このページについて
ファネットチェアは、イルマリ・タピオヴァーラが1949年に設計した椅子である。木のフレームに成形合板の座面を組み合わせる。背もたれは細い部材を並べる。現行生産されておらず、入手は中古が中心となる。
このページでは、現行生産の状況と中古で選ぶ際の確認点、製造元による差、寸法、手入れを扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
イルマリ・タピオヴァーラの設計思想や経歴について詳しくはイルマリ・タピオヴァーラ プロフィールページをご覧ください。
ファネットチェアのデザインストーリーについて詳しくはファネットチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
ファネットチェアは現在、新品としての正規生産が行われておらず、エドスビーヴェルケン社製またはアスコ社製のヴィンテージ品がオリジナルの正規品にあたる。アルテックではArtek 2nd Cycleプログラムを通じてヴィンテージのファネットチェアを取り扱っている。以下に、オリジナル品の基本仕様をまとめる。
| 正式名称(日本語) | ファネットチェア |
|---|---|
| 製造ブランド | エドスビーヴェルケン(スウェーデン)とアスコ(フィンランド)が製造した |
| 製造国 | スウェーデン、フィンランド |
| 現在の取り扱い | 現行生産されていない。入手は中古が中心となる |
| 主要素材(座面) | チークの成形合板による |
| 主要素材(フレーム) | 木による。バーチやブナが用いられる。黒の塗装の仕上げが多い |
| サイズ | 幅450 × 奥行420 × 高さ780mm |
| 座面高 | 420mm |
| カラーバリエーション | 個体によって異なる。黒い塗装のフレームとチークの座面の組み合わせが多い |
| 価格 | 相場は製造元、年式、状態で幅があり、一定していない |
| 収蔵 | 本製品の収蔵は当サイトの照合対象4館では確認できていない。同じ設計者の他の作品では、V&A がポーラー(CIRC.12 to G-1968)を収蔵している |
| スタッキング | できない |
| 背もたれスポーク数 | 6本 |
現行生産の状況
本製品は現行生産されていない。新品での購入はできず、入手は中古が中心となる。
製造はスウェーデンのエドスビーヴェルケンとフィンランドのアスコによる。製造元と年式によって、細部の仕様が異なる場合がある。
権利者のライセンスを受けていない同型の製品も流通している。中古で選ぶ場合、製造元を示す表示の有無を確かめる。
中古で選ぶ際の確認点
- 製造元の表示
- 座面の裏や脚に、製造元を示す表示が入る個体がある。剥がれている場合もあるため、他の要素とあわせて判断する。
- 背もたれの構成
- 背もたれは細い部材を6本並べる。本数と間隔は識別の手がかりになる。
- 座面の状態
- チークの成形合板による。表層が薄いため、深い傷では下地が出る。剥がれの有無を確かめる。
- 接合部
- 1949年以降の個体にあたる。接合部の緩みと、補修の跡を確かめる。
類似商品・競合との比較
木の椅子は、座面の構成と現行生産の有無で選択の条件が変わる。
| 比較項目 | ファネットチェア | マドモアゼル ラウンジチェア | CH24 ウィッシュボーンチェア |
|---|---|---|---|
| 座面 | チークの成形合板 | 無垢材 | ペーパーコードを編む |
| 背もたれ | 細い部材を6本並べる | 無垢材 | 曲げた木 |
| 現行生産 | されていない | されている | されている |
| 座面高 | 420mm | 410mm | 製品による |
| 重ねられるか | できない | できない | できない |
選び分けの目安
- 新品で購入したい場合
- この製品は現行生産されていない。同じ設計者の作品では、現行生産される製品もある。
- 座面の硬さを避けたい場合
- 成形合板の座面は曲げた形をとり、身体に沿う面をつくる。無垢材の平らな座面とは感触が異なる。
- 状態を選びたい場合
- 中古のため個体ごとに状態が異なる。座面の剥がれと接合部の緩みを確かめる。
使用感と設置条件
寸法と座り方
幅450×奥行420×高さ780mm、座面高420mm。座面高420mmは一般的な食卓の椅子の範囲にあたる。
幅450mmは細身の部類にあたる。同じ長さのテーブルに、より多くの台数を並べられる。
座面は成形合板で、曲げた形をとる。詰め物を持たないため、硬さがそのまま伝わる。
背もたれ
細い部材を6本並べる。部材の間に隙間があるため、背中が触れる面に通気がある。
細い部材のため、強く寄りかかると力が集中する。接合部の状態を確かめる。
脚裏の保護材
中古の個体では、脚裏の保護材が失われている場合がある。床材に応じて用意する。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
チークは日光で色が濃くなる。成形合板は表層が薄いため、深い傷では下地が出る。剥がれた箇所からは層が見える。
フレームの塗装は擦れると下地が現れる。1949年以降の個体にあたるため、塗り直された個体もある。
木は湿度の変化で伸縮する。細い部材を用いる構成のため、接合部に負担がかかる。
日常の手入れ
- ふだん
- 乾いた柔らかい布で拭く。水分を残さない。
- 背もたれ
- 部材の間の埃は柔らかい刷毛で払う。
- 接合部
- 緩みを定期的に確かめる。細い部材のため、緩んだまま使うと負担が集中する。
- 置き場所
- 直射日光、暖房の風、床暖房を避ける。急な乾燥は木部の割れを招く。
補修
現行生産されていないため、部品の入手は難しい。補修は専門の工房による。
座面の成形合板が剥がれた場合、同じ材での補修が難しい場合がある。費用も含めて判断することになる。
どこで買うか
入手の方法
現行生産されていないため、中古での入手が中心となる。国内外の中古を扱う店舗と、競売による取引がある。
相場は製造元、年式、状態で幅があり、一定していない。
実物を確認する
個体ごとに状態が異なる。座面の剥がれと接合部の緩みは、写真では判断しにくい。
塗り直された個体もある。当初の仕上げかどうかを確かめる。
確認箇所
製造元を示す表示の有無、背もたれの部材の本数と間隔、座面の剥がれと傷、フレームの塗装の状態、接合部の緩みと補修の跡、脚裏の保護材の有無である。
補修を前提とする場合、対応できる工房を先に確かめる。現行生産されていないため、部品の入手が難しい。
購入前チェックリスト
- 現行生産されていないこと(中古での入手)
- 製造元を示す表示の有無
- 背もたれの部材の本数と間隔
- 座面の成形合板の剥がれと傷
- 接合部の緩みと補修の跡
- 脚裏の保護材の有無
- 座面高420mm、幅450mm
- 補修に対応できる工房
よくある質問
- 新品で購入できますか?
- 現行生産されていないため、新品での購入はできません。入手は中古が中心となります。
- 価格はどのくらいですか?
- 相場は製造元、年式、状態で幅があり、一定していません。
- 中古で選ぶ際は何を確認すればよいですか?
- 製造元を示す表示の有無、背もたれの部材の本数と間隔、座面の剥がれと傷、フレームの塗装の状態、接合部の緩みと補修の跡、脚裏の保護材の有無をご確認ください。座面の剥がれと接合部の緩みは写真では判断しにくくなります。
- どこで製造されたものですか?
- スウェーデンのエドスビーヴェルケンとフィンランドのアスコが製造しました。製造元と年式によって細部の仕様が異なる場合があります。
- 背もたれはどんな構造ですか?
- 細い部材を6本並べます。部材の間に隙間があるため背中が触れる面に通気があります。ただし細い部材のため強く寄りかかると力が集中します。接合部の状態をお確かめください。
- 座り心地はどうですか?
- 座面はチークの成形合板で曲げた形をとり、身体に沿う面をつくります。ただし詰め物を持たないため硬さがそのまま伝わります。座面高420mmは一般的な食卓の椅子の範囲にあたり、幅450mmは細身の部類です。
- 修理できますか?
- 現行生産されていないため部品の入手は難しく、補修は専門の工房によります。座面の成形合板が剥がれた場合、同じ材での補修が難しい場合があります。費用も含めてご判断ください。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 乾いた柔らかい布で拭き、水分を残さないでください。背もたれの部材の間の埃は柔らかい刷毛で払います。接合部の緩みも定期的にお確かめください。細い部材のため、緩んだまま使うと負担が集中します。