このモデル238/1が長く愛される理由
モデル238/1は、イタリアの照明デザイナー、ジーノ・サルファッティが1959年にデザインしたウォールランプである。月の光に着想を得た「レ・スフェレ(Le Sfere)」コレクションの一作で、吹きガラスによるオパリンガラスの球体をスチール製リングが支える簡潔な構成を特徴とする。オリジナルは長らく生産を終えていたが、2018年にAstepが正規復刻し、現在は世界各地の住宅や商業空間で使われている。最小限の要素で月明かりのようなやわらかい拡散光をもたらすという設計意図が、発表から半世紀以上を経ても支持される理由である。
本ページでは、モデル238/1の購入を検討されている方に向けて、正規品の仕様・サイズ・素材の詳細、類似する名作ウォールランプとの比較、光の質や暮らしへの取り入れ方、メンテナンス方法、そして国内正規販売店と購入時のチェックポイントまで、購入判断に必要な情報を網羅的にお伝えする。
ジーノ・サルファッティの設計思想や経歴について詳しくはジーノ・サルファッティ プロフィールページをご覧ください。
モデル238/1のデザインストーリーについて詳しくはモデル238/1紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
モデル238/1はAstepが製造・販売する正規復刻版であり、Flos社との協力のもと、オリジナルの設計を忠実に再現しつつ現代のLED技術を統合している。以下に主要スペックをまとめる。
| 正式名称 | モデル238/1(Model 238/1) |
|---|---|
| コレクション | レ・スフェレ(Le Sfere) |
| デザイナー | ジーノ・サルファッティ(Gino Sarfatti / イタリア / 1912–1985) |
| デザイン年 | 1959年(2018年復刻) |
| 製造ブランド | Astep(デンマーク・コペンハーゲン) |
| 製造国 | イタリア |
| タイプ | ウォールランプ(壁付け・要電気工事) |
| 主要素材 | ディフューザー:吹きガラス(オパリンガラス)/構造体:スチール(塗装仕上げ) |
| サイズ | W200 × D300 × H210 mm |
| ディフューザー径 | Ø200 mm |
| 重量 | 1.55 kg |
| 光源 | E27 LED 7W 806lm 2700K(調光対応LED電球付属) |
| カラーバリエーション | ブラック / シャンパン |
| IP等級 | IP20(屋内専用) |
| 取付方法 | 壁面直付け(電気工事必要)/スイッチ付き・スイッチなしの2仕様あり |
| 調光 | 対応(調光対応LED電球付属) |
| 参考価格帯(税込目安) | 約210,000〜220,000円 |
| 関連モデル | Model 237/1(Ø140mm小型版)、Model 238/2(2灯版)、Model 237/2(小型2灯版) |
球体の向きによる二通りの光
スチール製リングに意図的に設けられた切れ込みにより、オパリンガラスの球体を上向きにも下向きにも設置できる。上向き設置では間接照明として天井面へ柔らかな光を拡散し、下向き設置では直接照明として空間を照らす。一つの器具で二通りの光の表情を楽しめる点は、購入前に確認しておきたい本作ならではの特徴である。
類似商品・競合との比較
モデル238/1はサルファッティの歴史的名作の正規復刻版であり、市場にリプロダクト品は確認されていない。ここでは、同じく球体ガラスを用いたウォールランプや、同価格帯のデザイナーズウォールランプとの比較を通じて、選択の指針を示す。
| 比較項目 | Astep モデル238/1 | Flos IC Lights C/W1 | Louis Poulsen AJ ウォール |
|---|---|---|---|
| デザイナー | ジーノ・サルファッティ(1959年) | マイケル・アナスタシアデス(2014年) | アルネ・ヤコブセン(1960年) |
| デザインの方向性 | 月光の詩情、球体とリングの対話 | ジャグリングの均衡美、球体とロッドの点接触 | 建築的造形、指向性のある配光 |
| 光の特性 | 全方向拡散光(上下反転設置可能) | 全方向拡散光 | 下方向への指向性光 |
| 主要素材 | オパリンガラス、スチール | オパールガラス、真鍮またはクロムスチール | スチール(塗装) |
| サイズ(H) | 210 mm | 216 mm | 318 mm |
| 参考価格帯(税込目安) | 約210,000〜220,000円 | 約99,000〜110,000円 | 約100,000〜130,000円 |
選び方の指針
柔らかな拡散光で空間全体を包み込みたい方、ミッドセンチュリー・イタリアンデザインの歴史的名作を所有したい方には、モデル238/1が最適である。上下反転設置による光の使い分けも本作ならではの魅力といえる。一方、同じく球体ガラスの美しさを持ちながらも、より現代的でミニマルな表現を好む方にはFlos IC Lights C/W1が候補となる。価格面でもモデル238/1の半額程度であり、導入しやすい。読書灯やベッドサイドなど、特定の方向を照らす機能を重視する場合は、指向性のある光を持つLouis Poulsen AJ ウォールが適している。
使用感と暮らしへの取り入れ方
光の質と広がり方
オパリンガラスを通した光は、2700Kの電球色LED(806lm)により穏やかで温かみのある拡散光となる。光源がガラス球体の内部で均一に散乱するため、まぶしさを感じにくく、壁面や天井面に柔らかなグラデーションを描く。直射光のような鋭さはなく、空間全体を包み込むような光の質は、就寝前のリラックスタイムや廊下・玄関のアクセント照明として特に適している。
806lmの光量はメインの照明としては控えめであるが、補助照明や雰囲気づくりのアクセントとしては十分な明るさを確保できる。調光対応の電球が付属するため、時間帯や用途に応じた光量調整が可能である。
空間別のコーディネート提案
リビングルームでは、ソファ脇の壁面に左右対称に2灯配置することで、空間に均整のとれた柔らかな光の層を生み出すことができる。寝室では、ベッドヘッド両脇に設置し、球体を上向きにして間接照明として使用すれば、天井面に映る穏やかな光が安らぎの空間を演出する。廊下や玄関ホールでは、単灯でも壁面のアクセントとして存在感を放つ。商業空間においては、ホテルのロビーやレストランのエントランスなど、上質な雰囲気を求められる場に最適である。
生活スタイル別の提案
一人暮らしのコンパクトな空間では、廊下やリビングの壁面に1灯配置するだけで空間の質が大きく向上する。ファミリーの住まいでは、リビングの一角やダイニング脇の壁面に設置し、メイン照明を落とした夜のくつろぎの時間を演出する使い方が効果的である。オフィスやクリニックの待合空間では、上品な拡散光が来訪者に落ち着いた印象を与える。
経年変化とメンテナンス
主要素材の経年変化
オパリンガラスは化学的に安定した素材であり、経年による変色や劣化はほとんど見られない。長期間にわたり、製品到着時と同様の透明感ある乳白色の光を保ち続ける。スチール製リングの塗装仕上げについても、屋内使用において通常の環境であれば、塗膜の剥離や変色は生じにくい。
日常メンテナンス
日常的な手入れは、乾いた柔らかな布でガラス球体の表面のほこりを軽く拭き取る程度で十分である。指紋や汚れが気になる場合は、少量の中性洗剤を含ませた布で優しく拭き、その後乾拭きする。スチールリング部分も同様に柔らかい布での乾拭きが基本となる。研磨剤入りの洗剤やスチールウールなどの硬い素材は、塗装面やガラス面を傷つけるため使用を避ける。
パーツ交換・修理
LED電球は市販のE27口金LED電球への交換が可能である。オリジナルの付属電球と同等の光の質を維持するためには、2700K・調光対応のLED電球を選択することが推奨される。ガラス球体の破損など、構造部品の交換が必要な場合は、購入店舗またはAstepの正規代理店を通じて対応が可能である。
どこで買うか:正規販売店と購入方法
国内正規販売店
日本国内においてはAstep製品の取り扱い店舗は限られているが、以下の販売店で正規品を購入できる。
- ROUND ROBIN(ラウンドロビン)
- Astep正規取扱店として、モデル238/1を含むレ・スフェレ・コレクションを販売。オンラインストアでの購入が可能。
- YAMAGIWA(ヤマギワ)
- 照明専門店として2024年よりAstep製品の取り扱いを開始。オンラインストアおよびショールームで確認できる。
- Astep公式オンラインストア
- astep.design より直接購入が可能。日本への配送に対応しているが、電圧仕様やプラグ形状の確認が必要となる場合がある。
実物確認について
Astep製品は国内の大型インテリアショールームでの常設展示が限定的であるため、実物確認の機会は少ない。購入前の確認を希望する場合は、上記正規取扱店に在庫状況を問い合わせるか、東京・大阪のデザイン照明専門店への入荷タイミングを確認することを推奨する。Astep公式サイトではARによる空間シミュレーション機能が提供されており、スマートフォンを使って自室に設置した際のイメージを確認できる。
購入時チェックリスト
- 正規品であることの確認(Astep / Flos with Sarfatti Collectionの正規ルート品であるか)
- 電圧仕様の確認(日本国内仕様100V対応か、海外仕様220V品ではないか)
- スイッチ仕様の確認(スイッチ付き・スイッチなしの2バリエーションあり)
- カラーの確認(ブラック / シャンパンの2色展開)
- 設置場所の寸法確認(W200 × D300 × H210 mm、壁面からの出幅300mmを考慮)
- 電気工事の手配(壁面直付けのため、資格を持つ電気工事業者による取付が必要)
- 納期の確認(受注品の場合、6〜8週間程度の納期が一般的)
- 保証内容の確認(保証期間・保証範囲を販売店に確認)
配送・設置に関する注意事項
モデル238/1はガラス製品を含むため、配送時の取り扱いには注意が必要である。正規販売店からの購入であれば適切な梱包で発送されるが、到着時には外箱の状態を確認し、開梱後にガラス球体やスチールリングに破損・傷がないことを速やかに確認することが望ましい。取付は壁面直付けとなるため、事前に設置位置の壁内配線の有無を確認し、必要に応じて電気工事業者との打ち合わせを行うことを推奨する。
コーディネート事例
ミッドセンチュリー・モダン
ウォールナット材の家具やイームズのシェルチェアなど、1950〜60年代のアメリカン・ミッドセンチュリーの家具と組み合わせることで、時代の気分を共有する統一感あるインテリアを実現できる。ブラック仕上げのモデル238/1が、ウォールナットの温かみある木目と好対照をなす。
北欧ミニマル
白を基調としたシンプルな空間にシャンパン仕上げのモデル238/1を配することで、ニュートラルな色調の中に温かみのあるアクセントを加えることができる。フリッツ・ハンセンやカール・ハンセンの北欧家具との相性も良く、デンマークに拠点を置くAstepならではの、スカンジナビアとイタリアの美意識を掛け合わせた組み合わせとなる。
コンテンポラリー・ラグジュアリー
大理石や真鍮のアクセントを取り入れた現代的なラグジュアリー空間では、モデル238/1のシャンパン仕上げが素材の高級感と調和する。リビングの暖炉脇やベッドルームのヘッドボード上など、空間の焦点となる壁面に配置することで、控えめながらも洗練されたアクセントとなる。
相性の良いデザイナーズ家具
同じくAstepから復刻されているサルファッティの他の照明作品(モデル2109シャンデリア、モデル548テーブルランプなど)との組み合わせは、デザイン哲学の一貫性という観点から最も自然なコーディネートとなる。また、同時代のイタリアンデザインであるカッシーナのLC2ソファやアルテミデのトロメオとの共存も、20世紀イタリアデザインの幅を感じさせる組み合わせである。
よくある質問
- 正規品の価格はどのくらいですか?
- モデル238/1(Ø200mm)の国内参考価格は約21万円前後(税込)です。小型版のモデル237/1(Ø140mm)はこれより低い価格帯となります。いずれも参考価格であり、販売店や時期により変動する場合があります。
- どこで購入できますか?
- 日本国内ではROUND ROBIN(ラウンドロビン)やYAMAGIWA(ヤマギワ)などのAstep正規取扱店で購入可能です。また、Astep公式オンラインストア(astep.design)からの直接購入も選択肢となりますが、電圧仕様の確認が必要です。
- 実物はどこで確認できますか?
- 国内での常設展示は限られています。正規取扱店に在庫状況を問い合わせるか、東京・大阪のデザイン照明専門店への入荷タイミングを確認ください。Astep公式サイトではスマートフォンを使ったAR空間シミュレーション機能も利用できます。
- 納期はどのくらいかかりますか?
- 在庫がある場合は1〜2週間程度での発送が一般的ですが、受注品の場合は6〜8週間程度の納期を要します。購入時に販売店へ確認されることをお勧めします。
- メンテナンスは難しいですか?
- 日常的なメンテナンスは柔らかい布での乾拭き程度で十分です。オパリンガラスは経年劣化しにくい素材であり、特別な手入れは不要です。LED電球は市販のE27口金対応品に交換可能で、2700K・調光対応の電球を選ぶと元の光の質を維持できます。
- LED電球は付属していますか?交換はできますか?
- はい、E27口金のLED電球(7W・806lm・2700K・調光対応)が1個付属しています。電球寿命を迎えた際は、市販のE27口金LED電球に交換可能です。光色や調光対応の有無を確認のうえ選択ください。
- 取付に電気工事は必要ですか?
- はい、壁面直付けタイプのため、資格を持つ電気工事業者による取付工事が必要です。設置予定の壁面に配線が来ているかを事前に確認し、必要に応じて配線工事も含めて業者に依頼してください。スイッチ付きモデルとスイッチなしモデルの2仕様がありますので、壁面スイッチの有無に応じて選択ください。
- 他に検討すべき名作ウォールランプはありますか?
- 球体ガラスを用いたデザインではFlos IC Lights C/W1が、北欧デザインの名作としてはLouis Poulsen AJ ウォールが代表的な選択肢です。それぞれ光の指向性やデザインの方向性が異なりますので、用途や空間の雰囲気に合わせてご検討ください。