CH327 ダイニングテーブルが長く愛される理由

1962年にハンス J. ウェグナーによってデザインされたCH327 ダイニングテーブルは、60年以上にわたりカール・ハンセン&サンの手で生産され続けている北欧デザインの名作である。天板がフレームから浮遊するかのような独創的な構造と、テーブル全長にわたって流れる無垢材の木目が特徴で、ウェグナーが追求した素材への敬意と、構造から生まれる造形がよく表れたテーブルである。

本ページでは、CH327の正規品仕様・サイズ・素材の詳細から、類似テーブルとの比較、実際の使用感、経年変化とメンテナンス、正規販売店の情報、さらにコーディネート提案やよくある質問まで、購入判断に必要なすべての情報を網羅的にお伝えする。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

CH327 ダイニングテーブルの正規品仕様を以下にまとめる。購入にあたっては、サイズ・素材・仕上げの組み合わせを十分に検討いただきたい。

正式名称(日本語) CH327 ダイニングテーブル
正式名称(英語) CH327 Dining Table
デザイナー ハンス J. ウェグナー / Hans J. Wegner(デンマーク、1914–2007)
デザイン年 1962年
製造ブランド カール・ハンセン&サン / Carl Hansen & Søn(デンマーク)
製造国 デンマーク
主要素材 オーク(FSC™認証材)、ビーチ(FSC™認証材)、ウォールナット、チーク/オーク(ミックス仕様)、ウォールナット/オーク(ミックス仕様)。すべて持続可能な森林から調達された無垢広葉樹材を使用。
サイズ(190cmモデル) W1900 × D950 × H720 mm(幕板下:610 mm/天板厚:25 mm)着席目安:6名
サイズ(248cmモデル) W2480 × D950 × H720 mm(幕板下:610 mm/天板厚:25 mm)着席目安:8名
エクステンション CH327T 伸長板(W400 × D950 mm)を両端に追加可能。190cmモデルは最大10名、248cmモデルは最大12名に拡張。木製またはMDF製(ブラック/グレー)を選択可。
仕上げ ソープ仕上げ/オイル仕上げ/ホワイトオイル仕上げ/ラッカー仕上げ
参考価格帯(税込目安) 190cmモデル:約61万円〜85万円(樹種・仕上げにより異なる)。248cmモデル:約80万円〜108万円。伸長板は別売。※価格は改定により変動する場合あり。
付属品・オプション CH327T 伸長板(別売)。組立工具付属。
保証 5年間(室内用家具)
納期 国内在庫品:2〜3週間程度。受注生産品:6〜10ヶ月程度。
備考 天板部と脚部の組み立てが必要(お客様にて実施)。脚は脱着可能な構造。

類似テーブル・競合との比較

CH327と同カテゴリ・同価格帯のダイニングテーブルとの比較を行う。いずれも北欧デザインの名作であり、それぞれに異なる魅力を持つ。

比較対象

カール・ハンセン&サン CH006(ハンス J. ウェグナー)
同じウェグナーによる伸長式ダイニングテーブル。バタフライ式のエクステンション機構を内蔵し、138cmから236cmまで天板を拡張できる。CH327と比べてコンパクトな初期サイズが特徴で、限られたスペースでの使用に適している。参考価格は約50万円〜(オーク材・オイル仕上げ、税込目安)。
フリッツ・ハンセン エッセイテーブル(セシリエ・マンツ)
現代デンマークデザインを代表するセシリエ・マンツによるダイニングテーブル。リノリウム天板と木製脚の組み合わせが特徴で、CH327の無垢材の重厚感とは対照的な軽快さを持つ。デザインの方向性が異なるため、モダンでミニマルな空間を志向する方に適している。
カール・ハンセン&サン CH337(ハンス J. ウェグナー)
同じウェグナーによる円形の伸長式ダイニングテーブル。直径115cmから約215cmまで拡張でき、来客時の対応力に優れる。円形ならではの均等な着席感を求める方に適している。

選び方の指針

無垢材の天板の温もりと、構造から生まれる浮遊感の両方を求める方にはCH327が最適である。限られたスペースで伸長機能を重視する方にはCH006、モダンで軽快な印象を好む方にはエッセイテーブル、円形で大人数に対応したい方にはCH337が候補となるであろう。

比較項目 CH327(カール・ハンセン&サン) CH006(カール・ハンセン&サン) エッセイテーブル(フリッツ・ハンセン)
デザイナー ハンス J. ウェグナー ハンス J. ウェグナー セシリエ・マンツ
デザイン年 1962年 1960年 2018年
天板素材 無垢広葉樹材 無垢広葉樹材 リノリウムまたは無垢材
サイズ展開 190cm / 248cm 138〜236cm(伸長式) 複数サイズ展開
伸長機能 両端に伸長板(別売) バタフライ式(内蔵) 伸長板あり(モデルによる)
デザインの特徴 浮遊する天板、全長木目 コンパクト、バタフライ機構 ミニマル、モダン
参考価格帯(税込目安) 約61万円〜108万円 約50万円〜 約30万円〜70万円

使用感と暮らしへの取り入れ方

使用感

CH327は奥行き95cmという十分なサイズを確保しており、向かい合って食事をする際にも窮屈さを感じることはない。190cmモデルは6名が余裕を持って着席でき、日常的な家族の食卓として理想的なサイズである。来客時には両端にCH327T伸長板を取り付けることで最大10名まで対応可能となる。

幕板下の高さが約61cmあるため、アームチェアとの組み合わせにおいてもアーム部分が干渉しにくい。ウェグナーが設計した各種チェア——Yチェア(CH24)、CH23、CH88Pなど——との高さの相性は抜群であり、統一感のあるコーディネートが実現できる。天板の高さ72cmは一般的な日本のダイニングチェア(座面高43〜45cm程度)との組み合わせにおいても快適な差尺が確保される。

天板厚は25mmと薄めに抑えられているが、下部構造の巧みな設計により十分な強度と安定性が確保されている。天板表面は無垢材の滑らかな手触りが楽しめ、仕上げによって質感が異なる。オイル仕上げは木の自然な風合いを最も感じられる仕上げであり、ソープ仕上げはより明るくナチュラルな印象を与える。

空間別コーディネート提案

リビングダイニング
190cmモデルは10〜14畳程度のリビングダイニングに適している。Yチェア4〜6脚との組み合わせは、北欧モダンの王道ともいえるコーディネートである。テーブルの浮遊感のあるデザインが空間に圧迫感を与えないため、開放的な印象を保てる。
書斎・ワークスペース
奥行き95cm、幅190cmの天板は、PCワークと書類作業を同時にこなすデスクとしても優れた広さを持つ。ウェグナーのチェアと合わせれば、落ち着いた書斎空間になる。
会議室・オフィス
248cmモデルは8名での会議に対応できる。伸長板を使用すれば12名まで拡張可能であり、大規模なミーティングにも対応する。無垢材の持つ温かみが、硬質になりがちなオフィス空間に上質な居心地を生む。

生活スタイル別の提案

ファミリー(4〜6人家族)
190cmモデルが最適。日常は4人で広々と使い、来客時には伸長板で10人掛けに拡張できる柔軟性がある。オイル仕上げは経年変化を楽しめるが、小さな子どもがいる家庭ではラッカー仕上げの方が日常の手入れが容易である。
二人暮らし・コンパクトな空間
190cmモデルを二人で使用する場合、テーブルの片側を壁に寄せるレイアウトも可能。ただし、CH327の構造美は四方から鑑賞できる配置でこそ最大限に発揮される。空間に余裕がある場合は部屋の中央に配置することを推奨する。
大家族・来客の多い家庭
248cmモデルに伸長板を加えれば最大12名に対応。祝祭日の大人数の食事や、ホームパーティーにもゆとりを持って使用できる。

経年変化とメンテナンス

素材ごとの経年変化

オーク材
使い込むほどに飴色へと深まり、温かみのある色合いへと変化していく。年月を経るごとに木目のコントラストが柔らかくなり、落ち着いた印象が増す。ホワイトオイル仕上げの場合は黄変が抑えられ、明るい印象が長く持続する。
ウォールナット材
初期の濃褐色から、徐々に赤みを帯びた深い色合いへと変化する。光の当たり方によって表情が変わる豊かな木目は、年月とともにますます魅力的になる。
チーク材
天然のオイルを豊富に含むチーク材は、グリーンやオレンジ、赤褐色へと優雅に変化する鮮やかな色合いが特徴である。経年による色味の変化は、チーク材ならではの魅力といえる。
ビーチ材
淡い色調からわずかにピンクがかった温かみのある色合いへと変化していく。均質で緻密な木目は、経年しても美しい均一さを保つ。

日常メンテナンス

オイル仕上げ・ホワイトオイル仕上げ
日常は固く絞った柔らかい布で拭き取る。年に2回程度、全面にオイル(天然植物油ベース)を塗布することで、表面の保護と美しさを維持できる。傷や頑固な汚れはサンドペーパーで研磨した後にオイルを塗布することで補修可能。
ソープ仕上げ
石鹸水で定期的に洗浄し、乾燥後にソープフレークを溶かした液で仕上げる。傷がついた場合もサンドペーパーで研磨し、再度ソープ処理を施すことで修復できる。
ラッカー仕上げ
湿らせた柔らかい布で拭き取るのみで日常の手入れは完了する。表面に塗膜があるため汚れに強いが、深い傷がついた場合は専門業者による補修が望ましい。

専門メンテナンスと修理

カール・ハンセン&サンの正規品は、パーツ交換や修理に対応している。脚部やクロスストレッチャーなどの構成部品は、正規販売店を通じて取り寄せが可能である。テーブルは脚が脱着式であるため、天板のみの研磨・再仕上げといった大規模メンテナンスにも比較的対応しやすい構造となっている。ネジやボルトの定期的な増し締め、キャスターやグライドの損傷確認も長期的な使用において重要な点検項目である。

どこで買うか:正規販売店と購入方法

国内正規販売店・正規ディーラー

CH327は、カール・ハンセン&サンの正規販売店で購入することが推奨される。国内の主要な正規販売店には以下がある。

  • カール・ハンセン&サン フラッグシップストア(東京・青山)
  • アクタス(ACTUS)各店舗
  • コネクト(CONNECT)
  • グリニッチ(greeniche)
  • センプレ(SEMPRE)
  • ヤマギワ(YAMAGIWA)
  • ザ・コンランショップ(THE CONRAN SHOP)
  • リアル・スタイル(REAL Style)
  • リグナ(Rigna)
  • バニラ(vanilla)

公式オンラインストア

カール・ハンセン&サンの日本公式サイト(carlhansen.com/ja-jp)から直接購入が可能である。各正規販売店もオンラインストアを運営しており、自宅にいながら注文できる。

実物確認できるショールーム

高額な家具であるため、購入前に実物を確認することを強く推奨する。カール・ハンセン&サン青山フラッグシップストアでは、CH327をはじめとする多数のコレクションを展示している。各正規販売店の実店舗でも展示品の有無を事前に確認のうえ来店されたい。

中古・ヴィンテージ市場

CH327は中古市場にも流通している。カール・ハンセン&サンの正規品は高いリセールバリューを維持しており、状態の良い中古品であっても定価の50〜70%程度で取引されることが多い。中古購入の際は、正規品であることの確認(シリアルナンバー、刻印等)と、天板や脚部の状態を入念にチェックされたい。

購入時チェックリスト

  • 正規品であることの確認(製品ラベル、シリアルナンバー、カール・ハンセン&サンの品質証明書)
  • サイズの確認(設置場所の実測:190cmモデルの場合、テーブル周囲に最低60〜75cmの通行・着席スペースを確保)
  • 搬入経路の確認(玄関、廊下、階段、エレベーターのサイズ。梱包時のサイズを販売店に確認のこと)
  • 樹種・仕上げの確認(実物サンプルまたは現物を確認し、部屋の照明下での見え方を把握)
  • 保証内容の確認(5年間保証の適用範囲と条件)
  • 納期の確認(国内在庫品か受注生産品かにより大きく異なる)
  • 配送・設置の確認(送料、配送方法、組立サービスの有無)
  • 伸長板(CH327T)の要否(後日購入も可能だが、天板と同時購入の方が木目の色味が近くなる場合がある)

配送・設置に関する注意事項

CH327は天板部と脚部が分離された状態で納品され、組み立てはお客様自身で行う形が一般的である。販売店によっては有料の組立設置サービスを提供している場合もあるため、購入時に確認されたい。配送は家財便での対応となることが多く、配送料は地域や販売店によって異なる。マンション上層階への搬入や、階段での運搬が必要な場合は追加費用が発生する可能性がある。

コーディネート事例

北欧ナチュラルスタイル

オーク材・ソープ仕上げのCH327に、同じくオーク材のYチェア(CH24)を組み合わせる王道のコーディネート。壁面にはストリング・シェルフ(String Furniture)を配し、ルイスポールセンのPH5ペンダントライトをテーブル上に吊り下げれば、北欧デザインで統一した空間になる。ナチュラルカラーの統一感が、穏やかで洗練された雰囲気を生む。

モダンミックススタイル

ウォールナット材・オイル仕上げのCH327に、CH88Pチェア(ステンレス脚)を合わせたコンテンポラリーなコーディネート。異素材の組み合わせが、クラシックなウェグナーデザインに現代的なエッジを加える。照明にはフロスのICライトやルイスポールセンのPHアーティチョークなど、モダンデザインの名作を選ぶとよい。

ジャパンディスタイル

オーク材・ホワイトオイル仕上げのCH327を、和の要素を取り入れた空間に配する提案。CH23チェアのペーパーコード座面が和の素材感と呼応し、静謐な雰囲気を演出する。テーブル上にはイサム・ノグチのAKARIシリーズのペンダントライトを配すれば、東西のデザインが美しく融合した空間となる。

広さ別配置ガイド

8〜10畳のダイニングスペース
190cmモデルが適切。テーブル周囲に70cm以上のスペースを確保し、4〜6脚のチェアを配置。壁際にサイドボードを置く余裕も確保できる。
12〜16畳のリビングダイニング
190cmモデルまたは248cmモデルのいずれも対応可能。リビングエリアとの間にゆとりある動線を確保しつつ、テーブルを空間の中心に据えるレイアウトが理想的である。
20畳以上の大空間
248cmモデルが映える広さ。伸長板を常設し、大人数での食事やホームパーティーに対応する使い方も可能。テーブルの四方に十分な余白を取ることで、CH327の構造美がより際立つ。

よくある質問

正規品の価格はどのくらいですか?
参考価格として、190cmモデルのオーク材・オイル仕上げで約61万円〜65万円(税込目安)、248cmモデルで約80万円〜(税込目安)です。ウォールナット材やチーク/オーク・ミックス仕様はさらに高くなります。価格は樹種・仕上げの組み合わせにより異なりますので、最新価格は正規販売店にお問い合わせください。
どこで購入できますか?
カール・ハンセン&サン青山フラッグシップストア、アクタス、コネクト、グリニッチ、センプレ、ヤマギワ、ザ・コンランショップなど、国内の正規販売店で購入いただけます。カール・ハンセン&サンの日本公式サイトからもオンライン購入が可能です。
実物はどこで確認できますか?
カール・ハンセン&サン青山フラッグシップストアが最も充実した展示を行っています。各正規販売店の実店舗にも展示がある場合がありますが、展示品は店舗によって異なるため、来店前に電話やメールでの確認をおすすめします。
注文してからどのくらいで届きますか?
国内に在庫がある場合は2〜3週間程度で出荷されます。受注生産品(特定の樹種・仕上げの組み合わせ)の場合は6〜10ヶ月程度の納期となります。購入時に販売店へ在庫状況と納期をご確認ください。
メンテナンス方法を教えてください。
仕上げにより異なります。オイル仕上げは、日常は柔らかい布での乾拭きまたは固く絞った布での水拭きを行い、年に2回程度オイルを全面に塗布します。ソープ仕上げは定期的にソープ処理を施します。ラッカー仕上げは湿った布で拭き取るだけで日常の手入れは完了します。いずれの仕上げも、直射日光の長時間照射や急激な温湿度変化は避けてください。
伸長板(CH327T)は後から追加購入できますか?
はい、伸長板は別売品としていつでも追加購入が可能です。同素材の木製伸長板のほか、MDF製(ブラック/グレー)も選択できます。ただし、木製伸長板の場合、天板と経年変化の度合いが異なる可能性があるため、同時購入の方が色味の統一感を得やすい場合があります。
Yチェア以外で相性の良いチェアはありますか?
カール・ハンセン&サンのCH23、CH88P、CH33Pなどはいずれもテーブル高との相性が考慮されており、美しい組み合わせが実現できます。また、ボーエ・モーエンセンのJ39チェア(フレデリシア)や、フリッツ・ハンセンのセブンチェアなども、デザインの方向性は異なりますが高さの面では問題なく組み合わせることができます。
他に検討すべき名作テーブルはありますか?
同じウェグナーのCH006(伸長式)やCH337(伸長式)、ポール・ケアホルムのPK52テーブル(カール・ハンセン&サン)、セシリエ・マンツのエッセイテーブル(フリッツ・ハンセン)など、北欧デザインの名作テーブルは多数あります。それぞれの特徴については、当サイトの各テーブル購入ガイドもあわせてご参照ください。