このページについて
ネストテーブルは、マルセル・ブロイヤーが1936年に設計しアイソコンが製造するテーブルである。厚さ11mmの樺合板1枚を曲げて成形する。2つの寸法があり、重ねて収められる。
このページでは、2つの寸法と重ねる際の条件、合板1枚でつくることの特徴、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
マルセル・ブロイヤーの設計思想や経歴について詳しくはマルセル・ブロイヤー プロフィールページをご覧ください。
アイソコンのネストテーブルのデザインストーリーについて詳しくはネストテーブル(アイソコン)紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
正規品はイギリスのアイソコン社が生産する。当初は3点組だったが、2022年の復刻以降は大小2サイズの構成となっている。
基本仕様
| 正式名称 | ネストテーブル(Nesting Tables) |
|---|---|
| 製造ブランド | アイソコン(イギリス) |
| 素材 | 厚さ11mmの樺合板。1.5mmの単板を7層に重ねる。1枚から切り出して曲げて成形する |
| 仕上げ | 透明のラッカー塗装 |
| 構成 | ラージとミディアムの2サイズ。単品でも入れ子のペアでも購入できる |
| サイズ(ラージ) | 幅460mm × 奥行610mm × 高さ370mm |
| サイズ(ミディアム) | 幅415mm × 奥行610mm × 高さ352mm |
| 参考価格 | メーカー公式で895ポンドから(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる |
| 収蔵 | MoMA スタッキング テーブル(1936年) 収蔵番号 837.1942.1-3 |
| 刻印 | 2022年の再生産分には、アイソコンと協働者の刻印が入る |
ミディアムはラージの下に完全に収まる寸法で設計されている。単品販売もあるため、1点だけを購入して使うこともできる。
類似商品・競合との比較
低いテーブルは、天板を何が支えるかで性格が分かれる。合板1枚を曲げる方式では、天板と脚の区別がなくなる。
| 比較項目 | ネストテーブル | アイソコン ロングチェア | DLM サイドテーブル / ドント・リーブ・ミー サイドテーブル |
|---|---|---|---|
| 構造 | 合板1枚を曲げる | 成形合板とフレーム | 天板と3本の脚 |
| 重ねられるか | 2つの寸法を入れ子にできる | 該当しない | 不可 |
| 持ち運び | 本体を抱える | 該当しない | ハンドルで持ち上げる |
| 天板の縁 | 平ら | 該当しない | 立ち上がる |
| 素材 | 樺合板 | バーチ材 | 粉体塗装のスチール |
選び分けの目安
- 使わない時期に片付ける場合
- 2つの寸法を入れ子にして重ねられる。1台分の場所に収まる。
- 天板を広く使いたい場合
- 天板の縁は平らで、載せられる面がそのまま使える。縁が立ち上がる製品では、その分の面積が減る。
- 小さな物を置く場合
- 天板の縁に立ち上がりがないため、物が滑ると落ちる。
使用感と設置条件
合板1枚でつくること
厚さ11mmの樺合板を1枚から切り出し、曲げて成形する。天板と脚が連続し、接合部を持たない。
接合部がないため緩みが生じない。いっぽうで、曲げた部分は応力がかかった状態にある。湿度の変化が大きい環境では、この箇所から変化が現れる可能性がある。
1.5mmの単板を7層に重ねる構成で、縁には層が現れる。この箇所は欠けやすい。
2つの寸法
大きい方は幅460×奥行610×高さ370mm、小さい方は幅415×奥行610×高さ352mm。奥行は共通し、幅と高さが異なる。
幅の差は45mm、高さの差は18mm。この差により、小さい方を大きい方の下へ収められる。
単品でも、2つ組でも購入できる。
高さと使い方
高さ370mmと352mm。一般的なソファの座面(400mm前後)よりやや低い。座った位置から手を伸ばして使う高さになる。
天板の縁は平らで、立ち上がりを持たない。物が滑ると落ちる。
経年変化とメンテナンス
素材に起きること
樺合板は日光を受けると色が変わる。当初の明るい色から、黄みを帯びた色へ進む。透明のラッカー仕上げのため、この変化がそのまま現れる。
曲げた部分は応力がかかった状態にある。急な乾燥は割れを招く。
縁には積層した層が現れる。硬いものが当たると欠け、欠けた箇所から層が剥がれることがある。
日常の手入れ
- ふだん
- 乾いた柔らかい布で拭く。水分を残さない。
- 重ねる前
- 入れ子にする際、天板の面が擦れる。埃を払ってから重ねる。
- 置き場所
- 直射日光、暖房の風、床暖房を避ける。急な乾燥は曲げた部分の割れを招く。
修理
合板1枚から一体でつくるため、割れの補修は難しい。現在も製造されているため、部品の入手について取扱店に相談できる。
どこで買うか
取扱店の調べ方
アイソコンは公式サイトで製品情報と価格を公開している。英国での価格は895ポンドからである(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。
注文の際に決めるのは寸法である。単品でも、2つ組でも購入できる。
実物を確認する
2つの寸法の差は幅45mm、高さ18mmと小さい。並べたときの見え方は実物で確かめられるとよい。
合板の縁に現れる層の見え方も、写真では判断しにくい。
中古の流通
1936年以降の個体が流通している。製造が中断した時期があり、当時のものと現行品では仕様が異なる場合がある。2022年の再生産分には刻印が入る。
相場は年式と状態で幅があり、一定していない。確認箇所は、曲げた部分の割れ、縁の欠けと層の剥がれ、天板の傷、色の変化である。
購入前チェックリスト
- 寸法の選択(大 幅460×高さ370mm/小 幅415×高さ352mm)
- 単品か2つ組か
- 設置場所の寸法(奥行は610mmで共通)
- 天板の縁に立ち上がりがないこと
- 直射日光と暖房の風を避けられる位置か
- 入れ子にする際、天板の面が擦れること
- 割れの補修が難しいこと
- 中古の場合、曲げた部分と縁の状態
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- アイソコンは公式サイトで価格を公開しており、英国での価格は895ポンドからです(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。
- どこで購入できますか?
- アイソコンの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
- 2つの寸法はどう違いますか?
- 大きい方は幅460×奥行610×高さ370mm、小さい方は幅415×奥行610×高さ352mmです。奥行は共通し、幅の差は45mm、高さの差は18mmです。この差により小さい方を大きい方の下へ収められます。単品でも2つ組でも購入できます。
- 重ねて収納できますか?
- 2つの寸法を入れ子にして重ねられ、1台分の場所に収まります。ただし入れ子にする際に天板の面が擦れるため、埃を払ってから重ねてください。
- どんな高さですか?
- 高さ370mmと352mmで、一般的なソファの座面(400mm前後)よりやや低くなります。座った位置から手を伸ばして使う高さです。
- 天板から物が落ちませんか?
- 天板の縁は平らで立ち上がりを持たないため、物が滑ると落ちます。そのぶん載せられる面がそのまま使えます。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- ニューヨーク近代美術館が収蔵しています(Stacking Tables、1936年、収蔵番号837.1942.1-3)。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 乾いた柔らかい布で拭き、水分を残さないでください。厚さ11mmの樺合板を曲げて成形する構造のため、曲げた部分は応力がかかった状態にあります。直射日光、暖房の風、床暖房は急な乾燥により割れを招くため避けてください。縁には積層した層が現れ、硬いものが当たると欠けます。