概要
ハスクチェアは、パトリシア・ウルキオラが2011年にB&B Italiaのために設計したラウンジチェアである。硬いシェルの内側に、柔らかいクッションを収める。
アームチェアを起点に、ダイニングチェア、ソファ、ベッド、テーブル、屋外仕様へと展開している。
特徴とデザインコンセプト
硬と柔の対比による座り心地
シェルには再生ポリマーを用いる。フォームだけで囲いをつくれば厚みが必要になるが、硬いシェルなら薄い断面で同じ形が保てる。内側に柔らかいクッションを収めることで、触れる面だけが柔らかくなる。名称は種子を包む殻による。
クッションは複数の区画に分割され、キルティング加工が施される。一枚の面のままでは荷重で詰め物が偏るが、区画ごとに縫い留めれば位置が保たれる。カピトネと同じ原理にあたる。
部材の分離
シェルの素材は多層構造をとる。接着すれば素材が混ざって分別できないが、分解できる接合なら素材ごとに分けられる。
クッションはスナップボタンで固定され、取り外せる。シェルとクッションが別部材のため、片方だけを交換できる。
部材の組み合わせ
ベースは固定式の4脚と回転式のスイベルが用意される。素材はダイキャストアルミニウム、スチール、硬質ポリウレタン、無垢材から選べる。シェルとベースが別部材のため、上部を変えずに脚だけを替えられる。
シェルは複数の色の樹脂仕上げのほか、レザー仕上げも選べる。クッションはスタンダード、ラージ、ヘッドレスト付きの3種で、同じシェルに対して寸法の異なるクッションを組み合わせられる。
開発の背景
アームチェアを起点に、屋外版、ダイニングチェア、ソファ、ベッドへと展開された。各仕様は寸法の変更にとどまらず、用途に応じてシェルの形状も異なる。
2017年から2018年にかけて、フィラデルフィア美術館でウルキオラの個展が開催され、初期スケッチから製品に至る資料が公開された。
評価と影響
同じウルキオラによるタフティータイムは座面を正方形に分割し、ベンド・ソファは起伏をステッチで縁取る。ハスクは硬いシェルと柔らかいクッションを別部材として分ける点で、いずれとも異なる。
シェルで囲いをつくる構成はウイングバックチェアの翼状の側面とも通じるが、あちらは張り込みで面をつくるのに対し、こちらは成形した樹脂による。ハスクチェアの美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。
パトリシア・ウルキオラの設計思想や経歴について詳しくはパトリシア・ウルキオラプロフィールページをご覧ください。
B&B イタリアの歴史や他の製品について詳しくはB&B イタリアブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | パトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola) |
|---|---|
| ブランド | B&B Italia |
| 発表年 | 2011年 |
| 分類 | ラウンジチェア |
| 主要素材 | Hirek®(リサイクル可能ポリマー)、ダイキャストアルミニウム、スチール、ファブリック/レザー |
| ベースタイプ | 固定式4脚、360度回転式スイベル |
| コレクション | ハスクコレクション(アームチェア、ダイニングチェア、ソファ、ベッド、ローテーブル、フットレスト、屋外版を含む) |
| 生産国 | イタリア |