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PP503 は、ハンス・J・ウェグナーが1950年に設計しPPモブラーが製造する椅子である。笠木から肘掛けまでが1本の曲線として連続し、2箇所の接合で3つの部材をつなぐ。座面は布または革を張る。

このページでは、正規品の仕様と識別、選べる樹種と仕上げ、張り替えの条件、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

正規品はデンマークのPP Møblerが製作する。座面が張り座のものがPP503、籐編みのものがPP501という型番になる。

正式名称 PP503 ラウンドチェア(ザ・チェア)
製造ブランド PPモブラー(デンマーク)。当初はヨハネス・ハンセンが製造した
樹種 オーク、アッシュ、チェリー、ウォールナット
仕上げ 石鹸、オイル、白いオイル、黒の塗装などから選ぶ。樹種によって選べる組み合わせが異なる
座面 布または革を張る。要する生地は650×550mm
背の接合 2箇所の指状の継ぎ手で3つの部材をつなぐ
収蔵 当サイトの照合対象4館では、本製品と特定できる収蔵は確認できていない。同じ設計者の他の椅子では、MoMA と Met が複数の作品を収蔵している
サイズ 幅630 × 奥行520 × 高さ760mm、座面高440mm、肘掛けの高さ700mm
参考価格 PPモブラーは公式サイトで価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。樹種、仕上げ、張り地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける

籐編みの PP501 ザ・チェア とは寸法が共通で、同じテーブルに混ぜて並べられる。価格はPP503のほうが低い。

正規品とライセンスを受けていない製品の違い

権利者のライセンスを受けていない同型の製品が流通している。公表されている情報から確認できる差を整理する。仕様が公表されていない項目は「公表なし」と記し、推測では埋めていない。

公表されている仕様

PPモブラーは、選べる樹種(オーク、アッシュ、チェリー、ウォールナット)と仕上げ、笠木から肘掛けまでを2箇所の指状の継ぎ手でつなぐこと、寸法、座面に要する生地の量、デンマークでの製造を公表している。

ライセンスを受けていない製品では、これらの仕様が公表されていない場合が多い。継ぎ手の形状は笠木の上面から確認できる箇所にあたる。指状に噛み合う接合か、突き合わせて接着する接合かで、見え方が異なる。

比較項目 正規品(PPモブラー) ライセンスを受けていない製品
樹種 4種から選ぶ(公表) 公表なし
継ぎ手 2箇所の指状の継ぎ手(公表) 公表なし
仕上げ 石鹸、オイルなどから選ぶ(公表) 公表なし
寸法 幅630×奥行520×高さ760mm(公表) 公表なし
製造国 デンマーク(公表) 公表なし

類似商品・競合との比較

笠木が肘掛けを兼ねる椅子は、その曲線をどうつくるかで分かれる。継ぐか、曲げるかによって、部材の数と見え方が変わる。

比較項目 PP503 CH24 ウィッシュボーンチェア バレルチェア
笠木の構成 3つの部材を2箇所で継ぐ 曲げた木 細い角材を並べる
座面 布または革を張る ペーパーコードを編む 円形のクッション
座面の交換 張り替えられる 編み直しになる クッションによる
樹種の選択 4種から選ぶ 複数から選ぶ 1種
座面高 440mm 製品による 480mm

選び分けの目安

座面の張り地を選びたい場合
布と革から選べる。張り替えもできるため、傷んだ場合や好みが変わった場合に対応できる。
樹種を選びたい場合
オーク、アッシュ、チェリー、ウォールナットから選ぶ。仕上げとの組み合わせは樹種によって異なる。
通気を求める場合
張った座面は通気がない。編んだ座面では、編み目の隙間から空気が抜ける。

使用感と設置条件

笠木と肘掛け

笠木から肘掛けまでが1本の曲線として連続する。3つの部材を2箇所の指状の継ぎ手でつなぐ構成をとる。

継ぎ手は笠木の上面に現れる。木目の向きが変わる箇所として見えるため、隠す仕上げではない。

肘掛けの高さは700mm。座面高440mmとの差は260mmで、腕を置いたときの高さになる。

座面

布または革を張る。詰め物を持つため、編んだ座面より沈む。通気はない。

要する生地は650×550mm。張り替えの際、この量を用意することになる。

設置に要する寸法

幅630×奥行520×高さ760mm。肘掛けがあるため、テーブルに寄せる場合は天板の下端に肘掛けが当たらないかを確認する。

経年変化とメンテナンス

樹種と仕上げ

樹種によって日光での変化が異なる。オークとアッシュは黄みを帯び、チェリーは赤みが濃くなり、ウォールナットは色が明るくなる。

仕上げによって手入れの方法が変わる。石鹸の仕上げは水気に弱く、定期的に専用の石鹸で拭く。オイルの仕上げは定期的な塗り直しが要る。塗装の仕上げは塗膜が水分を防ぐ。

日常の手入れ

木部
仕上げに応じた手入れを行う。購入時に方法を確認する。
座面
布は掃除機で埃を吸う。革は年に数回、革用のクリームで油分を補う。
継ぎ手
接合部の状態を確かめる。緩みが生じた場合、早めに対処する。
置き場所
直射日光、暖房の風、床暖房を避ける。急な乾燥は木部の割れを招く。

張り替えと修理

座面は張り替えられる。要する生地は650×550mmである。木部の補修とあわせて、取扱店を通じて相談する。

どこで買うか

取扱店の調べ方

PPモブラーは公式サイトで製品情報を公開している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

注文の際に決める項目は、樹種(4種)、仕上げ、座面の張り地である。仕上げは樹種によって選べる組み合わせが異なる。

実物を確認する

継ぎ手は笠木の上面に現れる。樹種によって木目の見え方が異なるため、実物で確かめられるとよい。

仕上げは手触りが異なる。石鹸の仕上げとオイルの仕上げでは、質感と手入れの条件が変わる。

中古の流通

1950年以降の個体が流通している。当時のヨハネス・ハンセンによるものと、現在のPPモブラーによるものが流通する。相場は年式、樹種、状態で幅があり、一定していない。

確認箇所は、継ぎ手の緩みと隙間、木部の割れと色の変化、座面の張り地の傷み、脚の接合部である。座面は張り替えられるため、傷んでいても補える。

購入前チェックリスト

  • 樹種の選択(オーク/アッシュ/チェリー/ウォールナット)
  • 仕上げ(樹種により選べる組み合わせが異なる)
  • 座面の張り地(布/革)
  • 設置場所の寸法(幅630×奥行520×高さ760mm)
  • テーブルに寄せる場合、天板の下端と肘掛けの干渉
  • 張った座面は通気がないこと
  • 仕上げに応じた手入れを継続できるか
  • 中古の場合、継ぎ手の緩みと隙間

よくある質問

価格はどのくらいですか?
PPモブラーは公式サイトで価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。樹種、仕上げ、張り地で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
PPモブラーの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
笠木の継ぎ目は目立ちますか?
笠木から肘掛けまでが1本の曲線として連続し、3つの部材を2箇所の指状の継ぎ手でつなぎます。継ぎ手は笠木の上面に現れ、木目の向きが変わる箇所として見えます。隠す仕上げではありません。
樹種はどれを選べばよいですか?
オーク、アッシュ、チェリー、ウォールナットから選べます。日光での変化が異なり、オークとアッシュは黄みを帯び、チェリーは赤みが濃くなり、ウォールナットは色が明るくなります。仕上げとの組み合わせも樹種によって異なります。
座面は張り替えられますか?
張り替えられます。要する生地は650×550mmです。木部の補修とあわせて取扱店を通じてご相談ください。
座り心地はどうですか?
座面は布または革を張り、詰め物を持つため編んだ座面より沈みます。ただし通気はありません。座面高440mm、肘掛けの高さ700mmで、その差260mmが腕を置いたときの高さになります。
テーブルの下に収まりますか?
肘掛けがあるため、天板の下端に肘掛けが当たらないかをご確認ください。幅630×奥行520mm、肘掛けの高さは700mmです。
手入れはどうすればよいですか?
仕上げに応じた手入れが必要です。石鹸の仕上げは水気に弱く定期的に専用の石鹸で拭き、オイルの仕上げは定期的な塗り直しが要ります。塗装の仕上げは塗膜が水分を防ぎます。購入時に方法をご確認ください。継ぎ手の緩みも定期的にお確かめください。