動物の皮をなめして腐らないようにした素材。なめしの方法と表面の仕上げによって、性格も手入れの前提も大きく変わる。
本革
本革とは、動物の皮をなめして腐敗しないように加工した素材のこと。樹脂を布地に積層した合成皮革と区別するためにこう呼ばれる。単に革、レザーともいう。
解説
採取したままの皮は放置すれば腐り、乾けば硬く縮む。これを安定した素材に変える工程がなめしである。方法は大きく三つに分かれる。塩基性硫酸クロムを用いるクロムなめしは、数週間で仕上がり、薄く柔らかく染色もしやすい。世界の革製品の多くがこの方法によるもので、家具の張り地でも主流にあたる。植物由来のタンニンを用いるタンニンなめしは数か月を要するが、丈夫で、使ううちに色が濃く落ち着いていく。両者を組み合わせたコンビネーションなめしもある。
なめしと同じくらい性格を決めるのが表面の仕上げである。透明性の高い染料だけで染め、塗膜をほとんど載せないアニリン仕上げは、革本来の毛穴やしわがそのまま見える。傷や日焼けが出やすい反面、質感は最も豊かになる。顔料仕上げは表面を顔料の層で覆うもので、色が均一に揃い、汚れや退色に強い。傷も隠せるため、原皮の等級を問わず安定した外観が得られる。その中間にあたるのがセミアニリン仕上げで、染料で染めた上にごく薄い顔料層を施す。家具の張り地では、扱いやすさを求めて顔料仕上げやセミアニリン仕上げが選ばれることが多い。
革の表面側を銀面と呼ぶ。毛穴の並びによる細かな模様があり、この面をそのまま活かした革は銀付きと呼ばれる。銀面を削って起毛させればヌバック、裏面を起毛させればスエードになる。これらは表面の保護層がないため、水や汚れに弱い。
手入れの前提は仕上げによって変わる。顔料仕上げであれば乾いた布で拭き、汚れは硬く絞った布で落とせる。アニリン仕上げに近いものほど水染みが残りやすく、専用のクリームによる保湿が要る。共通するのは、直射日光と暖房器具の近くを避けることである。乾燥が進むと繊維がしなやかさを失い、折れ曲がる箇所からひび割れる。
Reference
- 本当に良い「革」とは?「なめし」と「仕上げ」が個性を決める(MUUSEO SQUARE)
- https://muuseo.com/square/articles/91
- タンニンなめしとクロムなめしの見分け方(株式会社山陽)
- https://sanyotan.co.jp/note/tannins_or_chrome
- 仕上げの種類と用途|革の基礎知識(日本革市)
- https://www.kawa-ichi.jp/basic/09/index.html