PK80デイベッドは、デンマークの家具デザイナー、ポール・ケアホルム(Poul Kjærholm)が1957年に発表した寝椅子である。工業素材であるスチールと、革またはキャンバスの張り地を組み合わせ、水平線を強調した低く端正なフォルムを特徴とする。ミニマルな構成のなかに素材の質感を丁寧に扱う姿勢が表れており、北欧モダンを代表するデイベッドのひとつとして知られる。
特徴・コンセプト
ケアホルムは鋼を冷たい工業素材としてではなく、独自の表情を持つ素材として扱った。PK80では、サテン仕上げのステンレススチールによる薄いベースの上に、塗装した合板のベッドプレートを介してクッションを載せる構成を採り、座面が床上にわずかに浮かぶような軽やかさを生み出している。
構造と素材
ベースはサテン(マット)仕上げのステンレススチールで構成され、その上に塗装合板のベッドプレートが組まれる。クッションの芯材には粒状フォームとヘアロック(天然繊維とラテックスの混合材)が用いられ、表面には革またはキャンバスが張られる。革張りのモデルではステッチで区切られた格子状のパネルを配し、ボタンでタフティングを施すことで、張り地の形状を保ちながら穏やかな陰影を生んでいる。
デザインの背景
PK80は、ミース・ファン・デル・ローエとリリー・ライヒが1930年に手がけた寝椅子を参照点としながら、構成要素を切り詰めて再構築した作品とされる。歴史的な原型を洗練させ、必要な要素へと還元していくケアホルムの手法がよく表れており、住宅から公共空間まで幅広い場に調和する彫刻的な佇まいを備えている。
基本情報
| 名称 | PK80 デイベッド / PK80 Daybed |
|---|---|
| デザイナー | ポール・ケアホルム(Poul Kjærholm, 1929-1980) |
| デザイン年 | 1957年 |
| 製造元 | フリッツ・ハンセン(Fritz Hansen) ※発表当初はE. Kold Christensen社が製造 |
| 素材 | ベース:サテン仕上げステンレススチール/ベッドプレート:塗装合板/張り地:レザーまたはキャンバス |
| 寸法 | 幅:約1900mm/奥行:約800mm/高さ:約300mm |
| 原産国 | デンマーク |
| カテゴリー | デイベッド / ラウンジファニチャー |