概要

アトーロは、ヴィコ・マジストレッティが1977年にオルーチェのために設計したテーブルランプである。円柱、円錐、半球という三つの立体を積み上げた構成をとる。1979年にコンパッソ・ドーロを受賞した。マジストレッティは、これを伝統的なアバジュール(卓上照明)を抽象化したものと位置づけている。

特徴・コンセプト

三つの立体で構成する

円柱の基部、円錐の支持部、半球のシェードが一点で交差する。布のシェードと細い支柱からなる従来の卓上照明を、それぞれ半球と円柱・円錐に置き換えたことになる。装飾を持たず、三つの立体の比例だけで形が決まる。

二方向へ光を配る

光源はシェードの内部と円錐部に配置される。シェードの内側で反射した光が下方へ落ち、円錐部に当たった光も反射して広がる。一つの器具のなかで、直接照らす光と反射させる光の両方が得られる。

金属の仕様では光がシェードを透過しないため、明暗の差が大きくなる。オパールガラスの仕様では全体が発光し、輪郭が柔らかく見える。同じ形でも、素材によって光の出方が変わる。

素材とサイズ

素材はアルミニウムの仕様と、オパール吹きガラスの仕様が用意される。サイズは3種類が展開され、ベッドサイドに置ける小型から、大型のものまで選べる。多くのモデルで調光に対応する。

エピソード

アトーロという名称は、イタリア語で環礁を意味する語に由来する。珊瑚礁が輪状に連なり、内側に浅い海を抱く形が、円形のシェードと基部を持つこの照明の構造と重なる。

マジストレッティは1967年に発表したアルテミデのエクリッセ テーブルランプで既にコンパッソ・ドーロを受けており、アトーロは二度目の受賞にあたる。エクリッセが回転するシェードによって光量を変える機構を持つのに対し、アトーロは固定された形のなかで光の出方を決めている。

評価と影響

三つの幾何学的な立体だけで構成するという方向は、同じイタリアのモデル238/1など、球体を用いた照明とも重なる。1970年代後半に生まれ、現在まで生産が続いている。

美術館コレクション

ニューヨーク近代美術館は、アルミニウムとポリウレタン樹脂による1977年のアトーロ テーブルランプ(モデル233)を収蔵番号481.1978で登録している(製造元からの寄贈。高さ66cm、直径48.9cm、ベース直径20.3cm)。

基本情報

名称 アトーロ / Atollo
デザイナー ヴィコ・マジストレッティ(Vico Magistretti)
ブランド オルーチェ(Oluce)
発表年 1977年
デザインの成立国 イタリア
分類 テーブルランプ
構成 円柱(基部)、円錐(支持部)、半球(シェード)
主要素材 アルミニウム、またはオパール吹きガラス
配光 シェード内部と円錐部の二箇所に光源を配置
サイズ展開 3種類(モデル238 / 239 / 233)
受賞 1979年 コンパッソ・ドーロ
収蔵 ニューヨーク近代美術館(481.1978)

Reference

Atollo Table Lamp (model 233) | MoMA
https://www.moma.org/collection/works/4029
Atollo | Oluce
https://oluce.com/en/products/atollo/