概要
ベルヴィル チェアは、ロナン&エルワン・ブルレックが2015年にヴィトラのために設計したチェアである。射出成形のポリアミドによるフレームと、素材を選べるシートシェルを組み合わせる二部構成をとる。名称は、二人のスタジオが所在するパリ東部の地区に由来する。
特徴・コンセプト
フレームとシェルを分ける
座面と背もたれを一体で成形する椅子では、素材を変えると型から作り直すことになる。ベルヴィル チェアはフレームとシートシェルを別部材にしたため、同じフレームに異なる素材のシェルを載せられる。
ポリアミドまたはポリプロピレンのシェルを選べばプラスチックの椅子に、成形合板のシェルを選べば木の椅子になる。張り込んだ仕様も用意される。骨格を共有したまま、置く場所に応じて表情を変えられる。
細いフレーム
フレームは脚から背面へと一続きの細い線で伸びる。射出成形のポリアミドは強度が高く、断面を小さく保ったまま必要な剛性が得られる。金属パイプで同じ形をつくれば接合部が増えるが、成形なら継ぎ目のない線として仕上がる。
シェルの断面
シートシェルは、広い座面から背もたれに向かって幅と厚みが徐々に絞られる。背もたれの側を薄くすると、体重をかけたときにその部分だけがしなる。厚みの変化が、たわむ位置を決めている。
展開
肘掛けのないサイドチェアと、肘掛け付きのアームチェアがある。同じ構成のテーブルも用意され、組み合わせて使える。プラスチックのシェルを選んだ仕様は屋外でも使える。積み重ねにも対応する。
エピソード
ブルレック兄弟のスタジオが構えるベルヴィル地区には、ビストロやカフェが多く並ぶ。そこで使われるフランスの伝統的な椅子の佇まいが、この椅子の出発点になっている。
ブルレック兄弟とヴィトラの協働は2000年のオフィス家具システムに始まり、以後続いている。
評価と影響
同じフレームに複数の素材のシェルを組み合わせるという方式は、イームズ プラスチック サイドチェア DSWやハーバーチェアにも見られる。ベルヴィル チェアは、シェルの側だけでなくフレームも成形樹脂で構成している点が異なる。住宅から飲食店、屋外まで用いられる。
二人の設計思想や経歴について詳しくはロナン・ブルレック、エルワン・ブルレックの各プロフィールページをご覧ください。
ヴィトラの歴史や他の製品について詳しくはヴィトラブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ベルヴィル チェア / Belleville Chair |
|---|---|
| デザイナー | ロナン&エルワン・ブルレック(Ronan & Erwan Bouroullec) |
| ブランド | ヴィトラ(Vitra) |
| 発表年 | 2015年 |
| デザインの成立国 | フランス |
| 分類 | チェア |
| 構造 | 射出成形ポリアミドのフレーム+交換可能なシートシェルの二部構成 |
| シェルの素材 | ポリアミド/ポリプロピレン/成形合板/張り仕様 |
| バリエーション | サイドチェア、アームチェア。ベルヴィル テーブルとの組み合わせ |
| 屋外使用 | プラスチックシェルの仕様のみ対応 |
| スタッキング | 可 |
Reference
- Belleville Chair | Vitra
- https://www.vitra.com/en-us/product/details/belleville-chair