概要
フラワーポット VP3 テーブルランプは、ヴェルナー・パントンが1968年に設計したフラワーポットシリーズのテーブルランプである。向かい合う大小二つの半球でシェードを構成し、上部のドームは下部の半球のちょうど二倍の直径を持つ。現在は&tradition(アンド・トラディション)が製造している。
特徴・コンセプト
二倍という比率
上部の大きなドームと下部の小さな半球は、直径が正確に一対二の関係にある。この比率によって、上下の重さの釣り合いが視覚的に定まる。二つの半球が向かい合うことで、光源は上下から挟まれる位置に収まり、横から直接見えない。
光はシェードの内側で反射してから下方へ届く。眩しさを抑えた配光が得られるため、読書灯としても、空間全体の明かりとしても使える。
一枚の板から絞る
シェードは、一枚の真鍮板またはスチール板をスピニング加工(金属回転成形)で一体成形してつくられる。板を回転させながら型に押し当てて絞る方法で、継ぎ目のない曲面と均一な肉厚が得られる。半球という単純な形であるからこそ、この製法が成立する。
色を設計に組み込む
フラワーポットは、マットカラーからメタリック仕上げまで多くの色が用意されている。パントンは色を空間の要素として扱っており、同じ形のまま色を替えることで置いた場所の印象を変えられる。
エピソード
フラワーポットが生まれた1968年は、学生運動が旧来の価値観を揺さぶり、平和と愛を掲げるフラワーパワー世代が台頭した時代であった。「フラワーポット」という名称は、逆さにした植木鉢を思わせる形状と、この時代の空気の双方に由来するとされる。
2010年に設立された&traditionが、パントン家と協力して製造を行っている。2023年には、パントン家のアーカイブに着想を得た新色が加わり、あわせて1970年代にパントンが用いた波模様も復刻された。
評価と影響
発表以来、半世紀以上にわたり生産が続いている。抑制的とされる北欧のデザインのなかで、色彩を前面に押し出した作品として知られる。パントンチェアやVPグローブ ペンダントライトなど、パントンの他の作品と同じく、単純な幾何形と色の組み合わせで成立している。
ヴェルナー・パントンの設計思想や経歴について詳しくはヴェルナー・パントンプロフィールページをご覧ください。
&traditionの歴史や他の製品について詳しくは&traditionブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | フラワーポット VP3 テーブルランプ / Flowerpot VP3 Table Lamp |
|---|---|
| デザイナー | ヴェルナー・パントン(Verner Panton) |
| ブランド | &tradition(アンド・トラディション) |
| 発表年 | 1968年 |
| デザインの成立国 | デンマーク |
| 分類 | テーブルランプ |
| 主要素材 | ラッカー仕上げスチール/真鍮メッキ/クロームメッキ |
| サイズ | シェード径 Φ230mm × 全高 500mm |
| 構成 | 直径が一対二の二つの半球。スピニング加工による一体成形 |
| シリーズ | フラワーポット(ペンダント、テーブル、ポータブルなど) |
Reference
- Flowerpot VP3 | &tradition
- https://www.andtradition.com/products/flowerpot-vp3