厚手の牛革を植物タンニンでなめし、油脂を含ませた革。もとは馬具の鞍に用いられた。
サドルレザー
サドルレザーとは、厚手の牛革を植物タンニンでなめし、油脂を含ませた革のこと。英語では saddle leather と表記する。名称は馬具の鞍(saddle)に用いられてきたことに由来する。
解説
鞍に求められるのは、人の体重を受けながら形が崩れないこと、擦れに耐えること、雨に濡れても使えることである。この条件を満たすため、革を厚く取り、植物タンニンで時間をかけてなめし、油脂を多く含ませる方法が用いられてきた。タンニンなめしは繊維を締めて硬さと腰を与え、含ませた油脂が水の侵入を抑える。用途から製法が決まった革といえる。
クロムなめしの革が数日で仕上がるのに対し、植物タンニンによるなめしは数週間から数か月を要する。工程が長いぶん高価になるが、繊維がしっかりと固定されるため、伸びにくく型崩れしにくい。使い込むにつれて色が濃い飴色へ変化するのも、この製法の革に共通する性質である。
家具では、厚みと硬さを活かして、張り地というより構造の一部として扱われることがある。座や背を吊る帯、肘掛けの掛け渡し、脚と座をつなぐ部材など、力がかかる箇所に用いられる。プロジェッティでは、通常の本革の仕様とは別に、厚手のサドルレザーを張った型番が用意されている。
表面に顔料の被膜を持たないため、傷や汚れがそのまま残る。水に濡れると染みになりやすく、直射日光では色が濃くなる。手入れは油分の補給が中心となり、経年での変化を前提とした材である。
ヌメ革との違い
ヌメ革は染色や表面加工を施さない植物タンニンなめしの革を広く指す語で、厚さは問わない。サドルレザーはそのうち厚手で油脂を多く含ませたものを指す言い方だが、明確な規格があるわけではなく、なめし方や仕上げの範囲は製造者によって幅がある。
Reference
- サドルレザーとは(株式会社山陽)
- https://sanyotan.co.jp/note/saddleleather
- レザーの種類|一般的な革の特徴(ソメスサドル)
- https://www.somes.co.jp/blog/34870/