マドモアゼル ラウンジチェア
1956年にフィンランドのデザイナー、イルマリ・タピオヴァーラが手がけたマドモアゼル ラウンジチェアは、フィンランドに古くから伝わるスポークチェアの構造を出発点としながら、モダニズムの造形を融合させたラウンジチェアである。発表から70年近くを経た現在も、Artek(アルテック)の正規コレクションとして生産が続けられている。無垢のバーチ材だけで構成される潔い素材選びと、伝統的な製法による堅牢な構造、そして空間になじむ普遍的なフォルムが、長く支持される理由となっている。
概要
マドモアゼル ラウンジチェアは、住宅空間での日常使用を目的にデザインされた。その名はフランス語で「お嬢さん」を意味し、優美で繊細な佇まいを表している。背もたれには伝統的なスポーク(棒状の支柱)構造が用いられ、その直線的で軽やかなラインが、座面の柔らかく滑らかな曲面と対比を描く。高い背もたれ、低めの座面、適度に傾斜した脚部が、バランスのとれたプロポーションを生んでいる。
同年に発表されたマドモアゼル ロッキングチェアと対をなすシリーズとして構想され、二脚を並べることで家庭に親密なくつろぎの空間をつくることが意図された。現在はArtek社がフィンランドで製造し、世界各国の正規販売店を通じて流通している。
特徴・コンセプト
伝統とモダニズムの融合
マドモアゼル ラウンジチェアの特徴は、フィンランドに古くから伝わるスポークチェアの製法と、20世紀モダニズムの造形を一脚のなかに統合している点にある。背もたれのスポークは伝統工芸の手法を踏襲しつつ、座面は柔らかなカーブを描く近代的な成形が施されている。この二つの要素が対比的に組み合わされることで、クラシックでありながらモダンな造形が生まれている。
無垢材による一貫した素材構成
脚部、座面、背もたれのすべてがフィンランド産の無垢バーチ材で構成されている。合板や金属部品を用いない一貫した素材選びは、木材を重んじたタピオヴァーラの姿勢をよく表している。無垢材ならではの温かみと堅牢さを備え、使い込むほどに味わいを増す経年変化も魅力のひとつである。
住宅空間のためのデザイン
タピオヴァーラは公共施設向けの家具を数多く手がけたが、マドモアゼル ラウンジチェアは明確に家庭での使用を前提に設計された。やや低めの座面と適度に傾斜した背もたれは長時間のくつろぎを促し、リビングルーム、書斎、寝室、子ども部屋まで、住まいのさまざまな場所になじむ。
評価
マドモアゼル ラウンジチェアは、1950年代フィンランドデザインの代表作のひとつとして国際的に評価されている。伝統的なスポーク構造とモダニズムの造形を融合させたアプローチは、北欧デザインの文脈において独自の成果とみなされている。本作はタピオヴァーラの創作の円熟期に生まれた作品にあたる。
発表から約70年を経て現行品として生産が続いていることは、このデザインの普遍性を示している。流行の変遷を超えて空間に調和する点が、今日も高く評価されている。
基本情報
| 商品名(日本語) | マドモアゼル ラウンジチェア |
|---|---|
| 商品名(英語) | Mademoiselle Lounge Chair |
| デザイナー | イルマリ・タピオヴァーラ(Ilmari Tapiovaara / 1914–1999 / フィンランド) |
| デザイン年 | 1956年 |
| ブランド | Artek(アルテック) |
| 製造国 | フィンランド |
| 素材 | 無垢バーチ材(脚部・座面・背もたれ) |
| 仕上げ | ブラックステイン / ホワイトラッカー / セージグリーン |
| サイズ | W550 × D660 × H940 mm(座面高 410 mm) |
| カテゴリ | ラウンジチェア |
| シリーズ | マドモアゼル シリーズ(ラウンジチェア / ロッキングチェア) |
| 参考価格帯 | 仕上げ・販売店により変動。最新価格は正規販売店にご確認ください |
マドモアゼル ラウンジチェアの仕様・購入方法・メンテナンスについて詳しくはマドモアゼル ラウンジチェア購入ガイドをご覧ください。