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このページについて

トムバックチェアは、ロン・アラッドが設計しヴィトラが製造した椅子である。波状のリブを持つポリプロピレンのシェルを、スチールパイプの脚が支える。5脚まで重ねられる。ヴィトラの公式サイトに現在掲載されているのは1/6スケールのミニチュアのみで、実物の椅子の製品ページはない。

このページでは、仕様と脚の仕上げ、同じ樹脂製の椅子との比較、設置の条件、手入れ、中古で入手する際の確認箇所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

最初の型は、1997年のミラノ・サローネで『Domus』誌の依頼により設置された、70脚の椅子を積み上げた彫刻「Totem」の一部としてアルミニウムの真空成形で作られた。ヴィトラはアラッドと量産版を開発し、シェルをポリプロピレンに替えた。

正式名称 Tom Vac
シェル 波状のリブを持つ原着ポリプロピレン。紫外線による退色を遅らせる添加剤を含む
脚部 スチールパイプ。クロームめっき、または粉体塗装(シルバー、RAL 9006)
グライド カーペット用の樹脂製、硬い床用のフェルト製
スタッキング 床から5脚まで
屋外使用 屋外に向くのは粉体塗装の脚の仕様。ヴィトラは日差しの当たる時間を抑えるよう勧めている
現在の扱い ヴィトラ公式サイトに実物の椅子の製品ページはなく、ミニチュアのみ掲載(2026年10月時点)

波状リブの役割

座面と背もたれ全体に入った波状のリブは、薄いポリプロピレンのシェルを撓みにくくする。平らな板は面に垂直な力で撓むが、波形にすると山と谷の高低差が断面の高さになり、同じ厚みの材でも曲がりにくくなる。

類似商品・競合との比較

樹脂の椅子でも、シェルと脚を分けるか、脚まで一体に成形するかで構成が分かれる。

比較項目 トムバック パントンチェア ルイゴースト
構成 樹脂のシェル+金属の脚 樹脂の一体成形(脚もシェルの一部) 樹脂の一体成形(脚もシェルの一部)
シェルの形状 波状のリブが表面に現れる 平滑な曲面 平滑な面(透明)
入手 中古のみ 現行品 現行品

選び分けの目安

新品で購入したい場合
トムバックは中古での入手になる。新品を求める場合は他の二者が該当する。重ねられる椅子ではスタッキングチェア 40/4やヒー・チェアも選択肢になる。
屋外に置く場合
トムバックで屋外に向くのは粉体塗装の脚の仕様である。屋外向けの椅子ではリ・トゥルーヴェもある。

使用感と設置条件

座り方

シェルに詰め物はないが、ポリプロピレンが荷重で撓むため、硬い板に座る感触にはならない。リブは表面の凹凸として身体に触れる。肘掛けはシェルの縁が兼ねる。

重ねて片付ける

重ねる際にシェル同士が擦れる。中古の個体では、この擦れによる細かい傷が背面に残っていることがある。砂や埃を拭いてから重ねる。

屋外で使う

シェルの添加剤は退色を遅らせるが、長く日に当てれば色は変わる。脚はクロームめっきの仕様が屋外向けではなく、屋外には粉体塗装の仕様を選ぶ。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

ポリプロピレンは日光で徐々に退色する。脚のクロームめっきは湿気の多い環境で点錆が出やすく、粉体塗装は擦れると下地が出る。

日常の手入れ

シェル
水拭きできる。リブの谷に汚れが溜まるため、布を押し当てて拭き取る。研磨剤入りのものは表面を傷めるため用いない。
脚
めっき面は水気を残さないよう乾いた布で拭く。

どこで買うか

中古での入手

ヴィトラ公式サイトで販売されているのはミニチュアのみで、実物の入手は中古市場に限られる(2026年10月時点)。

状態の確認

確認箇所は、シェルの割れとひび(とくにリブの谷と脚の取り付け部)、重ねた際の擦り傷、退色の程度、脚の仕上げと点錆、シェルと脚の接合部の緩みである。複数脚を揃える場合は、色味の差も確かめる。

購入前チェックリスト

  • シェルの割れとひび(リブの谷、脚の取り付け部)
  • 退色の程度(屋外で使われた個体では進んでいる)
  • 脚の仕上げ(クロームめっき/粉体塗装。屋外なら後者)
  • 脚の点錆と、シェルと脚の接合部の緩み
  • 複数脚を揃える場合の色味の差
  • グライドの有無と床材との相性(樹脂はカーペット用、フェルトは硬い床用)

よくある質問

現在も購入できますか?
ヴィトラの公式サイトに掲載されているのは1/6スケールのミニチュアのみで、実物の椅子の製品ページはありません(2026年10月時点)。実物の入手は中古市場に限られます。
何脚まで重ねられますか?
ヴィトラの製品資料では、床から5脚までです。重ねるとシェル同士が擦れるため、砂や埃を拭いてから重ねてください。
屋外で使えますか?
ヴィトラの製品資料で屋外に向くとされているのは、脚が粉体塗装の仕様です。シェルには退色を遅らせる添加剤が入っていますが、長く日に当てると色が変わるため、日差しの当たる時間を抑えるよう勧められています。
脚の仕上げにはどんな種類がありますか?
ヴィトラの製品資料では、クロームめっきと粉体塗装(シルバー、RAL 9006)の2種類です。屋外で使うなら粉体塗装の仕様を選びます。
座り心地はどうですか?
シェルに詰め物はありませんが、ポリプロピレンが荷重で撓むため、硬い板に座る感触にはなりません。リブが表面の凹凸として身体に触れます。肘掛けはシェルの縁が兼ねます。
手入れはどうすればよいですか?
シェルは水拭きでき、リブの谷に溜まった汚れは布を押し当てて拭き取ります。研磨剤入りのものは使わないでください。脚のめっき面は水気を残さないよう乾いた布で拭きます。
中古で買うときはどこを確認すればよいですか?
シェルの割れとひび、重ねた際の擦り傷、退色の程度、脚の点錆、シェルと脚の接合部の緩みを確認してください。複数脚を揃える場合は色味の差も確かめます。