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レ・ザルク チェアは、シャルロット・ペリアンがフランスのスキーリゾート「レ・ザルク」のために選定・導入した椅子である。クロームめっきの鋼管に、革の座面と背もたれを張る。現在は生産されておらず、入手は中古市場に限られる。

このページでは、中古で選ぶ際の確認箇所、革と金属の経年変化、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

レ・ザルク チェアは、1967年から1982年にかけて展開されたペリアンの大規模建築プロジェクト「レ・ザルク スキーリゾート」の一環として、イタリアで製造された。製造元はダル・ヴェラ社(1884年創業、ヴェネト州コネリアーノ)の名で語られることが多い一方、カッシーナ社の名で流通する個体もあり、製造元については諸説がある。

正式名称 Les Arcs Chair(レ・ザルク チェア)
製造元 イタリアで製造された。製造元についてはダル・ヴェラとする資料とカッシーナとする資料があり、確定していない
サイズ 高さ約800〜820 × 幅約470〜490 × 奥行約500〜610mm。個体によって差がある
座面高 約440mm
フレーム素材 クロームめっきの鋼管
座面・背もたれ素材 厚みのある革。茶系の色が多く、黒や赤の個体もある
固定方法 革のストラップと金具でフレームに固定する
スタッキング 可能
現行生産 終了。入手は中古市場に限られる
参考価格帯(ヴィンテージ) 生産を終了しているため、メーカーの公表価格はない。中古の相場は状態、来歴、革の程度によって幅があり、一定していない
収蔵美術館 AIC レ・ザルクのダイニングチェア(1970年頃) 収蔵番号 2023.1280

レザーのバリエーション

レ・ザルク チェアのシートは、リゾートでの大量導入に際してコニャック色(タン)のサドルレザーが標準的に使用されたが、ブラックやレッドのレザーが使用された個体も存在する。また、キャンバス地が張られたバリエーションも少数ながら確認されている。ヴィンテージ市場においては、オリジナルのコニャックレザーが最も人気が高く、経年変化によって深まったパティーナは、時間が与えた味わいとしてコレクターに珍重されている。レザーが劣化した個体について、オリジナルの型紙に基づいてイタリアンレザーで張り替えたものも流通しており、これらは「新品レザー」として明示されていることが一般的である。

類似商品・競合との比較

鋼管のフレームに革や布を張る椅子は複数ある。張る素材と張り方によって、座ったときの沈み方と手入れの方法が変わる。

比較項目 レ・ザルク チェア ナガサキチェア リソム ラウンジチェア
フレーム クロームめっきの鋼管 粉体塗装のスチール
座面の素材 厚みのある革 穴を開けた金属の板 帯状のウェビング
座面の性質 使うほど馴染む 変形しない 荷重で伸びる
重ねられるか 不可 不可
生産状況 終了 現行 現行

選び分けの目安

新品で購入したい場合
レ・ザルク チェアは生産を終了している。現行品を求める場合は他の二者が該当する。
革の経年変化を求める場合
厚みのある革は、使うほど色と艶が変わる。金属やウェビングでは、この変化が現れない。
片付ける場面がある場合
重ねられるため、複数脚をまとめて収められる。

使用感と設置条件

革の座面

厚みのある革を、ストラップと金具でフレームに固定する。詰め物を持たないため、革そのものが身体を受ける。

使い込むほど革が馴染み、座る位置の形に沿う。いっぽうで、新しい状態では硬い。中古で入手する個体は、すでに前の使用者の座り方が反映されている。

寸法と個体差

高さ約800〜820mm、幅約470〜490mm、奥行約500〜610mm、座面高約440mm。中古で流通する個体には寸法の差がある。

とくに奥行は約110mmの幅がある。テーブルに寄せる場合や、複数脚を並べる場合は、実際の個体の寸法を確かめる。

重ねる

重ねられる構造をとる。使わない時期にまとめて収められる。

重ねる際、革どうしが接する。長期間重ねたままにすると、接した箇所に跡が残ることがある。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

厚みのある革は、使用と日光によって色が濃くなる。表面に艶が出る。座る位置が偏ると、その箇所だけ先に伸びる。

乾燥すると革は硬くなり、折れた箇所からひび割れる。定期的に油分を補う。

クロームめっきは湿気の多い環境で点錆が出る。中古の個体では、脚の先端と接合部に現れやすい。

日常の手入れ

乾いた柔らかい布で埃を払う。年に数回、革用のクリームで油分を補う。水濡れは染みになる。
めっき
乾いた布で拭く。水気を残さない。研磨剤はめっきを削る。
固定部
革のストラップと金具の緩みを定期的に確かめる。緩むと革の位置がずれ、負担が偏る。

修理

革が切れた場合、張り替えになる。フレームの形状に合わせた加工が要るため、革製品を扱う工房に相談することになる。生産が終了しているため、メーカーによる修理は受けられない。

どこで買うか

生産終了について

現在は生産されておらず、入手は中古市場に限られる。相場は状態、来歴、革の程度によって幅があり、一定していない。

製造元についてはダル・ヴェラとする資料とカッシーナとする資料があり、確定していない。個体に製造元を示す表示があるとは限らない。

状態の確認

確認箇所は、革のひび割れと切れ、伸びの程度、めっきの点錆(とくに脚の先端と接合部)、ストラップと金具の緩み、フレームの曲がりである。

革は張り替えられる場合があるため、当初の革かどうかも確認の対象になる。張り替えられた個体では、革の色と質感が他の箇所と異なることがある。

寸法の確認

個体によって寸法に差がある。複数脚を揃える場合、寸法が揃うかを確かめる。とくに奥行は約110mmの幅がある。

購入前チェックリスト

  • 実際の個体の寸法(とくに奥行。約110mmの幅がある)
  • 革のひび割れと切れ、伸びの程度
  • 当初の革か、張り替えられたものか
  • めっきの点錆(脚の先端と接合部)
  • ストラップと金具の緩み
  • 複数脚を揃える場合、寸法と革の色が揃うか
  • メーカーによる修理が受けられないこと
  • 革の手入れ(油分の補給)を継続できるか

よくある質問

現在も購入できますか?
生産を終了しており、入手は中古市場に限られます。相場は状態、来歴、革の程度によって幅があり、一定していません。
製造元はどこですか?
イタリアで製造されましたが、製造元についてはダル・ヴェラとする資料とカッシーナとする資料があり、確定していません。個体に製造元を示す表示があるとは限りません。
中古で確認すべき箇所はどこですか?
革のひび割れと切れ、伸びの程度、めっきの点錆(とくに脚の先端と接合部)、ストラップと金具の緩み、フレームの曲がりです。革は張り替えられる場合があるため、当初の革かどうかも確認の対象になります。
座り心地はどうですか?
厚みのある革をストラップと金具でフレームに固定します。詰め物を持たないため革そのものが身体を受けます。使い込むほど革が馴染んで座る位置の形に沿いますが、新しい状態では硬くなります。中古で入手する個体は、すでに前の使用者の座り方が反映されています。
寸法に個体差があると聞きました
高さ約800〜820mm、幅約470〜490mm、奥行約500〜610mm、座面高約440mmで、中古で流通する個体には寸法の差があります。とくに奥行は約110mmの幅があるため、テーブルに寄せる場合や複数脚を並べる場合は実際の個体の寸法をお確かめください。
重ねて収納できますか?
できます。ただし重ねる際に革どうしが接するため、長期間重ねたままにすると接した箇所に跡が残ることがあります。
革が切れたら修理できますか?
張り替えになります。フレームの形状に合わせた加工が要るため、革製品を扱う工房にご相談ください。生産が終了しているため、メーカーによる修理は受けられません。
手入れはどうすればよいですか?
革は乾いた柔らかい布で埃を払い、年に数回、革用のクリームで油分を補ってください。乾燥すると革は硬くなり、折れた箇所からひび割れます。水濡れは染みになります。めっきは乾いた布で拭き、水気を残さないでください。