概要
タフティータイムは、パトリシア・ウルキオラが2005年にB&B Italiaのために設計したモジュール式のソファである。19世紀イギリスのチェスターフィールドソファに見られるボタン留めと、カピトネの襞を、工業生産に載る形に置き換えている。オットマンを基本単位として構成を組み立てる。
特徴・コンセプト
ボタン留めを分割で置き換える
従来のカピトネは、一枚の張地をボタンで引き込み、寄った布が襞をつくる。手作業で襞の位置と深さを整える必要があり、工程が読みにくい。
タフティータイムでは、張地をあらかじめ正方形の区画に分けて縫い合わせる。区画の継ぎ目が格子状の線として現れ、ボタン留めと同じ見え方になる。ファブリックでは縫い目の襞が、レザーでは等間隔のパンチングがその役を担う。一枚布を引き込む工程を、分割と接合に置き換えている。
オットマンを単位にする
基本単位はオットマンで、そこに中央ユニット、コーナーユニット、肘掛け付きの端部ユニットを組み合わせる。直線状のソファ、L字、シェーズロング付き、四方から座れる島状の配置まで対応する。背もたれを持たない単位から始めるため、後から向きや長さを変えられる。
奥行を深くとる
一般的なソファより座面の奥行が深い。背を立てて座るだけでなく、脚を上げる、横向きに座るといった姿勢も取れる。姿勢を一つに定めない寸法が、モジュールの組み替えと対応している。
カバーの着脱
カバーは取り外して洗浄や交換ができる。張地を替えれば同じ本体のまま印象を変えられる。構造はスチールのフレームとポリウレタンフォームによる。
エピソード
ウルキオラはこの作品について、カピトネとチェスターフィールドの形式を、1960年代から1970年代の解釈を踏まえたうえで見直したものだと述べている。
2015年には張地の構成を改めたタフティータイム'15、2025年には曲線のモジュールを加えたタフティータイム20が発表された。20年版ではクッションの詰め物と座面高も見直されている。分解しやすい構造をとることで、部材の交換と修理に対応する。
評価と影響
B&B Italiaでは、UP5_6 アームチェア&オットマンやコロナードと並ぶ長期生産の製品にあたる。既存の装飾技法を工業生産の工程に置き換えるという方向は、モジュール構成と組み合わせて用いられている。
パトリシア・ウルキオラの設計思想や経歴について詳しくはパトリシア・ウルキオラプロフィールページをご覧ください。
B&B Italiaの歴史や他の製品について詳しくはB&B Italiaブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | タフティータイム / Tufty-Time |
|---|---|
| デザイナー | パトリシア・ウルキオラ(Patricia Urquiola) |
| ブランド | B&B Italia |
| 発表年 | 2005年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | モジュール式ソファ |
| 主要素材 | スチールフレーム、ポリウレタンフォーム、ファブリックまたはレザー |
| 構造 | 張地を正方形の区画に分割して接合。オットマンを基本単位に組み合わせる |
| カバー | 取り外し可 |
| バリエーション | Tufty-Time、Tufty-Too(レザー)、Tufty-Time '15、Tufty-Time 20 |
Reference
- Tufty-Time | B&B Italia
- https://www.bebitalia.com/en-us/en-tufty-time-divani.html