面には稜線が現れる。消灯時にも白い塊として残る。

二つのサイズ

ガットと、小型のガット ピッコロがある。コード上のスイッチで調光できる。

エピソード

コクーンの素材は、もともとアメリカで梱包や保護のために開発されたスプレー樹脂である。メラーノの輸入業者アルトゥーロ・アイゼンカイルがこれをイタリアへ持ち込んだ。ジョージ・ネルソンのオフィスが1940年代後半にハワード・ミラーのために手がけたバブルランプでも、同系統の技法が使われている。

ディーノ・ガヴィーナとチェーザレ・カッシーナは、アイゼンカイルとともにこの素材の可能性に着目し、カスティリオーニ兄弟とトビア・スカルパに設計を依頼した。こうして生まれたガット、ヴィスコンテア、タラクサカムなどの一連の製品が、1962年のフロス設立につながっている。

評価と影響

成形の工程を経ずに骨組みの形を写し取るという方法をとる。同じ兄弟によるルミナトールタッチアと同様、既存の技術や部品を照明に転用する進め方が見られる。

基本情報

名称 ガット / Gatto
デザイナー アキッレ・カスティリオーニ、ピエル・ジャコモ・カスティリオーニ
ブランド フロス(Flos)
発表年 1960年
デザインの成立国 イタリア
分類 テーブルランプ
主要素材 粉体塗装スチールの骨組み、コクーン樹脂、木製ベース
製法 骨組みに樹脂を吹き付けて膜をつくる(コクーン)
サイズ展開 ガット/ガット ピッコロ
機能 コード上のスイッチによる調光
関連製品 ヴィスコンテア、タラクサカム(コクーンシリーズ)

Reference