概要

フローレンス・ノル エグゼクティブデスク(Model 2485)は、フローレンス・ノルが1961年に設計したデスクである。クロームめっきの四つ星ベースに、薄い天板を組み合わせる。2014年にノルが復刻した。

脚を四隅に立てれば天板の下に4本が並ぶが、中央の柱から4方向へ広がるベースなら床に接する点が中心寄りに集まる。天板の端に座る人の足が脚と干渉しない。

特徴とコンセプト

従来の執務用デスクは、正面に人を迎える配置を前提とし、大きな引き出しを備えていた。この構成では机が壁のように働く。引き出しを最小限に絞れば、天板の下が空いて向かい合う相手との距離が縮まる。

天板は183cm×96cmで、複数人が囲める寸法をとる。引き出しは薄い2杯のみで、天板の厚みに収まる。深い引き出しを設ければ天板の下に体積が生じるが、浅ければ輪郭が板として保たれる。

天板にはオークやウォルナットなどの突板仕上げが用意される。ベースのクロームめっきは光沢とつや消しから選べる。

デザインエピソード

ノルは室内の構成を担う立場から、市場にない品目を自ら設計するという進め方をとった。同じフローレンス・ノル ソファフローレンス・ノル ダイニングテーブルも同じ経緯による。

ベースの脚は先端に向かって細くなる。テーパーの角度は32分の1インチ単位で検討されたとされる。直線的な構成では、断面の変化がわずかでも輪郭の印象が変わる。

引き出しが浅く天板の下が空くため、ダイニングテーブルとしても用いられる。

評価と影響

中央から放射するベースで床の接地点を中心へ集める扱いは、同じノルのチューリップチェアにも見られる。あちらは一本脚で接地点が一箇所になるのに対し、こちらは四方に分かれる。天板が大きいため、荷重を分散する必要がある。

執務用デスクとしては、高さを二種類に分けるアクションオフィス デスクや脚を共通部材とするスワッグレッグデスクと同時期にあたる。本デスクの美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。

基本情報

デザイナー フローレンス・ノル(Florence Knoll)
ブランド Knoll(ノル)
デザイン年 1961年(Model 2485として1954年に初期デザイン)
復刻年 2014年
サイズ W183cm × D96cm × H74cm
ベースサイズ W108cm × D70cm
天板厚 6.4cm
素材 天板:MDFコア、ベニア仕上げ / ベース:スチール、クロムメッキ
仕上げ ローズウッド、ウォルナット、オーク、マホガニー、ティーク
機能 ペンシルドロワー2個(ボールベアリング式スライド)