概要

Type 75は、ケネス・グランジが2004年に設計したデスクランプである。1970年代のApex 90を出発点とし、アングルポイズ タイプ1227から続くスプリング機構を引き継ぐ。

シェードは1227のドーム型と異なり、細長い円錐形をとる。

特徴・コンセプト

1227からの更新

グランジは2003年にアングルポイズのデザインディレクターに就任した。Type 75は翌年に発表されている。スプリングによる釣り合いの機構はそのまま保ち、外形の部材だけを更新する構成をとる。

技術的特徴

張力を一定に保つスプリングにより、どの角度でも重力と釣り合う。手を離した位置でそのまま静止する。1930年代に確立された機構を引き継いでいる。

シェードとアームはアルミニウムによる。スプリングはステンレススチール、ベースは鋳鉄で、重量を低い位置に集める。シェード内部には通気の開口が設けられ、閉じた形状で生じる熱の滞留を防ぐ。

形態的特徴

シェードは直径14.5cm、高さ19.2cm。1227のドーム型より深いため、光源が奥に収まり、正面からは直接光が見えない。

最大リーチは約66cm。ベース直径は約19.5cm、最大高さは約52cm。1227より小型で、デスク上の占有面積が小さい。

エピソード

デザイン開発の背景

2003年、グランジがアングルポイズのデザインディレクターに就任した。

最初の仕事は1227の改訂版にあたるType 3の開発で、翌2004年に1969年のModel 75を出発点とするType 75が続いた。いずれも復刻ではなく、機構を保ったまま外形と部材を更新している。

特別仕様の展開

2004年以降、複数の協働による特別仕様が展開されている。

特別仕様では輪郭を変えず、部材ごとに色を変える構成がとられた。部品単位で塗装を分けられるため、形状の変更を伴わない。

用途ごとの展開

デスクランプのほか、フロア、ウォール、ペンダントへ展開された。小型のMiniも用意される。同じシェードとアームの形状を保ったまま、支持部だけを変えている。

評価と影響

1227が機構と外形を同時に成立させたのに対し、Type 75は機構を引き継いで外形だけを更新している。同じ可動照明では、ジェルデ シグナル SI333が関節の摩擦で位置を保ち、スリーアーム・フロアランプはアームを固定してシェードの向きだけを変える。

2020年以降、アングルポイズは全製品に生涯保証を導入している。Type 75の美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。

基本情報

製品名 Type 75
分類 デスクランプ(タスクランプ)
デザイナー サー・ケネス・グランジ(Sir Kenneth Grange)
ブランド Anglepoise(アングルポイズ)
デザイン年 2004年
寸法(デスクランプ) 最大高さ:約52cm、シェード:直径14.5cm×高さ19.2cm、最大リーチ:約66cm、ベース直径:約19.5cm
重量 約3kg
素材 アルミニウム(シェード・アーム)、鋳鉄(ベース)、ステンレススチール(スプリング)、クロームメッキ金具
仕上げ マット塗装、ブラッシュアルミニウム
光源 E27口金(日本仕様はE26)。LED電球対応(北米仕様はE26で13W CFL付属の例あり)
ケーブル長 約2.5m
製造国 中国
バリエーション デスクランプ、フロアランプ、ウォールランプ、Type 75 Mini、Paul Smithエディション
カラー展開 ジェットブラック、アルパインホワイト、スレートグレー、シルバーラスター 他
保証 生涯保証(2020年1月20日以降の製品)
インスピレーション源 1970年代版Anglepoise Apex 90(1950年代オリジナル発売)