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ボールクロックは、ジョージ・ネルソン・アソシエイツが1949年に設計しヴィトラが製造する壁掛け時計である。中心から12本の棒が放射し、その先端に木の球を付ける。文字盤の面を持たず、棒の間から壁が見える。

このページでは、正規品の仕様と識別、色の選択が読み取りに及ぼす影響、設置と手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

ボールクロックは、1999年よりスイスのヴィトラ社(Vitra)がジョージ・ネルソンの遺族(エステート)との正規ライセンス契約のもとで復刻・製造を行っている。オリジナルに忠実な品質とデザインを維持しつつ、現代の住環境に適合する高精度クオーツムーブメントを搭載した正規復刻品である。

正式名称 ボールクロック / Ball Clock
初期製造元 ハワード・ミラー・クロック・カンパニー(1949年〜1980年代中頃)
現在の製造元 ヴィトラ(1999年〜)
製造国 ポーランド。ムーブメントはドイツ製
主要素材 球は木の無垢材で、塗装または透明の仕上げによる。棒は真鍮または鋼。中心部と針は金属
サイズ 直径333 × 奥行65mm
重量 約600g
ムーブメント クオーツ
電源 単3電池×1本
取付方法 背面の穴による壁掛け
参考価格(税込目安) ヴィトラは公式サイトで価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける
保証 2年(正規品の場合)
付属品 正規品の証明書、箱
収蔵 MoMA ボール ウォールクロック(model 4755、1952年頃) 収蔵番号 1276.2018/AIC ボールクロック(1948-69年) 収蔵番号 1999.678

カラーバリエーション

ヴィトラ社製の正規品ボールクロックは、定番6色のカラーバリエーションを展開している。いずれもボール部分は無垢材に半艶の落ち着いた仕上げが施されており、空間のテイストに合わせて選択できる。

カラー 特徴 秒針 推奨空間
マルチカラー 原色を組み合わせた配色による なし リビング、子供部屋、キッチン
ナチュラル(ビーチ) クリア塗装でウッドの素材感を活かしたナチュラルな仕上げ 赤い秒針あり 北欧テイスト、ナチュラルインテリア
チェリーウッド チェリー材の温かみのある赤褐色。上品で落ち着いた印象 赤い秒針あり 書斎、寝室、クラシカルな空間
ブラック/ブラス 黒いボールと真鍮スポークの組み合わせ。高級感とシックさを両立 赤い秒針あり モダン空間、オフィス、ホテルライク
オレンジ 鮮やかなオレンジの統一色。空間のアクセントとして効果的 なし ポップなインテリア、カフェ空間
レッド 深みのあるレッドの統一色。情熱的で力強い印象 なし アクセントウォール、モダン空間

2024年には、ボールクロック誕生75周年とヴィトラ社による復刻25周年を記念して、一日の時間帯をカラーグラデーションで表現した限定版「Dawn(夜明け)」「Sunrise(日の出)」「Sunset(日没)」「Dusk(夕暮れ)」の4モデルが期間限定で発売された。限定品のため、在庫状況は正規販売店にて確認いただきたい。

なお、2024年12月以降の入荷分より、ビーチ・チェリー・ブラック/ブラスモデルの秒針の長さが7cmから6cmに仕様変更されている。旧仕様が完売次第、順次新仕様での提供となるため、購入時にはご留意いただきたい。

正規品とライセンスを受けていない製品の違い

権利者のライセンスを受けていない同型の製品が広く流通している。公表されている情報から確認できる差を整理する。仕様が公表されていない項目は「公表なし」と記し、推測では埋めていない。

製造の許諾

設計者の資料はヴィトラ・デザイン・ミュージアムが所蔵しており、ヴィトラは1999年から再生産を行っている。同社は欧州と中東の市場について、指定されたネルソン製品の唯一の許諾された製造者であると公表している。正規品には証明書が付く。

公表されている仕様

ヴィトラは、球が木の無垢材であること、棒が真鍮または鋼であること、寸法(直径333×奥行65mm)、重量約600g、ポーランドでの製造、ムーブメントがドイツ製であること、2年の保証を公表している。

ライセンスを受けていない製品では、これらの仕様が公表されていない場合が多い。球が無垢材か樹脂かは重量に現れる。木目のある仕上げでは、木口から確認できる。

比較項目 正規品(ヴィトラ) ライセンスを受けていない製品
木の無垢材(公表) 公表なし
真鍮または鋼(公表) 公表なし
寸法と重量 直径333×奥行65mm、約600g(公表) 公表なし
製造国 ポーランド(公表) 公表なし
証明書 付属する なし
メーカー保証 2年 対象外

類似商品・競合との比較

同じシリーズの時計は、いずれも数字を持たない。中心から何が伸びるかによって、壁に現れる形と読み取りやすさが変わる。

比較項目 ボールクロック アスタリスク クロック ユンハンス マックス・ビル ウォールクロック
時の位置を示すもの 12個の球 12本の棒 目盛りまたは数字
文字盤の面 なし(壁が背景になる) なし(壁が背景になる) あり(白)
直径 333mm 250mm 220mmまたは300mm
壁からの出方 奥行65mm 棒の厚みによる 奥行42mmまたは52mm
色の選択 複数の色から選ぶ 黒/真鍮 白で共通

選び分けの目安

正確な時刻を読みたい場合
ボールクロックは数字も目盛りも持たない。針の位置を球と照らし合わせて判断する。数字を配する時計より、読み取りに手がかりが少ない。
壁の色を生かしたい場合
文字盤の面を持たないため、球と棒の間から壁が見える。壁の色がそのまま背景になる。
離れた位置から見る場合
直径333mm。球が大きく、離れた位置からも位置を判別しやすい。

使用感と設置条件

色の選択と読み取り

球の色は複数から選べる。複数の色を組み合わせた仕様と、単色の仕様がある。

文字盤の面を持たないため、球と壁の明暗差が読み取りやすさを決める。明るい壁には濃い色の球、暗い壁には明るい色の球が輪郭を出す。壁の色との関係で選ぶことになる。

針も同様に、球や壁との明暗差で位置が判別できる。

設置

直径333×奥行65mm、重量約600g。背面の穴で壁に掛ける。

球が壁から浮くため、光の当たり方によって球の影が壁に落ちる。影が重なると時刻が読みにくくなることがある。照明の位置との関係を確かめる。

電源は単3電池1本で、配線を要さない。

動作音

クオーツによる。秒針を持たない仕様である。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

球は木の無垢材で、塗装または透明の仕上げによる。塗装の仕上げは日光で色が褪せる。透明の仕上げでは、木そのものの色が変わる。

木は湿度の変化で伸縮する。棒との接合部に負担がかかる。

真鍮の棒は空気に触れて色が濃くなる。鋼の棒は塗装が擦れると下地が現れる。

日常の手入れ

ふだん
乾いた柔らかい布で拭く。球の一つずつと、棒を拭くことになる。
球の扱い
球を強く回すと、棒との接合部に力がかかる。拭く際は棒の根元を支える。
電池
時刻が遅れる、あるいは止まる場合は交換する。長期間使わないときは抜いておく。

どこで買うか

取扱店の調べ方

ヴィトラは公式サイトで製品情報を公開している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

注文の際に決めるのは色である。扱われる色は時期によって変わる。

実物を確認する

文字盤の面を持たない構成のため、掛ける壁の色によって見え方が変わる。展示の状態がそのまま自宅での見え方になるとは限らない。

中古の流通

1949年以降のハワード・ミラー製の個体と、1999年以降のヴィトラによる再生産品が流通している。両者は仕様が異なる。相場は年式、色、状態で幅があり、一定していない。

確認箇所は、正規品の証明書の有無、球の欠けと色の褪せ、棒の曲がりと接合部の緩み、針の状態、時計が動くかである。廃番となった色は中古でしか入手できない。

購入前チェックリスト

  • 色の選択(掛ける壁の色との明暗差から決める)
  • 掛ける壁面の寸法(直径333mm)
  • 壁からの出方(奥行65mm。球の影が壁に落ちる)
  • 照明の位置(影が重なると読みにくくなる)
  • 数字も目盛りも持たないこと
  • 秒針を持たないこと
  • 中古の場合、証明書の有無と製造時期

よくある質問

価格はどのくらいですか?
ヴィトラは公式サイトで価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
ヴィトラの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
正規品かどうかはどう見分けますか?
正規品には証明書が付属します。ヴィトラは欧州と中東の市場について、指定されたネルソン製品の唯一の許諾された製造者であると公表しています。球が無垢材か樹脂かは重量に現れ、木目のある仕上げでは木口から確認できます。
色はどう選べばよいですか?
文字盤の面を持たないため、球と壁の明暗差が読み取りやすさを決めます。明るい壁には濃い色の球、暗い壁には明るい色の球が輪郭を出します。掛ける壁の色との関係でお選びください。
数字がなくて読めますか?
中心から12本の棒が放射し、その先端の球が時の位置を示します。針の位置を球と照らし合わせて判断することになります。直径333mmで球が大きいため、離れた位置からも位置を判別しやすくなっています。
秒針はありますか?
ありません。時針と分針のみです。
収蔵されている美術館はありますか?
ニューヨーク近代美術館(Ball Wall Clock、model 4755、1952年頃、収蔵番号1276.2018)と、シカゴ美術館(Ball Clock、1948-69年、収蔵番号1999.678)が収蔵しています。
手入れはどうすればよいですか?
乾いた柔らかい布で拭きます。球の一つずつと棒を拭くことになります。球を強く回すと棒との接合部に力がかかるため、拭く際は棒の根元を支えてください。長期間使わないときは電池を抜いておいてください。