概要
エグゼクティブ アームチェアは、エーロ・サーリネンがノルのために設計した「70シリーズ」の一脚である。1948年にアームのないモデル72が、1950年にアーム付きのモデル71が発表された。背もたれとアームレストが一体のシェルをなす。厚いクッションを重ねるのではなく、シェルの曲面そのもので身体を受ける。
現在はスチールレッグ、ウッドレッグ、スイベルベースなど複数の仕様で展開されている。
特徴・デザインコンセプト
シェルによる座り心地
クッションを厚くすれば柔らかくなるが、体が沈んで姿勢が定まらない。シェルをあらかじめ身体の曲線に沿わせておけば、薄いクッションでも面全体で荷重を受けられる。シェルは当初プラスチック樹脂、のちに成型グラスファイバー、現在は強化ポリウレタンによる。座面には身体の曲線に合わせて成形した合板を用いる。
背もたれの開口部
背もたれの上部には開口部が設けられる。椅子を移動させるとき、背の上端をつかむと手が滑りやすいが、穴があれば指をかけられる。面が抜けることで、背後からの見え方も軽くなる。
ウームチェアからの展開
70シリーズは、ウームチェアで用いた成型シェルの技術を基盤としている。あちらは身体を包み込む大きなシェルだが、70シリーズは執務用の寸法に縮めている。同じサーリネンのチューリップチェアは、脚を一本にまとめる方向へ進んだ。
評価と影響
背もたれとアームレストを一体のシェルとする構成のため、脚だけを替えれば用途を変えられる。スチールレッグ、ウッドレッグ、スイベルベースという展開はこの構成から導かれている。
4館の公開データでは、エグゼクティブ アームチェアの収蔵は確認できていない。
バリエーション
現行の製品ラインナップにおいて、サーリネン エグゼクティブチェアは以下のバリエーションが展開されている。
- アームチェア(チューブラーレッグ)
- クラシックな仕様。継ぎ目のないスチールパイプの脚で、仕上げはポリッシュクローム、ゴールド、ブラックから選べる。ダイニングやコンファレンスに適する。
- アームチェア(ウッドレッグ)
- 蒸気で曲げた無垢材の脚部により、温かみのある表情を添える。ライトオーク、ライトウォルナット、エボナイズドウォルナットから選べる。
- アームチェア(スイベルベース)
- 360度の回転、チルト、ガス圧による高さ調整を備えた回転台座。脚は4本と5本の2種で、ポリッシュアルミニウムまたはブラックの粉体塗装。キャスターかグライドを選ぶ。オフィスのタスクチェアやコンファレンスチェアに適した仕様。
- アームレスチェア(モデル72系)
- アームのないコンパクトなシルエットで、テーブル周りでの配置の自由度が高い。チューブラーレッグ、ウッドレッグ、スイベルベースの各バリエーションが存在する。
- プラスチックバック仕様
- 背面シェルをアップホルスタリーで覆わず、成型樹脂のまま仕上げた軽快な仕様。
エーロ・サーリネンの設計思想や経歴について詳しくはエーロ・サーリネンプロフィールページをご覧ください。
ノルの歴史や他の製品について詳しくはノルブランドページをご覧ください。
基本情報
| 商品名(日本語) | サーリネン エグゼクティブ アームチェア(モデル71) |
|---|---|
| 商品名(英語) | Saarinen Executive Arm Chair (Model 71) |
| デザイナー | エーロ・サーリネン(Eero Saarinen, 1910–1961 / フィンランド出身・アメリカで活動) |
| デザイン年 | 1950年 |
| 製造ブランド | Knoll(ノル)/ MillerKnoll |
| 素材 | 成型強化ポリウレタンシェル、成形合板の座 |
| 脚部 | シームレスチューブラースチール(ポリッシュクローム / ゴールド / ブラック)、蒸気曲げの無垢材(ライトオーク / ライトウォルナット / エボナイズドウォルナット)、またはスイベルベース(4本脚・5本脚) |
| 張地 | ファブリック、スエード、またはレザー(Knollテキスタイルおよびスピニーベック・レザーより選択可能) |
| サイズ(チューブラーレッグ) | W660mm × D629mm × H800mm(座面高:約457mm / アーム高:約635mm) |
| 重量 | 約8.2kg(ウッドレッグ) / 約8.6kg(スチールレッグ) |
| 認証 | Intertek Clean Air認証(低放散製品) |
| 組み立て | 完成品出荷(組み立て不要) |