概要

マレンコは、マリオ・マレンコが1970年にアルフレックスのために設計したソファである。座・背・肘のクッションがそれぞれ独立して詰め物とカバーを持ち、各クッションに付いた支持フレームをベースへ差し込んで組み上げる。丸みの大きな塊が並ぶ外観は、この組み立て方から生まれている。

特徴・コンセプト

クッションを差し込む

従来のソファは、木枠にばねと詰め物を組み付け、その上から全体を張り包む。マレンコはこれを分解し、座・背・肘のクッションを個別に仕上げたうえで、それぞれに付けた金属の支持フレームをベースへ落とし込む方式をとった。

この構造の利点は二つある。ひとつは、クッションを厚く柔らかくしても形が崩れないこと。支持フレームが輪郭を保つため、詰め物の硬さに頼らずに済む。もうひとつは、カバーをクッションごとに扱えることで、レザー仕様を除いて全面の取り外しができる。

素材と構成

ベースは金属とポプラ合板・バーチ合板の組み合わせで、背もたれには弾性ベルトが用いられる。詰め物は異密度の成形ポリウレタンとポリエステルファイバー。脚は黒ラッカー塗装の金属で、黒いナイロンのグライドが付く。

2人掛けから3人掛けまでの寸法違いに加え、コーナー用のユニット、アームチェア、プフが用意される。組み合わせによって直線にもL字にも構成できる。

エピソード

1969年にリンビアーテの新工場が稼働し、アルフレックスは生産能力を大きく広げた時期にあたる。翌1971年にはチニ・ボエリのセルペントーネが発表されており、フレームを省く方向と、フレームを内側に隠して形を保つ方向という、対照的な二つの解が同じ時期に並んでいる。同社では、1952年のフィオレンツァが木の構造を見せる方向をとっていた。

評価と影響

発表から半世紀を経てアルフレックスのカタログに残っている。2018年には現代の生産手法を用いた仕様に改められ、2020年には発表50年に合わせて屋外用の仕様が加えられた。クッションを個別に仕上げて骨組みへ落とし込むという構成は、後年のモジュラーソファにも引き継がれている。

基本情報

名称 マレンコ / Marenco
デザイナー マリオ・マレンコ(Mario Marenco)
ブランド アルフレックス(arflex)
発表年 1970年
デザインの成立国 イタリア
分類 ソファ(モジュール式)
構造 クッションごとの支持フレームをベースへ差し込む
主要素材 ベース:金属+ポプラ合板・バーチ合板/詰め物:異密度の成形ポリウレタン、ポリエステルファイバー/脚:黒ラッカー塗装の金属
ばね機構 背もたれに弾性ベルト
カバー 全面取り外し可(レザー仕様を除く)
構成 ソファ、コーナーユニット、アームチェア、プフ。屋外仕様あり(2020年)

Reference