モバイルシャンデリア 1──光と均衡の彫刻
「モバイルシャンデリア 1(Mobile Chandelier 1)」は、ロンドンを拠点とするデザイナー、マイケル・アナスタシアデスが2008年に発表したペンダントライトである。ニューヨークのクリスティーナ・グラハレス・ギャラリーを通じてデザインフェア「Design Miami」に出品され、その後、全16点へと展開するモバイルシャンデリア・シリーズの出発点となった。
アレクサンダー・カルダーのモビール彫刻の原理を照明に応用した作品で、パティネーション(黒色経年加工)を施した真鍮の線的構造体と、職人が一つひとつ吹き上げたオパリンガラスの球体で構成される。各要素が均衡を保ちながら空間に浮かび、手で触れると光の配置が変わる。照明であると同時に、空間の印象を変えるキネティックな彫刻でもある。
特徴とコンセプト
モビールの原理と光
本作は、カルダーのモビール彫刻に着想を得ながら、可動する複数の光源という機能を加えた点に特色がある。各アームが電気を伝導し、先端のバランシング・エレメントがやわらかな光を放つ。接合部は360度回転するため、シャンデリア全体がゆるやかに向きを変え、置かれた空間ごとに異なる光の構成を生み出す。この着想が、以後15年以上にわたり新作が加えられ続けるシリーズの基礎となった。
直線による初期の造形
シリーズ全16点のうち、Mobile Chandelier 1から6までは直線的なチューブをさまざまに組み合わせた構成をとる。7番から13番では幾何学的な曲線が加わり、14番から16番ではより自由な形態へと展開していくが、第1番は直線という基本的な要素だけで均衡を実現している。約200点の真鍮パーツが手作業で加工・組み立てられ、吹きガラス球体一つひとつの微妙な重量差に合わせて個別に調整される。そのため、同じMobile Chandelier 1であっても、二つとして同じ寸法・同じバランスのものは存在しない。
素材と仕上げ
黒く経年加工した真鍮と、乳白色のオパリンガラスの組み合わせが本作の外観を特徴づけている。真鍮の表面にはコーティングを施さず、時間の経過とともに風合いが変化していくことを前提とした仕上げである。パティネーションは塗装ではなく、一点ごとに色調と質感を作り込む手仕事である。
基本情報
| 作品名 | モバイルシャンデリア 1 / Mobile Chandelier 1 |
|---|---|
| デザイナー | Michael Anastassiades(マイケル・アナスタシアデス / キプロス出身、1967年生まれ) |
| ブランド | Michael Anastassiades(自社ブランド / 2007年設立) |
| 製造 | イギリス |
| 発表年 | 2008年(Design Miami、クリスティーナ・グラハレス・ギャラリー出品) |
| 分類 | ペンダントライト / シャンデリア |
| 素材 | ブラックパティネーション真鍮、吹きガラス(オパリン) |
| サイズ | 幅 約258cm × 奥行 約15cm(高さ・全長はオーダー指定。手作りのため最大10%程度の個体差あり) |
| 球体径 | 大球 Ø約15cm / 小球 Ø約6cm |
| 吊り下げ全長 | 最小 約127cm ~ 最大 約274cm(延長パーツ使用時は最大約476cm) |
| 重量 | 約15kg |
| 光源 | LED内蔵(大球:9W / 800lm / 2700K、小球:3W / 350lm / 2700K) |
| 調光 | 対応(ディマブル) |
| 保護等級 | IP20 |
| 生産方式 | 受注生産(Made to Order) |
| 納期目安 | 約13〜16週間(販売店により異なる) |
| 参考価格 | 受注生産のため要見積り(海外正規小売の目安は約$18,000〜、為替・関税により変動) |
| 認証 | CE |