概要
フィオレンツァは、フランコ・アルビーニが1952年にアルフレックスのために設計したハイバックのアームチェアである。X字に交差する木製のベースの上に、背の高い張りぐるみの本体が載る。1950年代のアルフレックスの製品のなかでは、伝統的な椅子の型を新しい素材で組み直した例にあたる。
特徴・コンセプト
ベースと本体を分ける
この椅子の輪郭を決めているのは、無垢材のベースである。側面から見るとX字に交差する形をとり、座面と肘掛けの枠を下から支える。張りぐるみの本体はその上に載るだけで、脚と本体が一体になった従来の張り椅子とは組み立ての順序が異なる。荷重は本体からベースへ渡され、交差点を通って床へ流れる。
ベースは黒ラッカー塗装またはウォールナット色に着色したブナ材で仕上げられる。構造をそのまま見せるという扱いは、アルビーニの他の作品にも共通する。
背の高い本体
背もたれは頭部まで届く高さがあり、上部が左右にわずかに張り出す。伝統的なウィングチェアの構えを保ちながら、面の連続で構成されているため、木枠を布で包んだ古典的なウィングチェアより輪郭が細い。詰め物は異密度の成形ポリウレタンとポリエステルファイバーで、座面と背もたれのばね機構には弾性ベルトが用いられる。カバーは取り外しできない。
エピソード
アルフレックスが1951年の第9回ミラノ・トリエンナーレで注目を集めた翌年、アルビーニはこの椅子を同社に提供した。素材そのものから新しい形を導いたマルコ・ザヌーソの仕事とは方向が異なり、既存の椅子の型を新しい素材で成立させ直すという性格を持つ。
1950年代のピレリの広告には、発泡ゴムの可能性を示す図像としてこの椅子が登場している。当時の発泡ゴムは張り家具の素材として最も新しいものとされており、アルフレックスの製品はその実例として扱われていた。
評価と影響
発表から現在までアルフレックスのカタログに残っている。同時期のレディチェアが量産を前提とした部品の組み立てを打ち出したのに対し、フィオレンツァは木の構造を見せる方向をとった。同じ会社の同じ時期に、性格の異なる二つの解が並んで存在していたことになる。アルビーニの他の作品では、インフィニートやヴェリエーロ ブックケースにも構造を見せる姿勢が共通する。
フランコ・アルビーニの設計思想や経歴について詳しくはフランコ・アルビーニプロフィールページをご覧ください。
アルフレックスの歴史や他の製品について詳しくはアルフレックスブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | フィオレンツァ / Fiorenza |
|---|---|
| デザイナー | フランコ・アルビーニ(Franco Albini) |
| ブランド | アルフレックス(arflex) |
| 発表年 | 1952年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | アームチェア(ハイバック) |
| ベース | 無垢材(黒ラッカー塗装またはウォールナット色着色のブナ材)/側面から見てX字に交差 |
| 詰め物 | 異密度の成形ポリウレタン、ポリエステルファイバー |
| ばね機構 | 弾性ベルト |
| カバー | 取り外し不可 |
| 関連製品 | 同名のプフ |
Reference
- Fiorenza | arflex
- https://www.arflex.it/en/products/fiorenza/