概要

VL38 テーブルランプは、ヴィルヘルム・ラウリッツェンが1930年代後半に設計した照明である。コペンハーゲンのデンマーク国営放送局本社「ラジオハウス」のために、ルイスポールセンとの協働で生まれた。梨のような形のシェードを斜めに取り付け、光を下方へ導く。ペンダントのVL45とともに、第二次世界大戦後の1940年代半ばからルイスポールセンのカタログに載るようになった。

特徴・コンセプト

斜めに傾いたシェード

シェードはスパンアルミニウム製で、ステムに対して斜めに取り付けられる。真下に向けるのではなく傾けることで、光は手元へ落ちながら、机上のやや前方まで届く。内面は白く塗られ、金属面での反射を拡散させて影を和らげる。シェードの上部には小さなヒンジがあり、角度を微調整できる。手元を照らす向きにも、壁や天井へ振って部屋全体を照らす向きにも合わせられる。

真鍮のステムとアルミのベース

ステムはブラッシュ仕上げの真鍮で、表面処理を施していないため、使ううちに酸化して色が深まる。ベースはダイキャストのアルミニウムで、上部にシェードを傾けて載せる構成に対して重心を下げる役割を持つ。ベースにはハイ・ロー・オフの切替スイッチが備わり、2段階で明るさを変えられる。4時間または8時間で自動的に消えるタイマーも組み込まれている。

エピソード

ラジオハウスは、1934年の設計競技でラウリッツェンが選ばれ、1936年に着工、第二次世界大戦をはさんで1945年に竣工した放送局である。建物だけでなく、家具や金物に至るまでを一人の建築家が設計した仕事として知られる。VL38はその内装のために設計された照明で、ペンダントのVL45やホワイエの家具も同じ仕事から生まれた。建物は現在、デンマーク王立音楽アカデミーの校舎として使われている。

ルイスポールセンは2016年秋にホワイト/ブラスの仕様を復刻し、翌2017年秋にはブラックの仕様を加えた。ブラックは白の仕様に比べて輪郭がはっきり見える。現行品には光源としてLEDが組み込まれている。

評価と影響

1930年代のデンマーク機能主義を代表する照明のひとつとして扱われている。同時代のポール・ヘニングセンによるPHシリーズが光の反射と拡散の計算から形を導いたのに対し、VL38は建築の内装との調和と簡潔な構成に重心を置いている。VL38はテーブルランプを基本形として、フロアランプとウォールランプへも展開されている。

基本情報

名称 VL38 テーブルランプ / VL38 Table Lamp
デザイナー ヴィルヘルム・ラウリッツェン(Vilhelm Lauritzen)
ブランド ルイスポールセン(Louis Poulsen)
発表年 1930年代後半(2016年に復刻)
デザインの成立国 デンマーク
分類 テーブルランプ
主要素材 シェード:スパンアルミニウム(粉体塗装)/ベース:ダイキャストアルミニウム/ステム:ブラッシュ仕上げの真鍮(無処理)
サイズ 幅135mm × 奥行175mm × 高さ380mm
光源 LED内蔵(2700K)
スイッチ ハイ/ロー/オフの切替(4時間・8時間の自動消灯タイマー付)
カラー ホワイト/ブラス、ブラック/ブラス

Reference