バイオグラフィー

マイケル・アナスタシアデス(Michael Anastassiades、1967年キプロス生まれ)は、ロンドンを拠点とする現代デザイン界を代表する照明デザイナーである。土木工学を修めた後、デザインの道へと転身し、詩的でありながら厳格な解釈によって技術、素材、機能を昇華させた作品群を生み出してきた。彼の照明器具は、ミニマリズムと幾何学的形態の美学を基盤としながら、産業的簡潔さと複雑な象徴性を見事に融合させている。

1988年、21歳でイギリスに渡り、ロンドンのインペリアル・カレッジで土木工学を学ぶ(1988-1991年)。当初両親は、彼に金融やマーケティングといった「安定した職業」につながる実務的な教育を望んでいた。創造的分野での成功は難しいという当時の一般的な考えから、芸術的な道は避けるべきだと考えられていたのである。しかし、アナスタシアデスは自らの情熱に従い、1991年から1993年にかけてロイヤル・カレッジ・オブ・アートで工業デザインの修士号を取得した。

1994年、27歳で自身のスタジオを設立。当初は製品デザイン、空間デザイン、実験的作品を通じて、現代の文化と美学の概念を探求することを目的としていた。初期のキャリアでは、ファッションデザイナーのフセイン・チャラヤン、パリのブティック「コレット」、建築家デイヴィッド・チッパーフィールドやジョン・ポーソン、インテリアデザイン事務所スタジオ・アイルなど、様々な分野のクリエイターと協働した。

アナスタシアデスの照明デザインへの道は、極めて実践的な問題から始まった。ロンドンで初めての自宅に引っ越した際、理想とする照明器具が見つからなかったため、自ら設計することを決意したのである。この個人的な必要性が、彼の照明デザイナーとしてのキャリアの出発点となった。幼少期から、彼はキプロスの小さな町にあった照明器具店で、イタリアのフロス社の照明に魅了されていた。日常の瞬間からインスピレーションを得た大胆で美しい照明は、彼の創造性の源泉となっていた。

2007年、40歳で自身の名を冠したブランド「マイケル・アナスタシアデス」を設立し、照明、家具、ジュエリー、テーブルトップオブジェクトのシグネチャーコレクションの製造を開始した。製品は世界中の家族経営の工房で製作され、それぞれの工房は独自の製造技術と伝統的な素材の使用法で選ばれている。すべての製品は手作業で製作され、デザイナーの刻印が施されている。

2011年、アナスタシアデスのキャリアにおける重要な転機が訪れる。当時フロス社のマネージングディレクターであったピエロ・ガンディーニがニューヨークを訪れた際、偶然にも通常の照明とは異なる魅力的なオブジェクト——アナスタシアデスの照明作品——を目にした。その場でデザイナーの連絡先を入手し、最初の打ち合わせはわずか20分のタクシー移動中に行われたが、それだけで長期的なパートナーシップが始まった。この協働は、「ストリング・ライト」(2013年)、「IC ライト」(2014年)、「アレンジメント」、「コピーキャット」など、フロス社の象徴的なコレクションを生み出すこととなった。

デザイン思想とアプローチ

引き算の美学と重層性

アナスタシアデスのデザイン哲学は、「引き算」を中心に据えている。余分な要素を削ぎ落とし、シンプルでタイムレスな作品を創造することで、物体の物理的存在感と素材性を讃える。彼の作品は幾何学的形態、明確な線、真鍮、ガラス、大理石といった限られた素材のパレットを特徴としている。しかし、この見かけ上の単純さの背後には、深い複雑性が潜んでいる。

「私の作品は重層性についてです。層を導入しなければ、作品は非常に表層的なものに留まってしまいます。もし小さなことだけに取り組んでいるのなら、そのプロジェクトが長寿命や関連性を持つ可能性はありません」とアナスタシアデスは語る。この哲学は、彼のすべての作品に浸透しており、一見シンプルに見える形態が、よく観察すると驚くべきディテールを明らかにする。

産業生産と職人技の融合

アナスタシアデスの実践は、産業生産と職人的技法の両方を熟考している。このアプローチにより、彼の作品は即興と構造、制御と直感の間の鮮やかで微妙なバランスへと拡張される。彼は製品を製造するサプライヤーや職人たちと密接な関係を築いており、この方式が非常に成功したため、フロス、プイフォルカ、ロブマイヤー、スヴェンスクト・テンといったブランドが彼との協働を求めるようになった。

「細部へのこだわりが重要です。見えない部分にさえ、細心の注意を払います。仕上げは完璧でなければなりません——たとえ完全な暗闇の中で見られるとしても」とアナスタシアデスは述べる。この徹底した姿勢が、彼の作品を単なる機能的な照明器具から、芸術作品へと昇華させている。

インスピレーションの源泉

アナスタシアデスの作品は、多様な源泉からインスピレーションを得ている。自然、故郷キプロスの古代的な記憶、モダニズムの歴史、個人的な思い出、芸術、そして日常生活——これらすべてを純粋でシンプルな構造に蒸留し、タイムレスな形態と構造の語彙へと変換している。

キプロスという島国での生育経験は、彼の作品に深く浸透している。協働者のステファノ・リゴリによれば、キプロスはアナスタシアデスの作品全体に「不確実性、不安、不均衡」という形で表れている。IC ライトの今にも倒れそうなバランス、モビール・シャンデリアの容易に崩れる構造、「ラブ・ミー、ラブ・ミー・ノット」ダイニングテーブルの緊張感ある大理石の架構、ビオサウンド・エッジの不安定な回転、ジャック書棚システムの豆の木のような不安定さなど、すべてが島国特有の微妙なバランス感覚を反映している。

日常の観察も重要な役割を果たす。「列車に乗って旅をするとき、窓の外にある電線の列をいつも見ています。それらが電柱を結ぶ方法は美しく詩的ですが、同時に風景を分断しています。これを室内建築に翻訳したかったのです」——この観察から「ストリング・ライト」が生まれた。また、コンタクト・ジャグラーが球体を指先や腕の上で完璧にバランスさせる様子を見て、「IC ライト」のコンセプトが誕生した。

時間を超えるデザイン

アナスタシアデスは、ハーマンミラーとの協働について語る中で、根本的な問いを投げかける。「物体を時間を超えて存続させるものは何か?物体は年を経るごとに美しくなることができるのか?」これらの問いは、彼の作品が継続的に探求するテーマである。彼の照明器具と家具は、単なる機能的な道具ではなく、「永久的な価値を持つ、卓越した設計の物体」を生み出すことを目指している。

「結局のところ、それは感じることなのです。何があなたにとって魅力的か、望ましいか、見ること、占有すること、共に生きること。私にとって、これらはレシピよりも重要です。誠実さこそが私が求めているものです。結局のところ、それこそが望ましさを生み出すものなのです」とアナスタシアデスは語る。

作品の特徴

幾何学的フォルムとミニマリズム

アナスタシアデスの作品の最も顕著な特徴は、幾何学的形態の純粋性である。球体、円筒、直線という基本的な形態を用いながら、それらを革新的な方法で組み合わせることで、見る者を魅了する彫刻的な照明器具を創造している。この幾何学的アプローチは、彼の土木工学のバックグラウンドと、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで培った工業デザインの洗練が融合した結果である。

バランスと不安定性

アナスタシアデスの作品における特徴的なテーマは、バランスと不安定性の探求である。IC ライトシリーズでは、球体が棒の端に絶妙なバランスで保たれており、まるでジャグラーの演技のように見える。モビール・シャンデリアは、アレクサンダー・カルダーのモビールのように完璧にバランスが取られながら、かすかな風にも繊細に反応する。このバランスの演出は、約100個の微細なコンポーネントを必要とし、構築は非常に精密である。

「シンプルさを実現するには長い時間がかかり、達成するのは非常に困難です」とアナスタシアデスは控えめに述べる。この言葉は、彼の作品の見かけ上の単純さの背後にある、膨大な技術的挑戦と職人技を示唆している。

光と影の詩学

照明デザイナーとして、アナスタシアデスは光そのものを彫刻する。彼の照明器具は、点灯時だけでなく消灯時にも彫刻的な存在感を持つ。手吹きのオパールガラス球体、磨かれた真鍮、洗練されたスチールフレームといった素材の選択は、照明が空間に拡散する方法を慎重に考慮したものである。光は、空間を定義し、雰囲気を創造し、人々の相互作用を促進する道具となる。

ユーザーへの創造性の委譲

「ストリング・ライト」は、アナスタシアデスのユニークなアプローチを象徴する作品である。この照明は、ユーザーに創造性を委ねるジェスチャーとして設計された。超長尺の細いケーブルを持つ照明で、天井、壁、床の選択したポイントに伸ばすことで、無限の構成が可能となり、空間に微細な介入を創り出す。

「このプロジェクトは、ユーザーに創造性を返すことについて非常に意味がありました——照明の紐を空間の異なるポイントに取り付けることができ、3次元のドローイングのようです」とアナスタシアデスは説明する。発表後、人々は最も予想外の構成でストリング・ライトを設置した写真を彼に送ってきた。「私が決して思いつかなかったような、最も恐ろしい構成でした!」と彼は笑いながら語る。この経験から、彼は「アレンジメント」コレクションでは「ユーザーにより少ない自由度を与え、結果がそれほど衝撃的でないようにしよう」と考えたという。

主要代表作品

IC ライト(2014年、フロス)

IC ライトは、アナスタシアデスの最も象徴的な作品であり、彼の名声を確立した照明コレクションである。「IC」とは、英国への移民を評価する際に使用される身分証明コード(Identity Code)を指す。このコレクションは、コンタクト・ジャグラーが球体を身体の上で優雅に回転させる技術からインスピレーションを得ている。アナスタシアデスは、このめくるめく動きを、発光する手吹きガラスの拡散板がスチールフレームから芸術的に突き出る一連の照明器具として表現した。

「オンラインでコンタクト・ジャグラーのビデオクリップを見ました。彼は球体の組を回転させており、あまりに完璧に回転しているため、動いているようには見えませんでした——完璧にバランスが取れ、完璧に静止しているように見えたのです。その正確な瞬間を捉えたかった。それが私の出発点でした」

テーブルランプ、ウォールライト、ペンダント、シーリングマウントライトなど、様々なバリエーションで展開されるIC ライトは、球体が棒の端で完璧にバランスを保つという基本形態を共有している。産業的シンプルさへの愛と複雑な象徴性を融合させたこのコレクションは、ブラック、真鍮、クローム、レッドバーガンディーの4つの仕上げで提供されている。2019年には、IC ライト シーリング/ウォール ダブルという新モデルが追加され、二重光源を備えた室内用壁面・天井取付器具として展開された。

ストリング・ライト(2013年、フロス)

ストリング・ライトは、2013年にフロス社との最初のコラボレーションとして誕生した。このプロジェクトは、ユーザーに創造性を委ねるジェスチャーである。超長尺の細いケーブル(12メートルまたは22メートル)を持つ照明で、天井、壁、床の選択したポイントに伸ばすことで、空間に無限の構成と微細な介入を創り出すことができる。

「列車に乗るたびに、窓の外の完璧に平行な電線の列が、高速で移動する中で電柱を結んでいるのを見ます。それらが風景を分断する方法、そして球体がランダムな間隔で電線に数珠つなぎになっている様子が大好きです。また、地中海文化では、村の広場での夜のパーティーのために屋外空間を示すために、電柱間に照明の紐が張られる様子も好きです。そして最後に、人間の創意工夫が家の中の日常的なもの(スイッチやコンセントなど)が私たちの望まない場所に配置されていることで生じる問題をどう解決するかが好きなのです」

球体型またはコーン型で提供され、ダイキャストアルミニウムボディと光学拡散板を備えたストリング・ライトは、ケーブル上の拡散板をソフトタッチで押すことで調光が可能である。このデザインは、ケーブルや配線を隠そうとする代わりに、それらを祝福し、視覚的に魅力的な「ケーブル・インスタレーション」を創造する機会を提供するという、極めてシンプルなコンセプトに基づいている。

モビール・シャンデリア(2008年〜)

最初のモビール・シャンデリアは、2008年にマイアミのデザイン・マイアミでクリスティーナ・グラハレス・ギャラリーのために発表された。その後、マイケル・アナスタシアデス・ブランドのコレクションとして発展し、現在まで継続的に進化し続けるシリーズとなっている。現在16種類のシャンデリアが存在し、各新デザインでコンセプトが進化している。モビール1から6は、様々な構成で組み立てられた直線的なチューブで構成され、モビール7から13では幾何学的な曲線が導入されている。

これらのシャンデリアは、完璧な均衡の中でバランスが取られた繊細な構造である。モビールの原理に従って構築され、自由に優雅に回転し、占有する空間に固有の、常に変化する照明構成を創り出す。各モビール・シャンデリアは、手作りの青銅色真鍮コンポーネントのバランスを確保するために個別に調整されている。手吹きのオパールガラスの重量のばらつきにより、各作品は寸法と構成バランスにおいて唯一無二のものとなる。

この作品は、アレクサンダー・カルダーのモビールを彷彿とさせながら、バレエのようにささやくような風にも敏感に反応する。シンプルで詩的なアイデアだが、約100個の微細なコンポーネントを必要とし、構築は極めて精密である。

アレンジメント(2017年、フロス)

アレンジメントは、フロス社のための照明システムで、ミニマリズム、幾何学、技術の振付として高く評価された。2020年のADIコンパッソ・ドーロ賞を受賞したこの作品は、LEDとその感情への変換の完璧な解釈として評価されている。

ストリング・ライトの成功から学んだアナスタシアデスは、アレンジメントでもユーザーが独自の構成を作成できるようにしながら、「今回はユーザーにより少ない自由度を与え、結果がそれほど衝撃的でないようにしよう」と考えた。幾何学的な形態のペンダントライトのコレクションで、ユーザーは制限された範囲内で自由に配置を楽しむことができる。

ジャック書棚システム(2018年、B&Bイタリア)

ジャックは、B&Bイタリアとマイケル・アナスタシアデスの最初のコラボレーションの成果である。同じ直径の棒を積み重ねる練習として始まったものが、モジュラー書棚システムへと発展した。アナスタシアデスは、1950年代の部屋仕切り書棚というデザインの古典を再訪し、近代化し、清潔で建築的な構造へと変換した。

このデザインは、押出アルミニウム製の丸断面の垂直要素内に、積層棚を保持する工学的支持体を含む技術的解決を巧妙に隠蔽している。目に見えない床から天井までの伸縮調整システムが統合されている。古典的でありながら現代的、本質的でありながら極めて柔軟なジャック書棚は、垂直床から天井までの支柱を持つバージョンと、壁に固定する棒を持つバージョンの2つの形式で提供される。

2019年には、新しい構造、仕上げ、モジュールによって範囲が拡大された。より深い棚、引き出しやフラップドアを備えた収納要素など、多数の要素が組み合わされ、システムの機能性が向上した。「この書棚システムは、同じ直径の棒の組み立て練習として生まれました。選択されたデザインは、多様な室内空間に対応するための最適な構造とモジュール性を提供する、削減された構成です」とアナスタシアデスは説明する。

ビオサウンド・エッジ(2018年、バング&オルフセン)

ビオサウンド・エッジは、世界的に著名なデザイナー、マイケル・アナスタシアデスとデンマークのオーディオブランド、バング&オルフセンとのコラボレーションによる画期的なスピーカーである。このデザインは、英国のポンド硬貨がその端に立っている比率からインスピレーションを得ており、ビオサウンド・エッジを優しく転がすことでボリュームをコントロールする。

円形のこの音響の宝石は、床に置いて印象的な中心的芸術作品として目立たせたり、壁に掛けて重力に挑戦するように空間を分割したりという、2つの配置オプションを提供する。近接センサーが接近する動きを検知し、アルミニウムのタッチインターフェースを控えめに照らす。音の調整は、音自体と同じくらい魔法的である——ビオサウンド・エッジを前後に優しく転がすことで音量を増減し、手を離すとゆっくりと元の位置に戻る。

このスピーカーのために特別に開発されたアクティブ・ベース・ポートは、正確な音響再生と活力のある低音を実現する。1950年代からアルミニウムの使用で先駆的役割を果たしてきたバング&オルフセンは、完璧な円形フレームを実現し、外装を磨いて完璧な仕上げを得るために、並外れた職人技と細部への注意を必要とした。タッチ式の物理インターフェースは、光のみを通す目に見えない微細な穴を持つアルミニウムフレーム内に組み込まれている。

フライト・ランプ・コレクション(2013-2018年、フロス×スヴェンスクト・テン)

2013年、マイケル・アナスタシアデスは、1924年にエストリッド・エリクソンによって設立された歴史的なスウェーデンのデザインブランド、スヴェンスクト・テンとの協働に招かれた。このコラボレーションは「トゥ・ビー・パーフェクトリー・フランク」という展覧会につながり、そのタイトルはオーストリアの建築家ヨーゼフ・フランクへのオマージュである。フランクのシグネチャーコレクションのテキスタイルと家具は、今日でもスヴェンスクト・テンのストックホルム店で見ることができる。

「トゥ・ビー・パーフェクトリー・フランク」は、誠実さの概念の探求であり、スヴェンスクト・テンの歴史を巡る旅でもあった。アナスタシアデスは、フランクがオリジナルでデザインした物体を、素材、形態、機能の変化を通じて再訪し、それらに新しいアイデンティティを想像し、フランクのオリジナルビジョンに沿った代替的なストーリーを描いた。展覧会では、バードケージ・キャビネット、ベルホップ・コートハンガー、アーキペラゴ・リディング テーブル、そしてランプ「フライト」などの限定版デザインが展示された。

フライトは、ヨーゼフ・フランクの象徴的なチャイナボール・ランプの現代的解釈である。熱気球の形を想起させるこのコレクションは、デスクランプ、ペンダントライト、フラッシュシーリングマウント照明器具で構成されている。フロス社が1960年代に開拓した独特の仕上げ技法「繭」を使用して製作されている。金属構造に等しい層で液体樹脂を吹き付け、最後に透明なコーティングで保護することで、シームレスに伸びた素材のような効果を生み出す。フライトは、この技法が洗練されてきたフロス社の象徴的な製品の長い伝統に加わった。

コピーキャット・テーブルランプ(フロス)

コピーキャットは、アナスタシアデスのユーモアと詩学が融合した作品である。大きな照明されたオパール球体と、その影に24Kゴールドの小さな球体が配置されたユニークでエレガントなテーブルランプ。電源コードに調光器が含まれており、温かく拡散した光を放つ。

この作品は、大小の球体の関係性、光と影の遊び、そして素材のコントラスト(オパールガラスと金)を探求している。タイトルの「コピーキャット」は、小さな金の球体が大きな球体を模倣しているように見えることから名付けられた。見かけ上はシンプルだが、よく観察すると、その形態と素材の選択に込められた精緻なディテールが明らかになる。

功績と業績

受賞歴

2014年
エル・デコ国際デザイン賞(Elle Deco International Design Awards)照明部門(ストリング・ライト、フロス)
2015年
王立産業デザイナー(Royal Designer for Industry, RDI)称号、王立芸術協会(RSA)より、デザインと社会への顕著な貢献を認められて
ホームズ&ガーデンズ デザイナー賞(Homes & Gardens Designer Awards)照明デザイナー部門
2019年
エル・デコレーション国際デザイン賞 デザイナー・オブ・ザ・イヤー
ザ・デザイン・プライズ(The Design Prize)
2020年
メゾン&オブジェ デザイナー・オブ・ザ・イヤー
ADIコンパッソ・ドーロ賞(ADI Compasso d'Oro)——イタリアで最も権威ある工業デザイン賞、「デザイン界のノーベル賞」または「オスカー」と呼ばれる。アレンジメント(フロス)に対して授与。審査員は「ミニマリズム、幾何学、技術の振付であり、LEDとその感情への変換の完璧な解釈」と評価
2024年
大英帝国勲章オフィサー(OBE, Officer of the Order of the British Empire)チャールズ3世国王よりデザインへの貢献を認められて叙勲
2025年
ロンドン・デザイン・メダル(London Design Medal)——ロンドン・デザイン・フェスティバルが授与する最高の栄誉。30年以上にわたる卓越したデザインの一貫性と、業界への顕著な貢献を認められて

パーマネントコレクション所蔵

アナスタシアデスの作品は、世界の主要な美術館とデザイン機関のパーマネントコレクションに所蔵されている。

  • ニューヨーク近代美術館(MoMA)
  • シカゴ美術館
  • ヴィクトリア&アルバート博物館、ロンドン
  • ウィーン応用美術館(MAK)
  • クラフツ・カウンシル、ロンドン
  • FRACセンター、オルレアン、フランス
  • セントルイス美術館

個展と展覧会

2010年
「キネティック・ライト2——ゴールド・ペンデュラム」ヴィクトリア&アルバート博物館ノーフォーク・ハウス音楽室、ロンドン
2011年
キプロスEU議長国記念展示、欧州議会、ブリュッセル、ベルギー
2012年
「タイム・アンド・アゲイン」ゲイミュラーシュロッセル、ウィーン応用美術館
2013年
「トゥ・ビー・パーフェクトリー・フランク」スヴェンスクト・テン、ストックホルム
2014年
「リロード・ザ・カレント・ページ」ポイント現代美術センター、ニコシア
2015年
「ドゥーイングス・オン・タイム・アンド・ライト」ロデオ・ギャラリー、イスタンブール
2017年
「13モビール」アトリエ・イェスパー、ブリュッセル、ベルギー
2019年
「シングス・ザット・ゴー・トゥゲザー」ニコシア市立芸術センター(NiMAC)、ニコシア——自己キュレーションによる回顧展
「シルバー・タングド」SHOPタカ・イシイ、香港
2021年
「ショールーム・ウィーナー・ヴェルクシュテッテ——マイケル・アナスタシアデスとの対話」ウィーン応用美術館。キュレーション及びデザインを担当

限定版コレクション

自身のブランドによる製品に加え、アナスタシアデスは世界の主要ギャラリーのために限定版コレクションをデザインしている。

  • ニルファー・ギャラリー、ミラノ
  • ダンスク・メーベルクンスト・ギャラリー、コペンハーゲン
  • タカ・イシイ・ギャラリー、日本
  • アンドレアス・ムルクディス、ベルリン
  • ICAギャラリー、ミラノ

教育と貢献

アナスタシアデスは、王立芸術協会の王立産業デザイナー(RDI)であり、国際的な教育機関の教育プログラムに関与している。

  • セントラル・セント・マーチンズ、ロンドン芸術大学
  • ECAL(ローザンヌ州立美術学校)、ローザンヌ

評価と影響

現代照明デザインのパイオニア

マイケル・アナスタシアデスは、21世紀の照明デザインを再定義した重要人物として広く認識されている。彼の作品は、ファインアートとデザインの境界に位置し、対話、参加、相互作用を促すことを目指している。ミニマルで実用的でありながら、予想外の活力に満ちた物体を創造する彼のアプローチは、現代デザイン界に大きな影響を与えている。

ロンドン・デザイン・フェスティバルの審査員は、2025年のロンドン・デザイン・メダル授与にあたり、「マイケル・アナスタシアデスは、業界内で卓越した地位を築き、一貫したデザインの優秀性を示してきた」と評価した。審査員団には、アーティスト兼舞台デザイナーのエス・デヴリン、ファッションデザイナーのオズワルド・ボーテン(OBE)、キュレーター兼研究者のジェーン・ウィザーズ、LDFディレクターのベン・エヴァンス(CBE)、インダストリアルデザイナーのジェイ・オズガビー(OBE)などが含まれていた。

伝統と革新の架け橋

アナスタシアデスのアプローチの独自性は、産業生産と職人技術の両方を尊重する点にある。彼は世界中の家族経営の工房と協働し、それぞれの工房が持つ独自の製造技術と伝統的な素材の使用法を活かしている。この方法により、彼の作品は大量生産の効率性と手作りの温かみを兼ね備えている。

「私はいつも、物事がどのようにあなたに関係するかを理解しようとしています。それは誘うように感じますか?脅威的に感じますか?これらすべての異なる質問。そしてその後、その製品の異なる要素がどのように互いに関係するか?」とアナスタシアデスは語る。「結局のところ、それは持つ感覚です。何があなたにとって魅力的で、望ましく、見たい、占有したい、共に生きたいと思わせるか。私にとって、これらはレシピよりも重要です。誠実さこそが私が求めているものです。結局のところ、それこそが望ましさを生み出すものなのです」

詩的機能主義

アナスタシアデスの作品は、機能的でありながら詩的である。彼の照明器具は実用的な照明を提供するだけでなく、空間に感情的な共鳴をもたらす。この「詩的機能主義」とでも呼ぶべきアプローチは、彼の土木工学のバックグラウンドと芸術的感性の独特の融合から生まれている。

2020年のモノクル誌のインタビューで、アナスタシアデスは自身のデザイン哲学について語った。「私の作品は重層性についてです。層を導入しなければ、作品は非常に表層的なものに留まってしまいます。もし一つの小さなことだけに取り組んでいるのなら、そのプロジェクトが長寿命や関連性を持つ可能性はありません」この言葉は、彼の作品が単なる美的追求ではなく、多層的な意味と機能を持つことを示している。

キプロスのアイデンティティと国際的視野

キプロス出身のアナスタシアデスは、自身のルーツを作品に織り込んでいる。しかし、彼の作品は地域的な特殊性に留まらず、普遍的な美と機能を追求している。2019年のニコシア市立芸術センターでの回顧展「シングス・ザット・ゴー・トゥゲザー」の開会式で、彼は「私の作品には、生まれ故郷への多くの言及が含まれています」と語った。

協働者のステファノ・リゴリによれば、キプロスはアナスタシアデスの作品全体に「不確実性、不安、不均衡」という形で浸透している。島国としてのキプロスの複雑な歴史——1974年のトルコ侵攻以降、南北に分断され、首都ニコシアは国連緩衝地帯(グリーンライン)によって分けられている——は、彼の作品における繊細なバランスと緊張感の源泉となっている可能性がある。

次世代デザイナーへの影響

アナスタシアデスは、次世代の照明デザイナーたちに大きな影響を与えている。彼の作品は、照明デザインが単なる機能的な照明器具ではなく、空間を定義し、感情を喚起し、対話を促す芸術作品であることを示している。ミニマリズムの美学と複雑な技術的解決の融合、産業生産と職人技術の調和、そして詩的でありながら実用的なアプローチは、多くのデザイナーにとって模範となっている。

2025年のロンドン・デザイン・メダル受賞について、アナスタシアデスは次のように述べた。「自宅にいるように感じ、うまくいくかどうか決してわからなかった夢を認められることは、大きな名誉です」この謙虚さと情熱は、30年以上にわたるキャリアを通じて彼を突き動かしてきた力である。

持続可能性への貢献

アナスタシアデスのデザイン哲学において、「時間を超える物体」を創造するという考えは、現代の持続可能性の議論と深く共鳴している。トレンドに左右されないタイムレスなデザインを追求することで、彼の作品は長く使用され、愛され続ける。これは、使い捨て文化への静かな抵抗であり、質の高いデザインが環境負荷の低減にも貢献することを示している。

「物体を時間を超えて存続させるものは何か?物体は年を経るごとに美しくなることができるのか?」というアナスタシアデスの問いは、持続可能なデザインの本質を捉えている。自然な仕上げを施し、保護ラッカーなしで要素に曝される彼の製品は、時間とともにパティナを得て、より豊かな表情を獲得していく。

作品一覧

年月 区分 作品名 ブランド
2008年 照明 モビール・シャンデリア 1 Michael Anastassiades
2008年 照明 モビール・シャンデリア 2 Michael Anastassiades
2008年 照明 モビール・シャンデリア 3 Michael Anastassiades
2008年 照明 モビール・シャンデリア 4 Michael Anastassiades
2011年 照明 モビール・シャンデリア 5 Michael Anastassiades
2013年 照明 ストリング・ライト(スフィア/コーン) Flos
2013年 照明 フライト デスクランプ Flos for Svenskt Tenn
2014年 照明 IC ライツ コレクション(テーブル/ウォール/ペンダント/シーリング) Flos
2015年 照明 モビール・シャンデリア 6 Michael Anastassiades
2015年 照明 モビール・シャンデリア 7 Michael Anastassiades
2015年 照明 モビール・シャンデリア 8 Michael Anastassiades
2015年 照明 モビール・シャンデリア 9 Michael Anastassiades
2015年 照明 モビール・シャンデリア 10 Michael Anastassiades
2015年 照明 ワン・ウェル・ノウン・シークエンス Nilufar Gallery
2016年 家具 スポット スツール Herman Miller
2016年 家具 スタシス テーブル Herman Miller
2017年 照明 モビール・シャンデリア 11 Michael Anastassiades
2017年 照明 モビール・シャンデリア 12 Michael Anastassiades
2017年 照明 モビール・シャンデリア 13 Michael Anastassiades
2017年 照明 アレンジメント Flos
2017年 照明 ホワイト・ポーセリン・シリーズ Michael Anastassiades
2017年 照明 ブラス・アーキテクチュラル・コレクション Michael Anastassiades
2017年 照明 フロア・コンポジション Michael Anastassiades
2017年 照明 テーブル・コンポジション Michael Anastassiades
2017年 家具 ラブ・ミー、ラブ・ミー・ノット ダイニングテーブル Salvatori
2018年 照明 フライト ペンダント Flos for Svenskt Tenn
2018年 照明 フライト シーリングマウント Flos for Svenskt Tenn
2018年 家具 ジャック 書棚システム B&B Italia
2018年 オーディオ ビオサウンド・エッジ スピーカー Bang & Olufsen
2019年 照明 モビール・シャンデリア 14 Michael Anastassiades
2019年 照明 モビール・シャンデリア 15 Michael Anastassiades
2019年 照明 モビール・シャンデリア 16 Michael Anastassiades
2019年 照明 プリミティブ・ストラクチャー Michael Anastassiades
2019年 照明 ヴァーティゴ Michael Anastassiades
2019年 照明 ザ・フィロソフィカル・エッグ Michael Anastassiades
2019年 照明 イン・ビトウィーン Michael Anastassiades
2019年 照明 IC ライツ シーリング/ウォール ダブル Flos
2019年 照明 コーディネイツ Flos
2019年 家具 パラレル・ストラクチャー テーブル B&B Italia
年代不詳 照明 コピーキャット テーブルランプ Flos
年代不詳 照明 キャプテン・フリント フロアランプ Flos
年代不詳 照明 ラスト・オーダー Flos
年代不詳 照明 オーバーラップ Flos
年代不詳 照明 フリント タンブラー グラス J. & L. Lobmeyr
年代不詳 水栓金具 AA/27 フィッティング Aboutwater (Fantini)
年代不詳 キッチン用品 メンヒル コーヒーメーカー Alessi

注:上記は主要作品のリストです。マイケル・アナスタシアデスは、Cassina、Molteni、Gebrüder Thonet Vienna、Roda、Karakter、Kettal、Mutina、Shihara、Koyori、Puiforcat、Valextraなど、他にも多数のブランドのためにデザインを手がけています。

Reference

Michael Anastassiades | Biography | Designer | Cassina
https://www.cassina.com/gb/en/contemporanei/michael-anastassiades.html
Michael Anastassiades | Official Website
https://michaelanastassiades.com/
Michael Anastassiades Lighting | The Future Perfect
https://www.thefutureperfect.com/made-by/designer/michael-anastassiades/
Philosophy - Michael Anastassiades
https://michaelanastassiades.com/about/philosophy/
Designer Michael Anastassiades - Herman Miller
https://www.hermanmiller.com/designers/anastassiades/
Michael Anastassiades | IC & String collection from Flos
https://www.lampemesteren.com/michael-anastassiades/
IC Lights Collection designed by Michael Anastassiades | FLOS USA
https://usa.flos.com/ic-lights-collection
STRING LIGHTS FOR FLOS, 2013 - Collaborations - Michael Anastassiades
https://michaelanastassiades.com/collaborations/string-lights-for-flos-2013/
JACK FOR B&B ITALIA, 2018 - Collaborations - Michael Anastassiades
https://michaelanastassiades.com/collaborations/jack-for-bb-italia-2018/
BEOSOUND EDGE BY BANG & OLUFSEN, 2018 - Collaborations - Michael Anastassiades
https://michaelanastassiades.com/collaborations/beosound-edge-by-bang--olufsen-2018/
London Design Festival — London Design Festival 2025 Medal Winners
https://londondesignfestival.com/london-design-medals/ldf25-medal-winners
XXVI Compasso d'Oro ADI: le radici del design | IFDM
https://ifdm.design/2020/09/09/xxvi-compasso-doro-adi-le-radici-del-design/
Leading light: London Design Medal winner Michael Anastassiades - Monocle
https://monocle.com/design/london-design-medal-winner-michael-anastassiades/
XXVI ADI Compasso d'Oro. The winners – Platform Architecture and Design
https://www.platformarchitecture.it/xxvi-adi-compasso-doro-the-winners/
Michael Anastassiades | Tacchini
https://www.tacchini.it/en/designers/michael-anastassiades/