このページについて

イームズ アルミナムグループ チェアは、チャールズ&レイ・イームズが1958年に設計した椅子である。アルミニウムの枠に座面の材を張り渡す。詰め物を持たず、張った材の撓みが座り心地を決める。ハーマンミラーとヴィトラの2社が製造する。

このページでは、張り渡す構成がもたらす条件、モデルと寸法の選択、正規品の識別、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

イームズ アルミナムグループは、用途や環境に応じた複数のモデルで構成される。以下に代表的なモデルの仕様を示す。なお、日本国内においてはハーマンミラー社製が正規品として流通している。

正式名称(日本語) イームズ アルミナムグループ チェア
製造ブランド ハーマンミラーとヴィトラの2社が製造する
製造国 製造元によって異なる
主要素材 枠は鋳造したアルミニウム。座面と背もたれは革、布、網から選ぶ
フレーム仕上げ 研磨、めっき、粉体塗装から選ぶ
サイズ(マネジメントチェア) 幅584 × 奥行559 × 高さ838〜940mm。座面高約394〜495mm
サイズ(エグゼクティブチェア) 幅584 × 奥行559 × 高さ1,067〜1,143mm。座面高約394〜495mm
サイズ(サイドチェア) 幅584 × 奥行559 × 高さ838mm。座面高約464mm
重量 約8kg(肘掛けのある仕様)。モデルによって異なる
カラーバリエーション 素材ごとに複数の色から選ぶ
価格 ハーマンミラーは公式サイトで価格を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。モデル、素材、仕上げで価格が変わる
収蔵 Met アルミナムグループ ラウンジチェア(1958年) 収蔵番号 1992.216.3
保証 製造元によって期間が異なる。取扱店に確認する
耐荷重 約136kg
スタッキング 不可
付属品・オプション デュアルパーパスキャスター(硬床・カーペット両対応)標準装備、グライズ(固定脚)選択可、ガス圧シリンダーリフト(モデルにより選択可)
美術館収蔵 メトロポリタン美術館(収蔵番号1992.216.3、1992.216.4)、インディアナポリス美術館(ミラー邸のオリジナル)

正規品とライセンスを受けていない製品の違い

権利者のライセンスを受けていない同型の製品が広く流通している。公表されている情報から確認できる差を整理する。仕様が公表されていない項目は「公表なし」と記し、推測では埋めていない。

製造の許諾と識別

ハーマンミラーとヴィトラは権利者からライセンスを受けて製造している。正規品には製造元を示す表示が入る。座面の裏や台の部分で確認できる。

公表されている仕様

両社は、枠が鋳造したアルミニウムであること、座面と背もたれの素材、選べる仕上げ、寸法、重量、耐荷重、保証の期間を公表している。

ライセンスを受けていない製品では、これらの仕様が公表されていない場合が多い。枠と座面の材の接合部、張り渡した材の縁の処理は外から確認できる箇所にあたる。

比較項目 正規品(ハーマンミラー/ヴィトラ) ライセンスを受けていない製品
鋳造したアルミニウム(公表) 公表なし
耐荷重 約136kg(公表) 公表なし
表示 製造元を示す表示が入る なし
保証 製造元によって異なる 対象外
部品の供給 取扱店を通じて相談できる 該当しない

張り渡す構成

アルミニウムの枠に、座面と背もたれの材を張り渡す。詰め物を持たない。

張った材が身体の荷重で撓む。この撓みが座り心地を決める構成にあたる。詰め物のある椅子とは沈み方が異なる。

材は繰り返しの荷重で伸びる。伸びると撓みが深くなり、座ったときの位置が下がる。

座面と背もたれが一続きの面になる。境目に部材がないため、身体を預ける位置が固定されない。

選び分けの目安

座り心地で選ぶ場合
張った材の撓みによる。詰め物のある椅子とは沈み方が異なるため、実物で確かめられるとよい。
通気を求める場合
網の材では、編み目の隙間から空気が抜ける。革と布では通気がない。
長く使う前提の場合
材は繰り返しの荷重で伸びる。交換の可否を取扱店に確認する。

3つのモデル

背の高さの異なる3つのモデルがある。幅584mm、奥行559mmは共通する。

モデル 高さ 座面高
背の低い仕様 838〜940mm 約394〜495mm(変えられる)
背の高い仕様 1,067〜1,143mm 約394〜495mm(変えられる)
脚の固定された仕様 838mm 約464mm(固定)

選び分けの目安

机で使う場合
座面高を変えられる仕様は、机の高さに合わせられる。
食卓で使う場合
脚の固定された仕様は座面高約464mmで、一般的な食卓の椅子より高い。
頭まで支えたい場合
背の高い仕様は高さ1,067mm以上。背の低い仕様との差は200mm以上ある。

類似商品・競合との比較

執務にも用いられる椅子は、座面の支持と高さの調整で扱いが変わる。

比較項目 アルミナムグループ サーリネン エグゼクティブ アームチェア(モデル71) プラットナー アームチェア
座面の支持 枠に張り渡す 樹脂の外殻とクッション クッションを載せる
詰め物 持たない 持つ 持つ
座面高 約394〜495mm(変えられる仕様がある) 約457mm(回転する台座では可変) 483mm
通気 網の材では抜ける ない ない
重量 約8kg 製品による 約9.5kg

選び分けの目安

通気を求める場合
網の材を選べる。詰め物のある椅子では通気がない。
高さを変えたい場合
座面高を変えられる仕様がある。脚の固定された仕様では変えられない。
座り心地で選ぶ場合
詰め物を持たず、張った材の撓みによる。実物で確かめられるとよい。

使用感と設置条件

座面と背もたれの素材

革、布、網から選ぶ。網の材では編み目の隙間から空気が抜ける。革と布では通気がない。

いずれも張り渡す構成にあたる。素材によって撓み方が異なる。

枠の仕上げ

研磨、めっき、粉体塗装から選ぶ。研磨とめっきの仕上げでは、細かい傷が目立つ。粉体塗装は擦れると下地が現れる。

枠は身体が直接触れる箇所を含む。金属のため、触れると冷たさを感じる。

床との接し方

脚の形状はモデルによって異なる。床に接する部品の種別を確認する。

転がる部品を選んだ場合、床材によっては傷が付く。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

張り渡した材は繰り返しの荷重で伸びる。伸びると撓みが深くなり、座ったときの位置が下がる。

革は使用と日光によって色が濃くなる。乾燥するとひび割れる。布は日光で色が褪せる。

研磨とめっきの仕上げは細かい傷が付く。粉体塗装は擦れると下地が現れる。

枠と材の接合部には力がかかる。状態を定期的に確かめる。

日常の手入れ

革の材
乾いた布で埃を払う。年に数回、革用のクリームで油分を補う。
布と網の材
掃除機のブラシ付きノズルで埃を吸う。網の材は編み目に埃が溜まる。
乾いた柔らかい布で拭く。研磨剤は仕上げを損なう。
接合部
枠と材が接する箇所の状態を確かめる。

部品の交換

張り渡した材が伸びた場合、交換の可否を取扱店に確認する。床に接する部品についても、あわせて相談する。

どこで買うか

取扱店の調べ方

ハーマンミラーとヴィトラはそれぞれ公式サイトで製品情報を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

注文の際に決める項目は、モデル、座面と背もたれの素材、枠の仕上げ、床に接する部品の種別である。保証は製造元によって期間が異なるため、あわせて確認する。

実物を確認する

張った材の撓みによる座り心地は、詰め物のある椅子とは異なる。実物で確かめられるとよい。

座面高を変えられる仕様では、合わせる机や食卓との関係も確認する。

中古の流通

相場はモデル、素材、状態で幅があり、一定していない。

確認箇所は、製造元を示す表示、張り渡した材の伸びと傷み、枠の仕上げの状態、高さを変える機構の動き、床に接する部品の有無である。材が伸びていると、座ったときの位置が下がる。

購入前チェックリスト

  • モデル(背の高さと座面高の調整の可否)
  • 座面と背もたれの素材(革/布/網。通気が変わる)
  • 枠の仕上げ
  • 詰め物を持たないこと(張った材の撓みによる)
  • 床に接する部品の種別
  • 保証(製造元によって期間が異なる)
  • 材が伸びた場合の交換の可否
  • 中古の場合、製造元を示す表示と材の伸び

よくある質問

価格はどのくらいですか?
ハーマンミラーは公式サイトで価格を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なり、モデル、素材、仕上げで価格が変わります。
どこで購入できますか?
ハーマンミラーとヴィトラがそれぞれ公式サイトで製品情報を公開しています。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
座り心地はどうですか?
アルミニウムの枠に座面と背もたれの材を張り渡す構成で、詰め物を持ちません。張った材が身体の荷重で撓み、この撓みが座り心地を決めます。詰め物のある椅子とは沈み方が異なるため、実物でお確かめください。
収蔵されている美術館はありますか?
メトロポリタン美術館が収蔵しています(Aluminum Group Lounge Chair、1958年、収蔵番号1992.216.3)。
どのモデルを選べばよいですか?
背の低い仕様(高さ838〜940mm)、背の高い仕様(1,067〜1,143mm)、脚の固定された仕様(838mm)の3種です。前2者は座面高を約394〜495mmの範囲で変えられ、脚の固定された仕様は約464mmで固定されます。幅584mm、奥行559mmは共通します。
通気はありますか?
網の材を選んだ場合、編み目の隙間から空気が抜けます。革と布では通気がありません。
正規品かどうかはどう見分けますか?
正規品には製造元を示す表示が入り、座面の裏や台の部分で確認できます。ハーマンミラーとヴィトラは権利者からライセンスを受けて製造しています。
座面が下がってきたらどうすればよいですか?
張り渡した材は繰り返しの荷重で伸び、伸びると撓みが深くなって座ったときの位置が下がります。交換の可否を取扱店にご確認ください。