Oluce(オルーチェ)
Oluceは、1945年にジュゼッペ・オストゥーニによって創設されたイタリア最古の照明デザイン企業です。創業以来80年近くにわたり、美学と技術の両面における情熱的な探求を続け、光の可能性を実際の形へと昇華させてきました。同社のコレクションは、流行を超越して世代を超えて語り継がれるイタリアンデザインのアイコンとして、世界中の人々の暮らしに溶け込んでいます。
「Made to Measure Light(オーダーメイドの光)」を掲げるOluceは、カタログ製品に加えて、コントラクト部門向けのビスポーク・テーラリングサービスを展開し、空間に応じた最適な照明ソリューションを提供しています。ニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめとする世界有数のデザインミュージアムに永久収蔵される名作の数々は、イタリアンライティングデザインの真髄を今に伝えています。
ブランドの特徴とコンセプト
Oluceのコレクションは、物語のように構成された豊かで多面的な世界観を持ちます。各製品は単なる照明器具ではなく、流行を超越してイタリアンデザインのアイコンとなることを目指して設計されています。幾何学的なフォルムの純粋さ、革新的な素材の採用、そして光と影の繊細な調和が、Oluceの照明に普遍的な美しさを与えています。
同社の製品哲学は、技術革新と美学的卓越性の融合にあります。ヴィコ・マジストレッティの絶対的な幾何学、ジョエ・コロンボの革新的なモダニティ、ティト・アニョーリやマルコ・ザヌーゾの控えめな優雅さといった、巨匠たちの遺産を継承しながら、新世代のイタリア人および国際的なデザイナーたちが、最新の技術革新を同社の確立された美学に融合させています。
Oluceのコンテンポラリーな姿勢は、過去・現在・未来を結びつけ、形態の幾何学と異素材、上質な仕上げを組み合わせた喚起的なコレクションを形成しています。それぞれの照明器具は、洗練されたインテリアエレメントとしての役割も果たし、空間に知的な光を灯します。
ブランドヒストリー
創業期とデザイン界との出会い(1945-1950年代)
1945年、ジュゼッペ・オストゥーニによって設立されたOluceは、第二次世界大戦直後のイタリア復興期に誕生しました。1951年、第9回ミラノ・トリエンナーレにおいて、アキッレ、リヴィオ、ピエール・ジャコモ・カスティリオーニがキュレーションした照明部門に参加し、フランコ・ブッツィがデザインしたルミナトールを発表しました。この参加により、Oluceは瞬く間に国際的な注目を集め、Domus誌を通じて世界的な認知を獲得しました。
1955年、ティト・アニョーリが第2回コンパッソ・ドーロ賞において、363フロアランプと特別なブックシェルフモデルで2度のノミネーションを受賞し、大きな成功を収めました。続く1956年には、ポリビニルスラットを用いたテーブルランプとダブルパースペックスシェードのペンダントランプでさらに2度のノミネーションを獲得しています。
偉大なるマエストロたちの時代(1950年代後半-1970年代)
1950年代後半、オストゥーニとジョエ・コロンボ、ジャンニ・コロンボ兄弟との出会いが、Oluceに革命的な方向性をもたらしました。コロンボ兄弟は大胆なデザインを実現できるパートナーを求めており、オストゥーニがその役割を担いました。この協働から生まれた281テーブルランプ「アクリリカ」は、1962年からOluceのカタログに加わり、厚みのあるパースペックスのカーブに沿って光が上昇するような視覚効果を生み出します。第13回トリエンナーレで金メダルを獲得したこの作品は、アートとデザインの接点であり、革新的素材の優雅な使用法の証でもあります。
1965年に発表された「スパイダー」シリーズは、単一の照明器具が異なる設置環境や支持体に対応できる革新的なコンセプトを提示し、1967年にOluce初のコンパッソ・ドーロ賞を受賞しました。1972年には、ニューヨークで開催された歴史的な展覧会「Italy: the New Domestic Landscape」にも出展されています。
1967年、コロンボは「クーペ」を発表しました。大きく湾曲したステムが極めてエレガントな半円筒形のシェードを支えるこのデザインは、現在ニューヨーク近代美術館に収蔵されており、1968年にはシカゴのアメリカン・インスティテュート・オブ・インテリア・デザイナーズから「インターナショナル・デザイン・アワード」を受賞しました。1970年には、照明市場初のハロゲンランプ「コロンボ」が誕生し、機能性と現代性を兼ね備えた比類なきデザインアイコンとなりました。
マジストレッティの時代とヴェルデリ家への継承(1970年代-1990年代)
1970年代、Oluceの所有権がジュゼッペ・オストゥーニからヴェルデリ家へと移転し、新たな重要な時代が幕を開けました。この時代を特徴づけたのは、イタリアンデザインの巨匠ヴィコ・マジストレッティの存在です。長年にわたりアートディレクターおよびリードデザイナーとして活躍したマジストレッティは、Oluceに消えることのない印を残し、世界的な評価をもたらしました。
クータ、レスター、ナラ、イドメネオ、パスカル、ディム、ソノラ、スノー、そして特にアトロは、製品そのものを即座に想起させる名称として広く知られるようになりました。1977年に発表されたアトロは、「ランプ」という概念そのものを示唆するグラフィカルなシルエットとなり、世界中で模倣されながらも唯一無二の存在であり続けています。1979年のコンパッソ・ドーロ賞を受賞し、世界の主要なデザイン・装飾美術館の永久コレクションに収められ、単なるランプを超えたアイコンとなりました。
第二千年紀の終わりから現代へ(1990年代-現在)
1990年代初頭、スイス人デザイナーのハネス・ヴェットシュタインの厳格さと、リッカルド・ダリージの皮肉的な挑発が並存し、表現力豊かで洗練されたカタログを拡充しました。1995年には、国際的な成功と批評家からの称賛を高める新たな方向性が打ち出されました。
2000年代に入り、Oluceのコンテンポラリーな姿勢は、過去・現在・未来を結びつける方向へと発展しました。日本のnendoの洗練された感性、喜多俊之の詩的なミニマリズム、ゴードン・ギラミエやカルロ・コロンボ、ルッツ・パンコウのクリーンな言語、フランチェスコ・ロータやフェルディ・ジャルディーニの実験的表現、サム・ヘクト、ヨルグ・ボナー、アンジェレッティ・ルッツァの直感、そしてニコラ・ガリッツィア、ヴィクトル・ヴァシレフ、クリストフ・ピレといった新進デザイナーたちが、Oluceのビジュアル・グラマーを定義し続けています。
2015年には、コントラクト部門向けのカスタマイズサービス「ビスポーク・テーラリング」を開始しました。長い生産の歴史と人的・創造的な知識基盤を強化する意志のもと、現代の市場ニーズに応える照明体験を提供しています。特注デザインのランプや既存デザインのモジュラーバージョン、スタンダード製品を組み合わせた幅広いテーラーメイドの選択肢が、大小の供給者のニーズに最適な形で応えています。
代表的な製品とその特徴
Atollo(アトロ)
1977年にヴィコ・マジストレッティがデザインしたアトロは、円錐形のベース、円筒形のボディ、半球形のシェードという3つの純粋な幾何学形態の組み合わせから成る、照明デザインの金字塔です。「ランプ」という概念そのものを体現するグラフィカルなシルエットは、発表以来半世紀近くを経た今日もなお、世界中で愛され続けています。
1979年にコンパッソ・ドーロ賞を受賞したアトロは、ニューヨーク近代美術館、フィラデルフィア美術館、ミュンヘンのディ・ノイエ・ザムルング、チューリッヒ工芸美術館、デュッセルドルフ美術館、ミラノ・トリエンナーレのイタリアンデザイン永久コレクションなど、世界の主要な美術館に収蔵されています。世界中で模倣されながらも、そのオリジナルの価値は唯一無二であり続けています。
Colombo / Acrilica(コロンボ / アクリリカ)
1962年にジョエ・コロンボがデザインした281テーブルランプ「アクリリカ」は、厚みのあるパースペックス(アクリル樹脂)のカーブに沿って光が上昇するような視覚効果を生み出す、革新的な作品です。アートとデザインの接点を示すとともに、革新的素材の優雅な使用法を実証しています。
1964年の第13回ミラノ・トリエンナーレで金メダルを獲得し、ジョエ・コロンボを当時最も偉大なデザイナーの一人として位置づけました。ニューヨーク近代美術館、フィラデルフィア美術館、ミュンヘンのディ・ノイエ・ザムルング、チューリッヒ工芸美術館、ミラノ・トリエンナーレの永久コレクションに収蔵されています。
Spider(スパイダー)
1965年にジョエ・コロンボがデザインしたスパイダーシリーズは、単一の照明器具を、メラミン製のジョイントによって異なる環境(家庭やオフィス)や異なる支持体(テーブル、フロア、壁、天井)に取り付けることができる革新的なコンセプトを提示しました。「ランプのファミリー」というコンセプトを具現化したこの作品は、モジュラーデザインの先駆けとなりました。
1967年、スパイダーはOluce初のコンパッソ・ドーロ賞を受賞しました。1972年には、ニューヨーク近代美術館で開催された歴史的な展覧会「Italy: the New Domestic Landscape」に出展され、フィラデルフィア美術館、ミュンヘンのディ・ノイエ・ザムルング、ミラノ・トリエンナーレの永久コレクションにも収蔵されています。
Coupé(クーペ)
1967年にジョエ・コロンボがデザインしたクーペは、大きく湾曲したステムが極めてエレガントな半円筒形のシェードを支える、洗練されたデスクランプです。自動車のクーペボディを彷彿とさせる流麗なフォルムは、機能性と美しさを高次元で融合させています。
1968年、ニューヨーク近代美術館に収蔵されると同時に、シカゴのアメリカン・インスティテュート・オブ・インテリア・デザイナーズから「インターナショナル・デザイン・アワード」を受賞しました。現在もOluceのベストセラーの一つとして、世界中で愛され続けています。
Colombo 626(ハロゲンランプ)
1970年にジョエ・コロンボがデザインしたコロンボ626は、照明市場に登場した初のハロゲンランプです。当時としては革命的な光源技術を採用し、コンパクトでありながら強力な光を放つこのランプは、機能性と現代性を兼ね備えた比類なきデザインアイコンとなりました。
ミュンヘンのディ・ノイエ・ザムルング、デュッセルドルフ美術館、ケルン応用美術館の永久コレクションに収蔵されています。
主なデザイナー
ヴィコ・マジストレッティ(Vico Magistretti)
イタリアンデザインの巨匠として知られるヴィコ・マジストレッティは、1970年代からOluceのアートディレクターおよびリードデザイナーとして活躍しました。アトロ、クータ、レスター、ナラ、スノー、ソノラなど、同社を代表する数々の名作を生み出し、Oluceに消えることのない印を残しました。彼の作品は絶対的な幾何学に基づく普遍的な美しさを持ち、世界中の美術館に収蔵されています。
ジョエ・コロンボ(Joe Colombo)
1950年代後半からOluceと協働を開始したジョエ・コロンボは、アクリリカ、スパイダー、クーペ、初のハロゲンランプなど、照明デザイン史に残る革新的な作品を次々と発表しました。革新的な素材と技術を積極的に採用し、モジュラーデザインの概念を先駆的に実践した彼の作品は、機能性と芸術性を高次元で融合させています。
ティト・アニョーリ(Tito Agnoli)
Oluceの初期から活躍したティト・アニョーリは、1950年代に複数のコンパッソ・ドーロ賞ノミネーションを獲得し、同社の国際的評価の確立に貢献しました。スレンダーなステムに支えられたスポットライト「アニョーリ」(255/387)は、1954年に発表され、ランプシェードの衰退と家庭照明における簡素化されたフロアランプの採用を象徴する作品となりました。
マルコ・ザヌーゾ(Marco Zanuso)
1963年、マルコ・ザヌーゾはOluceのために275テーブルランプをデザインしました。塗装金属ベースに大きな白いパースペックスシェードを載せたこのランプは、1965年から生産が開始され、イタリアンデザインの控えめな優雅さを体現しています。
現代のデザイナーたち
現在のOluceは、nendo、喜多俊之、ゴードン・ギラミエ、カルロ・コロンボ、ルッツ・パンコウ、フランチェスコ・ロータ、フェルディ・ジャルディーニ、サム・ヘクト、ヨルグ・ボナー、アンジェレッティ・ルッツァ、ニコラ・ガリッツィア、ヴィクトル・ヴァシレフ、クリストフ・ピレといった国際的なデザイナーたちと協働し、伝統と革新を巧みにバランスさせた洗練されたインターナショナルスタイルを体現し続けています。
受賞歴と評価
Oluceは、第9回ミラノ・トリエンナーレ(1951年)への参加以来、その長い歴史を通じて数多くの栄誉を受けてきました。特に、1967年のスパイダーと1979年のアトロによる2度のコンパッソ・ドーロ賞受賞、1968年のクーペによるインターナショナル・デザイン・アワード、1964年の第13回ミラノ・トリエンナーレでのアクリリカによる金メダルは、同社の照明デザイン界における卓越した地位を証明しています。
同社の製品は、ニューヨーク近代美術館、フィラデルフィア美術館、ミュンヘンのディ・ノイエ・ザムルング、チューリッヒ工芸美術館、ハンブルク工芸美術館、デュッセルドルフ美術館、ケルン応用美術館、ミラノ・トリエンナーレのイタリアンデザイン永久コレクションなど、世界の主要なデザイン・装飾美術館に収蔵されています。
基本情報
| ブランド名 | Oluce(オルーチェ) |
|---|---|
| 設立 | 1945年 |
| 創業者 | ジュゼッペ・オストゥーニ(Giuseppe Ostuni) |
| 本社所在地 | Via Brescia, 2, 20097 San Donato Milanese, Milano, Italia |
| 法人本部 | Via Conservatorio, 22, 20122 Milano, Italia |
| 主な製品 | テーブルランプ、フロアランプ、ウォール/シーリングランプ、ペンダントランプ、アウトドアランプ |
| 公式サイト | https://www.oluce.com/ |