概要

CH44は、ハンス・J・ウェグナーが1965年に設計したラウンジチェアである。無垢材のフレームにペーパーコードを編んだ座を張り、背もたれには横木を渡す。造形の下敷きにはアメリカのシェーカー家具がある。カール・ハンセン&サンが製造している。

特徴・コンセプト

仕口を見せる

前脚と肘掛けの接合部は覆われず、そのまま外に出る。木の接合は、断面が大きいほど強度が上がるが、隠そうとすれば別の部材で覆う必要がある。仕口を見せることで、部材を足さずに済む。

クッションを掛ける溝

後脚の上端には溝が刻まれている。背クッションに付いた二つのループをここへ掛ける。金具でクッションを固定すれば部品が増えるが、木部を彫るだけなら加工の一工程で済む。掛けるだけなので、外して洗える。

ラウンジチェアとしては小さい

幅約64cm、奥行約66cm、座面高約39cm。ラウンジチェアとしては控えめな寸法で、重量も軽い。編んだ座面は板座より軽く、細い部材で支えられる。通常のアームチェアが置けない広さの部屋でも収まる。

素材と手入れ

座はペーパーコードの手編みで、ナチュラルとブラックが選べる。木部は無垢のオークラッカー塗装が標準となる。座と背のクッション、低いフットスツールCH53を組み合わせられる。ペーパーコードは経年で緩むため、10年から20年を目安に張り替えを検討することになる。

エピソード

ウェグナーは歴史上の椅子に着想を得て、それを簡潔な形へ置き換えるという手法を繰り返した。CH44におけるシェーカー家具の参照もその一例にあたる。同じ着想から、近縁のCH46とCH47も設計されている。

評価と影響

ペーパーコードを座面に用いる構成は、CH25 ラウンジチェア(1950年)やピーコックチェアにも見られる。CH25がより大きく低い構成をとるのに対し、CH44は寸法を絞った側に位置する。既存の型を検討したうえで部材を減らす方法は、同時期のJ39 ピープルズチェアにも共通する。

基本情報

名称 CH44 ラウンジチェア / CH44 Lounge Chair
デザイナー ハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner)
ブランド カール・ハンセン&サン(Carl Hansen & Søn)
発表年 1965年
デザインの成立国 デンマーク
分類 ラウンジチェア
構造 仕口を覆わず表に出す。後脚上端の溝にクッションのループを掛ける
主要素材 無垢材(標準はオーク、ラッカー塗装)、ペーパーコード
サイズ 幅約64cm × 奥行約66cm × 高さ約80cm、座面高約39cm
オプション 座・背クッション、フットスツールCH53
近縁モデル CH46、CH47

Reference