このVL38 テーブルランプが長く愛される理由
VL38 テーブルランプは、デンマーク機能主義建築の先駆者ヴィルヘルム・ラウリッツェンが1930年代後半に設計し、ルイスポールセンが製造する照明である。コペンハーゲンのデンマーク国営放送局本社「ラジオハウス(Radiohuset)」の内装のために生み出されたこのランプは、建築と照明を一体として捉えるラウリッツェンの姿勢を映した一台である。1940年代半ばからルイスポールセンのカタログに掲載され、2016年秋にLED光源を搭載した復刻版として再生産が始まった。参考価格は税込約82,500円〜107,800円で、ルイスポールセンのテーブルランプとしては比較的手の届きやすい価格帯に位置している。
本ページでは、VL38テーブルランプの購入を検討されている方に向けて、正規品の仕様・素材から類似製品との比較、使用感と空間への取り入れ方、メンテナンス方法、正規販売店情報、コーディネート事例まで、購入判断に必要な情報を網羅的にお伝えする。
ヴィルヘルム・ラウリッツェンの設計思想や経歴について詳しくはヴィルヘルム・ラウリッツェン プロフィールページをご覧ください。
VL38 テーブルランプのデザインストーリーについて詳しくはVL38 テーブルランプ紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
VL38テーブルランプの正規品は、デンマークのルイスポールセン社によって製造されている。2016年の復刻にあたっては、ラウリッツェンのオリジナルデザイン仕様が忠実に再現され、光源のみが現代のLED技術に置き換えられた。以下に現行モデルの主要仕様を示す。
| 正式名称 | VL38 テーブルランプ / VL38 Table Lamp |
|---|---|
| デザイナー | ヴィルヘルム・ラウリッツェン / Vilhelm Lauritzen(デンマーク、1894–1984) |
| デザイン年 | 1930年代後半(復刻:2016年) |
| 製造ブランド | Louis Poulsen(ルイスポールセン) |
| 製造国 | デンマーク |
| 主要素材 | ベース:ダイキャストアルミニウム(パウダーコート仕上げ) / シェード:スパンアルミニウム(パウダーコート仕上げ、内面ホワイト塗装) / ステム:真鍮(無塗装・ヘアライン仕上げ) |
| サイズ | W135 × D175 × H380 mm |
| 重量 | 約2.3 kg |
| 光源 | LED 9.6W / 2700K(電球色)/ 416 lm / ドライバー内蔵 |
| 調光 | 2段階(100% / 50%)ベース部スイッチ切替(ハイ/ロー/オフ) |
| タイマー機能 | 4時間 / 8時間 自動消灯 |
| コード | 約3 m(プラスチック被覆、カラーに合わせたコード色) |
| シェード可動 | ヒンジ機構によりシェード角度の微調整が可能 |
| カラーバリエーション | ホワイト/ブラス(2016年発売)、ブラック/ブラス(2017年発売) |
| 参考価格帯 | 約82,500円〜107,800円(税込目安・販売店により異なる) |
| 付属品 | LED光源内蔵(交換不要) |
| 関連製品 | VL38 フロアランプ(約122,100円〜135,300円税込目安)/ VL38 ウォールランプ(約73,700円税込目安) |
類似商品との比較:同価格帯のデザイナーズテーブルランプ
VL38テーブルランプと同価格帯に位置するルイスポールセンのテーブルランプ、およびデンマークデザインの名作テーブルランプとの比較を以下に示す。それぞれに明確な個性があり、求める光の質や空間の雰囲気、用途によって最適な選択は異なる。
| 比較項目 | VL38 テーブルランプ | AJ テーブルランプ | パンテラ ミニ テーブルランプ |
|---|---|---|---|
| デザイナー | ヴィルヘルム・ラウリッツェン | アルネ・ヤコブセン | ヴェルナー・パントン |
| デザイン年 | 1930年代後半 | 1960年 | 1971年 |
| デザイン傾向 | 機能主義・有機的曲線・レトロモダン | モダニズム・幾何学的・シャープ | ポップ・有機的・アイコニック |
| 主な素材 | アルミニウム、真鍮 | スチール、亜鉛 | アクリル樹脂、スチール |
| サイズ(H) | 380 mm | 560 mm | 335 mm |
| 光の特性 | 下方集中、柔らかい拡散光 | 非対称配光、指向性の高い光 | 全方向に均一な拡散光 |
| 調光 | 2段階(ベーススイッチ) | なし(別売調光器対応モデルあり) | なし |
| 参考価格帯(税込目安) | 約82,500〜107,800円 | 約165,000円〜 | 約71,500円〜 |
| 経年変化 | 真鍮のパティナ(大きな特徴) | 塗装面のみ、変化は限定的 | 樹脂素材のため変化は限定的 |
選び方の指針
VL38テーブルランプは、真鍮の経年変化を楽しみながら、デスクワークから読書まで実用的に使える「道具としての照明」を求める方に適している。1930年代のデンマーク機能主義に由来するレトロモダンな佇まいは、北欧クラシックからミッドセンチュリーモダンまで幅広いインテリアスタイルに調和する。2段階調光とタイマー機能を標準搭載する実用性の高さも見逃せない。
一方、空間にシャープなアクセントを加えたい場合はAJテーブルランプが、柔らかな全方位の光でアンビエントな雰囲気を演出したい場合はパンテラミニが、それぞれより適した選択となるだろう。価格面では、VL38はAJテーブルランプの半額程度であり、パンテラミニとも近い価格帯にあることから、機能性と歴史的価値のバランスに優れたコストパフォーマンスの高い選択肢といえる。
使用感と暮らしへの取り入れ方
光の質と広がり方
VL38テーブルランプは、下方向に集中する指向性のある光を特徴とする。シェード内面のホワイト塗装が光源からの光を柔らかく反射し、直下に心地よい明るさを生み出す。2700Kの電球色LEDは、自然な温かみのある光色で、長時間の使用でも目への負担が少ない。416ルーメンの光束は、デスクワークや読書に十分な明るさを確保しつつ、空間全体を過剰に明るくすることのない、適度な存在感を維持する。
ヒンジ機構によるシェード角度の微調整は、タスクライトとしてもアンビエントライトとしても活用できる柔軟性をもたらす。シェードをやや下向きに傾ければ手元を集中的に照らし、上向きに起こせば間接光として空間に柔らかな光を広げることが可能である。2段階調光により、作業時には100%、リラックス時には50%と、シーンに応じた光量の切替も容易に行える。
部屋の広さとの関係
全高380mmというコンパクトなサイズは、日本の住宅事情に適している。デスクやサイドテーブルの上に設置しても圧迫感がなく、6畳程度の書斎やベッドルームから、リビングダイニングのサイドテーブル上のアクセント照明まで、多様な空間に無理なく収まる。重量約2.3kgと安定感があり、ダイキャストアルミニウム製のベースが転倒を防ぐ。
空間別の活用提案
書斎・ワークスペースでは、デスク上のタスクライトとして最も本領を発揮する。ラウリッツェンがそもそもラジオハウスのオフィス照明として設計した出自を持つVL38は、長時間のデスクワークにおいて快適な光環境を提供する。ベッドサイドでは、50%の減光モードとタイマー機能が就寝前の読書に適しており、4時間または8時間後の自動消灯は、読書中に寝入ってしまっても安心である。リビングのサイドテーブルやコンソール上に配置すれば、真鍮とアルミニウムが織りなす造形美がインテリアのアクセントとなり、点灯時の温かな光が空間に落ち着いた雰囲気を添える。
生活スタイル別の提案
一人暮らしの方には、コンパクトなワンルームでもデスク兼ベッドサイドランプとして一台二役を果たせる汎用性が魅力である。ファミリーの方には、書斎やリビングのサブ照明として、家族がそれぞれの時間を過ごす場面に寄り添う穏やかな光が適している。ホームオフィスを構える方には、オンライン会議時にも映り込みが美しく、機能性とデザイン性を兼ね備えたデスクランプとして最適な選択となる。
経年変化とメンテナンス
真鍮の経年変化を楽しむ
VL38テーブルランプの最も大きな特徴の一つが、無塗装の真鍮ステムに現れる経年変化である。ヘアライン仕上げの真鍮表面は、使用開始当初は明るい金色の輝きを見せるが、空気中の酸素や水分と反応し、時間の経過とともに深みのある飴色へと変化していく。この自然な酸化過程(パティナ)は、一つひとつの個体に異なる表情を与え、使い手の暮らしの時間が刻まれた証となる。なお、開梱時にすでに若干の変色や斑点が見られる場合があるが、これは無塗装真鍮の素材特性であり、製品不良ではない。
日常のお手入れ
シェードおよびベースのパウダーコート部分は、柔らかい乾いた布で軽く拭く程度の手入れで十分である。汚れが気になる場合は、水で薄めた中性洗剤を柔らかい布に含ませて拭き取り、その後乾いた布で水分を除去する。研磨剤入りのクリーナーや溶剤系の洗浄剤は、塗装面を傷める可能性があるため使用を避ける。
真鍮ステム部分は、パティナの進行を楽しむ場合は乾いた布で軽く拭くのみで良い。真鍮本来の輝きを維持したい場合は、市販の真鍮用研磨剤(ブラスポリッシュ)を用いて定期的に磨くことで、元の光沢に近い状態を保つことができる。ただし、メーカーは無塗装真鍮の経年変化を製品の特徴として位置づけており、過度な研磨は推奨されていない。
LED光源と長期使用
内蔵LED光源は長寿命であり、通常の使用条件下では数万時間の点灯寿命が見込まれる。万が一LED光源に不具合が生じた場合は、ルイスポールセンの正規販売店またはルイスポールセンジャパンのカスタマーサービスに相談のうえ、修理対応を依頼することが望ましい。自身での分解修理は推奨されていない。
どこで買うか:正規販売店と購入方法
ルイスポールセン直営店
2023年11月にオープンした世界初の直営フラッグシップストア「ルイスポールセン東京」(東京都港区北青山3-2-2 AYビル 1F・2F、東京メトロ銀座線外苑前駅最寄り)では、VL38を含むほぼすべての住宅向け製品を展示・販売している。専門スタッフによるライフスタイルに合わせた照明コーディネート提案も受けられるため、初めてのデザイナーズ照明購入の方にも安心である。また、ルイスポールセン大阪ストアでも製品の確認が可能である。
正規販売店(オフィシャルパートナーショップ)
ルイスポールセンは全国に正規販売店(オフィシャルパートナーショップ)を展開しており、公式サイトの「取扱販売店」ページで最寄りの店舗を検索できる。主要な正規販売店としては、ACTUS、ザ・コンランショップ、SEMPRE、TIMBER YARD、Generate Design、LYKKE lighting、CONNECT、シバタ照明、IKEDA LIGHTING、H.L.D.などが挙げられる。各販売店により展示状況は異なるため、来店前に在庫・展示の有無を確認することを推奨する。
公式オンラインストア
ルイスポールセン公式サイト(louispoulsen.com/ja-jp)からの購入も可能である。また、上記の各正規販売店のオンラインストアでも取り扱いがある。正規販売店を通じた購入であれば、メーカー保証やアフターサービスが適用される。
購入時のチェックリスト
- 正規販売店からの購入であることの確認(メーカー保証・アフターサービスの適用条件)
- カラーの選択(ホワイト/ブラス or ブラック/ブラス)——空間のトーンや既存のインテリアとの調和を考慮
- 設置場所の確認(コンセントまでの距離、コード長約3mの範囲内であるか)
- 設置面の寸法確認(ベース径約175mmが収まるデスクやサイドテーブルの天板幅)
- 電圧の確認(日本仕様:AC100V対応であること)
- 保証内容の確認(メーカー保証期間、保証適用条件)
- 納期の確認(在庫品は7〜14日程度、メーカー取寄せの場合はさらに日数を要する場合がある)
- 配送方法の確認(精密な照明器具のため、丁寧な梱包・配送が行われるか)
配送・設置に関する注意事項
VL38テーブルランプは卓上照明であるため、特別な設置工事は不要である。コンセントに接続するだけで使用を開始できる。梱包を開封する際は、パウダーコート面や真鍮部分に傷がつかないよう、丁寧に取り扱うことが望ましい。真鍮の無塗装部分は指紋が付きやすいため、開梱後は柔らかい布で表面を軽く拭き取ると良い。
コーディネート事例
北欧クラシック × ナチュラルウッド
ホワイト/ブラスのVL38は、オーク材やウォールナット材の家具との相性が格別である。ハンス・J・ウェグナーのCH24 Yチェアやフィン・ユールの家具に代表される北欧クラシック家具と合わせれば、デンマークデザインの系譜を一つの空間で体感できる。壁面にはウォールタイプのVL38を加え、シリーズで統一する手法も効果的である。天板がオイル仕上げの木製デスクの上に配すれば、真鍮の温かな輝きと木の温もりが互いを引き立てる。
モノトーン × コンテンポラリー
ブラック/ブラスのVL38は、白い壁面やコンクリート打ち放しの空間に映えるコントラストを生み出す。ブラックのシェードとベースが空間に引き締まった印象を与え、ブラッシュド真鍮のステムがアクセントとして洗練された華やぎを添える。ジャスパー・モリソンやナオト・フカサワのプロダクトに代表されるシンプルで抑制の効いたコンテンポラリーデザインの家具と合わせれば、静謐で落ち着いた空間が生まれる。
ミッドセンチュリーモダン × レトロミックス
1930年代生まれのVL38は、1950〜60年代のミッドセンチュリーモダン家具との親和性も高い。チーク材のサイドボードやローテーブルの上に配すれば、20世紀デザインの黄金期を横断するコーディネートが完成する。同じルイスポールセンのVL45 ラジオハウスペンダントをダイニングに吊れば、ラウリッツェンのデザイン世界をより深く味わうことができる。
相性の良いデザイナーズ家具
VL38テーブルランプと特に調和する作品として、同じラジオハウスの系譜に連なるフィン・ユールの家具群、ポール・ケアホルムのPK22やPK61に代表される金属と革の組み合わせの家具、カイ・クリスチャンセンのチーク家具などが挙げられる。真鍮のアクセントという点では、アルネ・ヤコブセンのAJシリーズ(真鍮仕上げモデル)との共存も美しい。
よくある質問
- VL38テーブルランプの正規品の価格はどのくらいですか?
- 参考価格は税込約82,500円〜107,800円です。販売店や時期により価格が異なる場合がありますので、正規販売店にて最新価格をご確認ください。
- どこで購入できますか?
- ルイスポールセン東京(青山)をはじめとする直営店、および全国のルイスポールセン正規販売店(オフィシャルパートナーショップ)にて購入できます。ACTUS、ザ・コンランショップ、SEMPRE、Generate Designなどの正規販売店のオンラインストアでも取り扱いがあります。正規販売店の一覧はルイスポールセン公式サイトの「取扱販売店」ページで確認できます。
- 実物を確認できる場所はありますか?
- ルイスポールセン東京(東京都港区北青山3-2-2 AYビル 1F・2F)では、VL38を含む住宅向け製品をほぼすべて展示しています。また、各地の正規販売店でも展示している場合がありますが、店舗により展示状況が異なるため、来店前に在庫・展示の有無を各店舗に確認されることを推奨します。
- 納期はどのくらいですか?
- 在庫がある場合は注文から約7〜14日程度で届くのが一般的です。メーカー取寄せの場合は、デンマークからの輸送を含め数週間程度を要する場合があります。購入時に各販売店にて納期をご確認ください。
- LED光源は交換できますか?
- VL38テーブルランプはLED光源を内蔵しており、一般的な電球のように自身で交換する仕様ではありません。LED光源は数万時間の長寿命を有しますが、万が一不具合が生じた場合は、ルイスポールセンの正規販売店またはルイスポールセンジャパンのカスタマーサービスに修理を依頼してください。
- メンテナンスはどのようにすればよいですか?
- シェードとベースのパウダーコート部分は柔らかい乾いた布で拭く程度で十分です。真鍮ステムは無塗装のため、時間の経過とともに自然な経年変化(パティナ)が現れます。これを味わいとして楽しむ場合はそのまま使用し、元の輝きを維持したい場合は市販の真鍮用研磨剤で定期的に磨いてください。研磨剤入りクリーナーや溶剤系洗剤はパウダーコート面への使用を避けてください。
- ホワイトとブラック、どちらを選ぶべきですか?
- ホワイト/ブラスはオリジナルデザインに忠実なカラーで、明るく温かみのある空間に調和します。ナチュラルな木目の家具や淡い色調のインテリアとの相性が良好です。ブラック/ブラスは2017年に追加されたカラーで、ホワイトよりもモダンで引き締まった印象を与えます。コンテンポラリーなインテリアや、モノトーンの空間にアクセントとして取り入れたい場合に適しています。いずれも真鍮ステムは共通であり、点灯時の光の質に違いはありません。
- 他に検討すべき名作テーブルランプはありますか?
- 同じルイスポールセンのテーブルランプとして、アルネ・ヤコブセンによるAJテーブルランプ、ポール・ヘニングセンによるPH 3/2テーブルランプ、ヴェルナー・パントンによるパンテラテーブルランプなどが代表的な選択肢です。それぞれのデザインストーリーと特徴は、当サイトの各作品紹介ページでもご紹介しています。