概要
アバウト・ア・チェア(AAC)は、ヒー・ウェリングが2010年にHAYのために設計した椅子である。ポリプロピレンのシェルに、木製脚、金属脚、回転ベースなどを組み合わせる。シェルとベースと張りの組み合わせを選べる構成をとり、スツールやラウンジチェアへも展開されている。
特徴・コンセプト
シェルとベースを分ける
座面と背もたれを一体で成形したシェルに、用途の異なるベースを付け替える。木製の4本脚はダイニングに、アルミニウムの回転ベースは執務や会議の場に向く。シェルの型を共有したまま、置く場所に応じた脚を選べる。
アームレスト付きの仕様では、肘掛けがシェルと一体で成形される。別部材として後付けすると接合部が現れるが、一体にすれば輪郭が途切れない。
ガラス繊維で薄さを保つ
シェルの厚みは10mmで、ポリプロピレンにガラス繊維を配合して強度を確保している。樹脂だけで同じ強度を得ようとすれば厚みが増す。繊維を混ぜることで、薄いまま必要な剛性が得られる。
再生樹脂を使う
標準仕様のシェルには、使用済みの家庭用電化製品から回収した再生ポリプロピレンが用いられる。回収した樹脂は元の色が揃わないため、仕上がりの色調に振れが出る。HAYはこれを隠さず、素材の性質として扱っている。木製ベースにはFSC認証材が使われ、仕上げには水性塗料が用いられる。
展開
AAC 10は4本脚、AAC 20はアームレスト付き、AAC 100は座面を低く背もたれを高くしたラウンジ仕様にあたる。バースツールのアバウト・ア・スツール(AAS)、アームチェアとソファのアバウト・ア・ラウンジ(AAL)が同じ系列に含まれる。張り込んだ仕様では、成形ポリウレタンフォームの上に生地を張る。
エピソード
ウェリングが目指したのは、ダイニングから会議室、子ども部屋、飲食店、事務所まで、場所を選ばずに使える椅子であった。一つの形をそのまま各所に置くのではなく、シェルを共通にしてベースを替えるという方法がとられている。
2023年には既存の7色に9色が加えられた。
評価と影響
アバウト・ア・チェアとアバウト・ア・スツールはEUエコラベルの認証を受けている。シェルを共通にしてベースを替えるという方式は、イームズ プラスチック サイドチェア DSWやベルヴィル チェアにも見られる。同じHAYのニューオーダーと同様、部材の組み合わせで用途を決める構成をとる。
ヒー・ウェリングの設計思想や経歴について詳しくはヒー・ウェリングプロフィールページをご覧ください。
HAYの歴史や他の製品について詳しくはHAYブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | アバウト・ア・チェア / About A Chair(AAC) |
|---|---|
| デザイナー | ヒー・ウェリング(Hee Welling) |
| ブランド | HAY |
| 発表年 | 2010年 |
| デザインの成立国 | デンマーク |
| 分類 | チェア(シェル+ベースの組み合わせ式) |
| シェル | ガラス繊維配合ポリプロピレン(厚み10mm、標準仕様は再生樹脂) |
| ベース | 木製4本脚(FSC認証オーク・ウォールナット)、アルミニウム回転ベースほか |
| 展開 | AAC 10(4本脚)/AAC 20(アームレスト付き)/AAC 100(ラウンジ)/AAS(スツール)/AAL(ラウンジ・ソファ) |
| 認証 | EUエコラベル |
Reference
- About A Chair | HAY
- https://hay.dk/en/hay/furniture/about-a-chair/