マドモアゼル ラウンジチェアが長く愛される理由
1956年の発表以来、約70年にわたって生産が続けられているマドモアゼル ラウンジチェアは、フィンランドデザインを代表する名作椅子のひとつである。デザイナーのイルマリ・タピオヴァーラは、フィンランドに古くから伝わるスポークチェアの伝統に、自らのモダニズムの思想と当時の最新技術を重ね合わせ、住宅空間のための普遍的なラウンジチェアを生み出した。
本ページでは、マドモアゼル ラウンジチェアの購入を検討されている方に向けて、正規品の仕様・サイズ・価格帯、類似商品との比較、使用感とコーディネート提案、経年変化とメンテナンス方法、国内正規販売店情報、そしてよくある質問まで、購入判断に必要な情報を網羅的にお伝えする。
イルマリ・タピオヴァーラの設計思想や経歴について詳しくはイルマリ・タピオヴァーラ プロフィールページをご覧ください。
マドモアゼル ラウンジチェアのデザインストーリーについて詳しくはマドモアゼル ラウンジチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
マドモアゼル ラウンジチェアの正規品は、Artek社がフィンランド国内の自社工場で製造している。以下に、購入検討時に確認すべき主要スペックをまとめた。
| 正式名称(日本語) | マドモアゼル ラウンジチェア |
|---|---|
| 正式名称(英語) | Mademoiselle Lounge Chair |
| デザイナー | イルマリ・タピオヴァーラ(Ilmari Tapiovaara / 1914–1999 / フィンランド) |
| デザイン年 | 1956年 |
| 製造ブランド | Artek(アルテック) |
| 製造国 | フィンランド |
| 主要素材 | 無垢バーチ材(脚部・座面・背もたれすべて) |
| サイズ | W550 × D660 × H940 mm |
| 座面高 | 410 mm |
| カラーバリエーション | ブラックステイン / ホワイトラッカー / セージグリーン(取扱色は販売店・時期により異なる) |
| 参考価格帯(税込目安) | 約168,300円〜(国内正規販売店価格) |
| スタッキング | 不可 |
| 関連モデル | マドモアゼル ロッキングチェア(同シリーズ) |
| 付属品 | 特になし(フェルト等の脚保護パッドは別途推奨) |
天然木を使用しているため、木目や節の出方、色合いには個体差がある。この自然素材ならではの個性は、一脚ごとに異なる表情を楽しめる無垢材家具の醍醐味として捉えたい。
類似商品・競合との比較
マドモアゼル ラウンジチェアと同価格帯・同カテゴリの北欧デザインチェアとして、以下の3点を比較対象として挙げる。いずれも無垢材を主材とする名作椅子であり、購入時の選択肢として検討に値する。
比較対象
- Artek ドムス ラウンジチェア(イルマリ・タピオヴァーラ / 1946年)
- 同じタピオヴァーラによる、より包み込むような座り心地のラウンジチェア。合板の三次元カーブによる広い背もたれと肘掛けが特徴で、マドモアゼルよりもボリューム感がある。長時間の読書やリラックスを重視する方に適している。
- Carl Hansen & Søn CH24 Yチェア(ハンス・J・ウェグナー / 1950年)
- デンマークデザインの代名詞とも言えるダイニングチェア。ペーパーコード座面とY字型の背もたれが特徴的で、ダイニング使用がメイン。マドモアゼルよりもコンパクトで、食卓空間との親和性が高い。
- Artek チェア69(アルヴァ・アアルト / 1935年)
- Artekの定番ダイニングチェア。L-レッグ技術によるバーチ材の曲線が特徴で、スタッキングも可能。マドモアゼルと比べると座面がコンパクトで、食卓やワークスペース向きのプロポーションとなっている。
| 比較項目 | マドモアゼル ラウンジチェア | ドムス ラウンジチェア | CH24 Yチェア |
|---|---|---|---|
| デザイナー | イルマリ・タピオヴァーラ | イルマリ・タピオヴァーラ | ハンス・J・ウェグナー |
| デザイン年 | 1956年 | 1946年 | 1950年 |
| 主な用途 | リビング・ラウンジ | リビング・ラウンジ | ダイニング |
| 主要素材 | 無垢バーチ材 | バーチ材合板+無垢材 | 無垢材+ペーパーコード |
| 座面高 | 410 mm | 約430 mm | 約450 mm |
| 背もたれの特徴 | スポーク構造・高背 | 合板曲面・広背 | Y字型フレーム |
| スタッキング | 不可 | 不可 | 不可 |
| 参考価格帯(税込目安) | 約168,000円〜 | 約200,000円〜 | 約130,000円〜 |
選び方の指針
- リビングでゆったりくつろぎたい方
- マドモアゼル ラウンジチェアが最適。低めの座面と傾斜した背もたれが、リラックスした姿勢を自然に促す。軽やかな見た目で圧迫感も少ない。
- 肘掛けのある包容力を求める方
- 同じタピオヴァーラのドムス ラウンジチェアが適している。肘掛けと広い背もたれが身体をしっかり支え、より安定した座り心地を提供する。
- ダイニングテーブルに合わせたい方
- CH24 Yチェアやチェア69のようなダイニング向けの高さ設計の椅子を推奨する。マドモアゼルは座面が低いため、標準的なダイニングテーブルとの組み合わせには適さない。
使用感と暮らしへの取り入れ方
座り心地について
マドモアゼル ラウンジチェアは、座面がわずかに傾斜しており、背もたれも適度な角度で後傾しているため、腰掛けると自然にリラックスした姿勢がとれる。無垢バーチ材の板座はクッション性こそないものの、座面のカーブが臀部に沿うように成形されており、一般的に長時間でも心地よく座れると評されている。高い背もたれのスポーク構造は、背中への適度な弾力を生み出し、硬すぎず柔らかすぎない独特の感触を提供する。
座面高410mmはやや低めの設定であり、小柄な方にも座りやすい設計となっている。一方、身長の高い方にとっては、立ち座りの際にやや深い屈伸が必要となる場合がある。クッションやシープスキンを座面に敷くことで、座り心地の調整が可能である。
空間別のコーディネート提案
- リビングルーム
- ソファの隣にアクセントチェアとして配置するのが定番の使い方である。マドモアゼル ロッキングチェアと対で置けば、タピオヴァーラが意図した親密なくつろぎ空間が完成する。サイドテーブル(同じくArtekのキキ サイドテーブルなど)と組み合わせると、読書やティータイムの場として理想的な一角となる。
- 書斎・読書コーナー
- 高い背もたれが集中力をほどよく支え、読書や静かな時間に適した環境を創出する。窓辺やフロアランプの隣に配置すれば、自然光や照明が心地よく届く読書スペースとなる。
- 寝室
- ベッドサイドに置いて、衣服の一時置きや就寝前のくつろぎの場として活用できる。軽量で動かしやすいため、室内での移動も容易である。
- キッズルーム
- 無垢材の温かみと丸みを帯びたフォルムは、子ども部屋にも調和する。堅牢な構造により安全性も高く、親子で座れるゆとりある空間を演出できる。
生活スタイル別の提案
- 一人暮らし
- W550mmとコンパクトなサイズ感のため、ワンルームでも圧迫感なく配置できる。ソファの代わりにメインの座席として使う選択肢もある。
- ファミリー
- リビングの補助椅子として、あるいはキッズルームの読み聞かせ用椅子として活躍する。天然木の素材は子どもがいる家庭でも安心して使用できる。
- オフィス・ワークスペース
- 応接スペースやラウンジエリアのアクセントチェアとして、北欧デザインの品格ある空間を演出する。ただし座面高が低いため、デスクワーク用としては推奨されない。
経年変化とメンテナンス
バーチ材の経年変化
マドモアゼル ラウンジチェアに使用されている無垢バーチ材は、年月とともに穏やかに色味が変化し、深みのある飴色へと「育って」ゆく。特にホワイトラッカー仕上げの場合は、時間の経過とともにわずかに黄味を帯び、温かみのある風合いへと変化する。ブラックステイン仕上げの場合は、使い込むことで摩擦部分に木地が僅かに覗き、独特の味わいが生まれる。こうした経年変化は、無垢材家具ならではの魅力であり、愛着を深める要素となる。
日常メンテナンス
- 日常の手入れ
- 乾いた柔らかい布または固く絞った布で表面の埃を拭き取る。週に1〜2回程度が目安。
- 汚れの除去
- 中性洗剤を薄めた溶液を布に含ませて汚れを拭き取り、その後すぐに乾いた布で水分を除去する。研磨剤入りの洗剤や溶剤は使用しない。
- 直射日光・湿気への配慮
- 直射日光が長時間当たる場所への設置は避ける。極端な乾燥や湿気は木材の反りや割れの原因となるため、適度な室温と湿度の管理が望ましい。
専門メンテナンス
目立つ傷や塗装の剥がれが生じた場合は、正規販売店またはArtek社に相談のうえ、専門的な補修を依頼することが推奨される。無垢材のため、表面の軽微な傷であれば、サンディングと再塗装による修復が可能な場合がある。スポーク部分の緩みなど構造的な問題が生じた際にも、正規ディーラーを通じた修理対応が受けられる。
どこで買うか:正規販売店と購入方法
国内正規販売店・正規ディーラー
Artek社は日本国内に正規販売ネットワークを展開しており、以下のような店舗・オンラインストアで正規品を購入できる。
- Artek Tokyo Store
- 東京都渋谷区神宮前5-9-20 1F・B1F。Artek社の直営店舗であり、マドモアゼルをはじめとする全コレクションの実物を確認できる。
- Artek Japan オンラインストア
- Artek社公式のジャパン向けウェブストア(webstorejapan.artek.fi)より購入可能。
- 国内正規取扱店
- センプレ(SEMPRE)、アトラクト(attract)、FLYMEe(フライミー)、MAARKET(マーケット)等のArtek正規ディーラーにて取り扱いがある。各店舗のウェブサイトまたは実店舗で在庫状況と納期を確認されたい。
実物を確認できるショールーム
マドモアゼル ラウンジチェアは、Artek Tokyo Store で常設展示されている。また、国内正規取扱店の一部実店舗でも展示品が用意されている場合がある。購入前に座り心地やサイズ感を確認するため、来店前に各店舗への在庫確認をお勧めする。
中古・ヴィンテージ市場
マドモアゼル ラウンジチェアは、ヴィンテージ家具市場においても取引されることがある。ヴィンテージ品を検討する際は、スポーク部分の緩みや割れ、座面の摩耗、塗装の状態を入念に確認する必要がある。Artek社が手がける「2nd Cycle」プログラムでは、正規にリユースされたヴィンテージ品が販売されることもあり、信頼性の高い選択肢となる。
購入時チェックリスト
- 正規品であることの確認(Artek社のロゴ刻印、正規販売店での購入証明)
- 仕上げの選択(ブラックステイン / ホワイトラッカー)
- サイズ確認(設置場所の実測:W550 × D660 × H940 mmのスペースを確保)
- 搬入経路の確認(完成品での納品のため、玄関・廊下・ドア幅を事前確認)
- 納期の確認(受注生産の場合、8〜12週間程度の納期がかかることがある)
- 配送・設置に関する条件確認(開梱設置サービスの有無、送料)
- 保証内容の確認(Artek社および販売店の保証条件)
- 床面保護の準備(フェルトパッド等の脚裏保護材の手配)
配送・設置に関する注意事項
マドモアゼル ラウンジチェアは完成品での納品が基本となる。配送は大型家具便となる場合が多く、通常の宅配便とは配送条件が異なることがある。エレベーターのない集合住宅への配送や、階段を利用した搬入が必要な場合は、事前に販売店へ相談することが望ましい。設置場所のフローリングや畳を保護するため、脚裏にフェルトパッドを貼付することを推奨する。
コーディネート事例
テイスト別のコーディネート提案
- 北欧ナチュラル
- ホワイトラッカー仕上げのマドモアゼルを選び、明るいオーク材のサイドテーブルやリネンのクッションと合わせる。白壁と自然光を活かした空間に、温かみのある木のアクセントを添える定番の組み合わせである。Artekのアアルト設計によるスツール60やティートロリー900との相性も優れている。
- モダン・モノトーン
- ブラックステイン仕上げを選択し、グレートーンのソファやコンクリート調の床材と組み合わせる。スポーク構造のシルエットが、モノトーン空間に繊細なリズムと立体感をもたらす。同じくタピオヴァーラのキキ サイドテーブルをブラックで合わせると、統一感のあるコーディネートが完成する。
- ミッドセンチュリーミックス
- 1950年代デザインの名作家具と組み合わせ、時代の空気感を再現するスタイル。イームズのプライウッド ローテーブルや、ジョージ・ネルソンのバブルランプなどと合わせることで、北欧とアメリカのミッドセンチュリーが交差する洗練された空間を創出できる。
相性の良い他のデザイナーズ家具
- Artek マドモアゼル ロッキングチェア(タピオヴァーラ / 1956年)― 同シリーズの対をなす作品。並べて配置することで本来の設計意図が実現する。
- Artek キキ サイドテーブル(タピオヴァーラ / 1960年)― 同デザイナーによるサイドテーブル。シンプルな佇まいがマドモアゼルと調和する。
- Artek スツール60(アルヴァ・アアルト / 1933年)― 同ブランドの象徴的スツール。サイドテーブルとしても活用可能。
- Louis Poulsen PH5(ポール・ヘニングセン / 1958年)― 北欧照明の名作。柔らかな配光がラウンジ空間を美しく照らす。
広さ別の配置ガイド
- 6〜8畳(一人暮らし・コンパクトリビング)
- 壁際やコーナーに1脚配置し、ローテーブルと組み合わせるのが効果的。W550mmのコンパクトな幅が、限られたスペースでも圧迫感を軽減する。
- 10〜14畳(ファミリーリビング)
- ソファの隣にアクセントチェアとして、あるいは窓辺に読書コーナーとして配置する。ロッキングチェアとの2脚置きも空間にゆとりがあれば理想的。
- 15畳以上(広いリビング・オープンフロア)
- 2脚対面配置やソファセットとの組み合わせで、会話のための空間を演出する。広い空間でも、スポーク構造の繊細なシルエットが視線を集めるフォーカルポイントとなる。
よくある質問
- 正規品の価格はどのくらいですか?
- 国内正規販売店での参考価格は約168,300円(税込目安)からとなっています。仕上げやオプション、販売店によって多少の価格差がある場合がございます。最新の価格については、各正規販売店にお問い合わせください。
- どこで購入できますか?
- Artek Tokyo Store(直営店)、Artek Japan オンラインストア、および国内正規取扱店(センプレ、アトラクト、FLYMEe、MAARKET等)で購入可能です。正規品の品質保証を受けるため、必ず正規ディーラーでのご購入をお勧めいたします。
- 実物を確認できる場所はありますか?
- Artek Tokyo Store(東京・表参道)で常設展示されています。また、国内正規取扱店の一部実店舗でも展示している場合がありますので、来店前に各店舗へご確認ください。
- 納期はどのくらいかかりますか?
- 在庫がある場合は1〜2週間程度で納品可能ですが、受注生産の場合は8〜12週間程度の納期がかかることがあります。カラーや時期によって納期は変動いたしますので、各販売店にてご確認ください。
- メンテナンス方法を教えてください。
- 日常的なお手入れは、乾いた柔らかい布または固く絞った布で表面の埃を拭き取る程度で十分です。汚れがある場合は中性洗剤を薄めた溶液で拭き取り、すぐに乾拭きしてください。直射日光や極端な湿度環境を避けることが、長くお使いいただくためのポイントです。
- 板座で長時間座っても疲れませんか?
- 座面が体のカーブに合わせて緩やかに成形されているため、無垢材の板座ながら一般的に快適な座り心地と評されています。長時間の使用にはシープスキンやクッションを敷くことで、さらに快適さが向上します。座面高410mmはやや低めの設定ですので、購入前に実物で座り心地をご確認されることをお勧めいたします。
- ブラックとホワイト、どちらの仕上げがおすすめですか?
- 空間のインテリアスタイルに合わせてお選びください。ホワイトラッカーは北欧ナチュラルや明るい空間に馴染み、ブラックステインはモダンやシックな空間に映えます。経年変化の表情も異なりますので、長く使ううえでのお好みの変化もイメージされるとよいでしょう。
- 他に検討すべき名作チェアはありますか?
- タピオヴァーラの他の名作として、同シリーズのマドモアゼル ロッキングチェアや、より包容力のあるドムス ラウンジチェアがございます。また、同じArtek社のアルヴァ・アアルト設計によるアームチェア401やラウンジチェア43も、北欧デザインのラウンジチェアとして比較検討の価値があります。詳しくは各商品の紹介ページをご覧ください。