長く愛されるロッドビーンソファ:購入ガイド

ロッドビーンソファ(Rod Bean Sofa)は、イタリアの建築家ピエロ・リッソーニ(Piero Lissoni)が2017年にデザインし、Living Divani(リビング ディバーニ)から発表されたモジュラーソファである。発表から現在まで継続生産されており、同ブランドのRodファミリーの中核を担う存在として、世界各国の住宅やコントラクト空間に採用されている。

リッソーニは、モジュラーシステムの自由度を保ちながら曲線的な空間構成を可能にすることを設計の主題とし、各エレメントに精密な曲率と二段階の奥行きを与えた。直線的なRodシリーズとの統合性も維持されており、空間の特性に応じた柔軟な構成が成立する。

本ページでは、ロッドビーンソファの正規品仕様、類似モジュラーソファとの比較、暮らしへの取り入れ方、メンテナンス、日本国内での購入方法までを体系的に解説する。購入を検討している読者が、設置環境・予算・用途に照らして最適な判断を下せるよう、客観的な情報を整理している。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

ロッドビーンソファは、Living Divaniの本社工場(イタリア・アンツァーノ・デル・パルコ)にて製造されるモジュラーソファである。中央エレメントと端部エレメントの組み合わせにより、構成は多岐にわたる。以下に主要仕様を整理する。

正式名称(日本語) ロッドビーンソファ
正式名称(英語) Rod Bean Sofa
デザイナー ピエロ・リッソーニ(Piero Lissoni)
デザイナー国籍・生年 イタリア / 1956年生
デザイン年 2017年
製造ブランド・製造国 Living Divani / イタリア
支持構造 塗装スチールチューブ(引抜鋼管)
背もたれ・肘掛け構造体 HPL(高圧積層板・自己支持型パネル)
座面構造 コーティングゴム弾性ストラップ+ポリウレタンフォーム
クッション充填材 洗浄・殺菌処理済グースダウン、ポリウレタンフォームインサート
カバーリング素材 100%ポリエーテル(ポリアミドベルベッティーン裏地に熱圧着)/ファブリックまたはレザー
サイズ(参考) 座面高 約38cm(15インチ)/ 全高 約70cm(27.5インチ)/ 総幅 最小約142cm〜最大約503cm/ 総奥行 最小約86cm〜最大約174cm(構成による)
カラーバリエーション ホワイト、グレー、ブラウン、ベージュ、ブルー、グリーン、レッド、イエロー、オレンジ、バイオレット、ピンク 他(カスタムカラー対応)
脚部仕上げ ステンレススチール ポリッシュ仕上げ、マットサテン仕上げ、エポキシ粉体塗装(バーニッシュカラー / ガンメタルグレー)
オプション仕様 座面クッションのボタン付きキルティング/ボタンなしキルティングを選択可能。フレームとクッションのツートーン仕様にも対応。
参考価格帯(税込目安) 構成・素材により約200万円〜700万円程度(モジュラー構成の規模による。日本正規代理店要見積)
納期目安 受注生産品。発注から約16〜20週間(構成・素材により変動)

※ 価格・納期は変動する可能性があるため、購入前に必ず正規販売店にて最新情報をご確認ください。

類似モジュラーソファとの比較

ロッドビーンソファと近い価格帯・設計思想を持つモジュラーソファとして、同じイタリア発のハイエンドブランドから類似性の高い3点を取り上げ、選び方の指針を整理する。いずれも世界的に高く評価される作品であり、それぞれ異なる魅力を備えている。

比較項目 Rod Bean Sofa
(Living Divani)
Extrasoft
(Living Divani)
Tufty-Time
(B&B Italia)
Bowy Sofa
(Cassina)
デザイナー ピエロ・リッソーニ ピエロ・リッソーニ パトリシア・ウルキオラ パトリシア・ウルキオラ
発表年 2017年 2008年 2005年 2018年
デザインの方向性 建築的精度と曲線の調和 柔らかな包み込み、不定形のリラックス感 キャプトン仕上げによるクラシックの再解釈 有機的なふくらみと素材コントラスト
形状の特徴 細身フレームに曲線エレメント、空中に浮くような軽やかさ 地面に近いロースタイル、多面体的な配置 低めの背もたれ、クッションを並べた構成 厚みのあるシート、湾曲シルエット
モジュール構成 中央+端部エレメント、二段階の奥行き、曲率設計 多数のエレメントを自由に組み合わせ可能 正方形ベースのモジュラー カーブを描く2〜3シーター中心
クッション充填 グースダウン多層構造 グースダウン中心の柔らか仕様 ポリウレタン+フェザー ポリウレタン+フェザー
参考価格帯 約200万円〜700万円(構成による) 約180万円〜600万円(構成による) 約150万円〜500万円(構成による) 約100万円〜350万円
適した空間 緩やかな曲線で空間を区切るリビング、ホテルロビー、コントラクト カジュアルにくつろぐリビング、家族向け クラシックモダン、フォーマルな空間 洗練された住空間、デザインホテル

こういう方には Rod Bean Sofa

  • 直線的なソファでは表現できない、柔らかな曲線によって空間に流れを生み出したい方
  • 建築的な厳格さと座り心地の柔らかさという、相反する要素の両立を求める方
  • 将来的に既存のRod SystemやRod XLとの組み合わせや拡張を視野に入れている方
  • 細身のフレームと薄い背もたれによる、視覚的な軽やかさを重視する方

こういう方には他の選択肢を

  • 地面に近いロースタイルで、よりカジュアルな寛ぎを求める方は Living Divani Extrasoft が候補となる。
  • キャプトン仕上げのクラシカルな表情を好む方は B&B Italia Tufty-Time が適する。
  • 厚みのあるボリューム感ある曲線ソファを希望する方は Cassina Bowy が選択肢となる。

使用感と暮らしへの取り入れ方

座り心地

ロッドビーンソファは、座面高が約38cmと一般的なソファ(多くは40〜45cm)より低めに設定されており、深く沈み込むような感覚と、身体を包み込むような柔らかさが特徴である。座面クッションには洗浄処理されたグースダウンとポリウレタンフォームインサートが組み込まれており、長時間座っても圧迫感が少ない。背もたれはHPLによる薄い自己支持型の構造体に対し、グースダウンクッションが寄り添う構成となっており、視覚的な軽やかさと身体的な安定感が両立している。

体格との相性

座面奥行きは約86cmと深めに設計されており、足を組む、横向きに座る、寝そべるといった多様な姿勢に対応する。日本の標準的な体格の方は、背もたれにクッションを追加することで腰の支えを調整するとより快適である。身長の高い方や、ゆったりと姿勢を変えながら過ごしたい方に特に適している。

空間別のコーディネート提案

広めのリビング

20畳以上のリビング空間では、複数の端部エレメントと中央エレメントを組み合わせて、緩やかな半円形を描く配置が特に映える。ローテーブルを中心に、ソファが包み込むような構成により、家族や来客との会話が自然に生まれる場が形成される。

マンションのリビング

10〜15畳程度のマンションリビングでは、端部エレメント2〜3点による小規模構成でも、独自の曲線美を活かせる。窓際や壁面に沿わせるのではなく、空間の中央寄りに配置することで、ソファの背面も見せ場として機能する。

ホテル・ラウンジ

Living Divaniはコントラクト分野での実績が豊富であり、ロッドビーンソファもホテルロビーやラウンジ、ショールームでの採用例が多い。曲線の構成は、人の動線を緩やかに誘導する役割も果たす。

ライフスタイル別の提案

夫婦・少人数世帯
端部エレメント2点による最小構成(総幅約142cm前後)から始め、将来的に拡張する選択も可能。
ファミリー世帯
中央エレメントを加えた4〜5点構成により、家族全員が同時にくつろげる空間を創出できる。
オフィス・ホテル等
大規模構成によりロビーやエグゼクティブラウンジを彩る存在として機能する。コントラクト用途にも対応する仕様が用意されている。

経年変化とメンテナンス

素材ごとの経年変化

ファブリック仕様の場合、使用年数とともに座面の縁部分や肘掛け部分にわずかな擦れが現れる。これは天然素材を含むファブリックでは避けがたい変化であるが、素材本来の風合いとして受け入れられている。レザー仕様の場合は、使用とともに表面に独特の艶が生まれ、手触りも柔らかさを増していく。Living Divaniのレザーは、肌触りと耐久性のバランスを重視して選定されており、適切な手入れを続けることで長期にわたり美しさを保つことができる。

日常メンテナンスの方法と頻度

ファブリック仕様
週1回程度、柔らかいブラシまたは布団クリーナーでホコリを除去する。クッションは定期的に位置を入れ替え、ダウンの偏りを防ぐ。万一の汚れには、すぐに固く絞った布で水拭きし、その後乾いた布で水分を拭き取る。
レザー仕様
柔らかい乾いた布で表面のホコリを拭き取る。3〜6ヶ月に一度、レザー専用のクリーナーで清拭し、その後専用クリームで保湿する。直射日光や暖房器具の近くでの使用は革の劣化を早めるため避ける。
ステンレススチール脚部
柔らかい布で乾拭きする。塗装仕上げ部分には研磨剤入りの洗剤やアルコール系クリーナーは使用しないこと。

クッションのメンテナンス

グースダウンクッションは、月1回程度の頻度で軽く叩いて空気を含ませ、ダウンの偏りを整えることが推奨される。座面クッションはジッパーで背もたれと一体化されているため、定期的に表裏を入れ替えることで均一に経年変化させることができる。

専門メンテナンス・修理対応

カバーリングは取り外し可能な仕様もあり、専門業者によるクリーニングや張り替えに対応している。長期使用後のクッション材交換、フレーム部分の修理についても、日本正規代理店を通じてLiving Divani本社と連携した対応が可能である。費用は内容により異なるため、事前見積を依頼することを推奨する。

どこで買うか:正規販売店と購入方法

日本国内の正規販売店

ロッドビーンソファの日本国内における正規代理店は、株式会社インテリアズ(INTERIORS inc.)である。同社は東京・南青山の「è interiors|Boffi De Padova Tokyo」ショールームと、大阪のè interiors Osakaにて、Living Divaniの製品を展示・販売している。

è interiors|Boffi De Padova Tokyo
東京都港区南青山4-22-5(電話:03-6447-1451)
è interiors Osaka
大阪府大阪市西区江戸堀1-3-3(電話:06-6479-0135)

その他にも、Living Divaniは日本国内で複数のディーラーを通じて流通している。詳細は本国公式サイトの「Distribution > Asia > Japan」ページにて最新の取扱店情報を確認できる。

公式オンラインストアの状況

ロッドビーンソファは受注生産品であり、構成・素材・仕上げの選択肢が極めて多岐にわたるため、オンラインでの直接購入は一般的ではない。日本国内では、正規代理店のショールームでの相談・見積を経て発注する流れが基本となる。

実物を確認できるショールーム

東京・南青山と大阪のショールームでは、実際にロッドビーンソファに触れ、座り心地を体験できる。色見本、ファブリックサンプル、レザーサンプルも豊富に用意されており、自宅の床材や壁面素材との相性を確認したうえで決定することが推奨される。事前予約をすることで、より落ち着いた環境で相談できる。

中古・ヴィンテージ市場の状況

ロッドビーンソファは2017年発表の比較的新しい作品であり、本格的なヴィンテージ市場はまだ形成されていない。海外オークションサイトやリセラーで稀に出品されることがあるが、構成パーツが揃っているか、カバーリングの状態、メンテナンス履歴の確認が不可欠である。中古品購入の際は、Living Divani正規代理店を通じて真贋確認を行うことを強く推奨する。

購入時チェックリスト

  • 正規品であることの確認(Living Divani本社発行の証明書、シリアルナンバー)
  • 設置場所の実測(総幅・総奥行き・通路幅を含む全体像の確認)
  • 搬入経路の確認(エレベーター、階段、玄関ドア、廊下の幅)
  • 各エレメントの組み合わせシミュレーション(正規代理店にて配置プラン作成可能)
  • カバーリング素材の選定(ファブリック・レザーのサンプル取り寄せ)
  • 脚部仕上げの選択(ポリッシュ、サテン、エポキシ塗装色など)
  • キルティング仕様の選択(ボタン付き・ボタンなし)
  • 納期の確認(発注から約16〜20週間が目安)
  • 配送・設置サービスの確認(搬入、組立、梱包材回収の範囲)
  • 保証内容と期間の確認(フレーム・クッション・カバーリング各々)
  • 将来的な拡張・交換の相談(Rodシリーズ間の互換性も含む)

配送・設置に関する注意事項

ロッドビーンソファは、構成によっては大型のエレメントを複数搬入する必要がある。マンションへの搬入では、エレベーターサイズや内廊下の幅、玄関ドアの開口寸法を事前に正確に計測することが重要である。階段搬入が必要な場合は、追加の搬入費用や養生作業が発生する可能性があるため、見積段階で確認する。設置後は、組み立てとクッションのセッティングを正規代理店の専門スタッフが行う。

コーディネート事例

ミニマルモダン

白を基調とした空間に、グレーやベージュのファブリック仕様のロッドビーンソファを配置する。ローテーブルにはミニマルなスチールフレームのものを選び、フロアランプはアキッレ・カスティリオーニのアルコランプや、ミケーレ・デ・ルッキのトロメオを合わせると、イタリアンミニマリズムの統一感が生まれる。

ナチュラル&ウォームトーン

無垢材のフローリングや天然素材の壁を持つ空間に、テラコッタや深いオリーブ色のファブリック仕様で配置すると、有機的な曲線と自然素材が呼応する。サイドテーブルには木製の小ぶりなものを選び、観葉植物を配して落ち着きある居心地を演出できる。

ラグジュアリーコントラクト

ホテルラウンジやエグゼクティブオフィスでは、レザー仕様のダークトーン(ブラック、ダークブラウン)を選び、大理石のローテーブルや真鍮のアクセントと組み合わせる構成が映える。脚部はマットサテン仕上げまたはガンメタルグレーで重厚感を高める。

相性の良いデザイナーズ家具

  • Living Divani Frog Chair(ピエロ・リッソーニ):軽やかな曲線が呼応する
  • Cassina LC4 シェーズロング(ル・コルビュジエ):直線と曲線の対比
  • Knoll Saarinen Tulip Table(エーロ・サーリネン):曲線同士の調和
  • Flos Arco Lamp(カスティリオーニ兄弟):イタリアンクラシックの組み合わせ

広さ別の配置ガイド

10〜15畳のリビング
端部エレメント2点による最小構成(総幅約142〜200cm)が目安。壁面に沿わせず、空間の中央寄りに配置することで曲線美を最大限に引き出す。
15〜20畳のリビング
中央エレメントを1〜2点加えた構成(総幅約250〜350cm)が目安。L字または緩やかな半円形の配置が効果的である。
20畳以上の空間
大規模構成(総幅約400〜500cm)により、ソファそのものが空間の主役となる構成が成立する。来客対応や家族の集いの場として活用できる。

よくある質問

正規品の価格はどのくらいですか?
構成・素材・仕上げにより大きく変動するが、税込でおよそ200万円〜700万円が目安となる。最小構成(端部エレメント2点)でも200万円前後、大規模なモジュラー構成では500万円を超える価格帯となる。正確な見積は日本正規代理店である株式会社インテリアズに相談することを推奨する。
どこで購入できますか?
日本国内では、株式会社インテリアズ(INTERIORS inc.)が正規代理店として取り扱っている。東京・南青山の「è interiors|Boffi De Padova Tokyo」、大阪の「è interiors Osaka」のほか、全国の取扱ディーラーを通じて購入可能である。
実物を確認できる場所はありますか?
東京・南青山と大阪のè interiorsショールームで実物に触れることができる。事前予約により落ち着いた環境で素材サンプルや色見本を確認できる。来店前に展示状況を電話で確認することを推奨する。
納期はどのくらいかかりますか?
受注生産品のため、発注から約16〜20週間(約4〜5ヶ月)が目安である。素材選択や時期、コンテナ船便の状況により前後する場合があるため、発注時に正確な納期を確認する必要がある。
メンテナンスはどのように行えばよいですか?
ファブリック仕様は週1回程度の柔らかいブラシでのホコリ除去、レザー仕様は3〜6ヶ月に一度の専用クリーナーと保湿クリームでの手入れが基本となる。グースダウンクッションは月1回程度叩いて空気を含ませ、定期的に位置を入れ替えることで均一に経年変化させることができる。
カバーリングは取り外して洗えますか?
仕様によりカバーリングが取り外し可能な構成と、フレーム一体型の構成がある。発注時に取り外し可能な仕様を選択することができる。クリーニングは家庭用洗濯機での丸洗いではなく、必ずドライクリーニングを専門業者に依頼すること。
後からエレメントを追加することは可能ですか?
Rod Beanは継続生産品であり、後年に同じ仕様でエレメントを追加することが可能である。ただし、長期間が経過した場合は、ファブリックやレザーのロット差により色味がわずかに異なる可能性があるため、計画的な構成変更を推奨する。直線型のRod SystemやRod XLとの組み合わせにも対応している。
他に検討すべきモジュラーソファの名作はありますか?
同ブランドのExtrasoft(リビング ディバーニ/ピエロ・リッソーニ)、B&B ItaliaのTufty-Time(パトリシア・ウルキオラ)、CassinaのBowy Sofa(パトリシア・ウルキオラ)などが挙げられる。それぞれ異なる魅力を持つため、空間との相性や求める座り心地に応じて比較検討することを推奨する。