バルセロナ デイベッドは、近代建築を代表する建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが1930年に設計した寝椅子である。1929年のバルセロナ万国博覧会ドイツ館のために発表されたバルセロナチェアと造形言語を共有し、水平に伸びる端正なシルエットと、クロム仕上げのスチール脚に支えられたボタンタフティングのレザークッションを特徴とする。現在はアメリカのノール(Knoll)社が正規に製造している。
特徴・コンセプト
構造とマテリアル
バルセロナ デイベッドは、木部のフレームに4本のチューブラースチール脚を組み合わせた構成を採る。脚部は磨き上げたステンレススチールまたはクロム仕上げとされ、光沢のある細身のフォルムが座面を軽やかに見せる。フレーム本体にはマホガニー系のハードウッドが用いられ、金属と木の対比が水平基調の造形を引き締めている。
クッションは一頭分のレザーから裁断した個々のパネルを手作業でつなぎ合わせて仕立てられる。ノール社の仕様では72枚のパネルを用い、ハンドウェルティング(縁取り縫製)とボタンタフティングによって規則的な凹凸のパターンを作り出す。この手法はクッションの形状を長期にわたり保持する機能も兼ねている。付属のボルスター(円筒形クッション)を頭部側に配することで、寝椅子としての寛ぎを高めている。
デザインの方向性
直線と面で構成されたミニマルなフォルムは、装飾を抑えながら素材の質感とディテールで表情を生む、ミースの一貫した造形態度を反映している。バルセロナ デイベッドは、バルセロナチェアおよびバルセロナスツールと組み合わせることで、統一感のある空間構成を可能にする点も特徴である。
基本情報
| 製品名 | Barcelona Daybed / Barcelona Couch(バルセロナ デイベッド) |
|---|---|
| デザイナー | Ludwig Mies van der Rohe(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ) |
| デザイン年 | 1930年 |
| メーカー | Knoll(ノール) |
| 素材 | フレーム:マホガニー系ハードウッド/脚部:ステンレススチールまたはクロム仕上げスチール/クッション:レザー(またはファブリック)、ウレタンフォーム |
| 寸法 | 幅 約198cm × 奥行 約99cm(高さは仕様により異なる) |
| カラー | 各種レザー・ファブリック(脚部:ポリッシュドクローム/ステンレス/マットオニキス等) |
| 関連製品 | Barcelona Chair、Barcelona Stool |