概要

ビート ライトは、英国のデザイナー、トム・ディクソンが手がけた照明コレクションである。2004年にジャイプールで行われた職人支援の取り組みから生まれたコレクションで、インドの伝統的な水差しや調理器具からインスピレーションを得た彫刻的なフォルムを特徴とする。

ビート ライトは、北インド・モラダバードの熟練職人によって一つひとつ手作業で製作される。真鍮を手で回転させながら叩き出し、溶接し、仕上げる製法により、それぞれの照明器具に職人の手の痕跡が刻まれ、一点ごとに異なる表情が生まれる。

特徴・コンセプト

伝統工芸の再解釈

水差しや調理器具の製作に用いられる真鍮加工の技法を、照明のシェードに転用している。どちらも中空の容器をつくる工程のため、既存の設備と技能をそのまま使える。

真鍮を回転させながら成形し、溶接して叩き出し、旋盤で仕上げる。叩き出しの痕は消さずに残される。

光の質感

内側には真鍮の地肌が残る。平滑な面なら光は一方向へ揃って反射するが、叩き出しの凹凸があれば各面が異なる角度を向き、反射が分散する。外側は塗装で仕上げられ、内側の金色との差が生じる。

凹凸の位置は一点ごとに異なるため、光の分布も個体ごとに変わる。光源にはLEDを用い、調光に対応する。

多様な形状バリエーション

4つの形状が用意される。同じ製法で断面の比率だけを変えるため、型を作り替えずに展開できる。ペンダントのほか、テーブルランプ、フロアランプ、ウォールライトもある。

エピソード

成立の経緯

2004年、ジャイプールで行われた職人支援の取り組みから生まれた。製作は北インド・モラダバードの職人が担う。器物の製作に用いられてきた技法を照明へ転用することで、既存の技能が別の製品に適用されている。

評価と影響

同じトム・ディクソンによるコッパー シェイドは樹脂に金属を蒸着し、ヴォイド ペンダントは金属板を成形して磨く。ビート ライトは金属を叩き出すという第三の方法で、いずれも反射面の性質が光の見え方を決めている。

4館の公開データでは、ビート ライトの収蔵は確認できていない。

基本情報

デザイナー トム・ディクソン
ブランド トム・ディクソン
発表年 2004年
製造地 インド(モラダバード)
素材 手で叩き出された真鍮、ファブリックケーブル
仕上げ マットブラック/ブラス、グロスホワイト/ブラス、ブラッシュドブラス、グレー/シルバーメッキ
形状バリエーション ワイド、トール、ファット、スタウト
照明タイプ ペンダントライト、テーブルランプ、フロアランプ、ウォールライト
光源 LEDモジュール(調光機能付き、交換可能)