概要

パンプキンチェアは、ピエール・ポーランが1971年に設計したラウンジチェアである。ジョルジュ・ポンピドゥー大統領の依頼により、パリのエリゼ宮の私的な居室のために作られた。丸みを帯びた外形と、縦方向に走るステッチが特徴にあたる。2008年からリーン・ロゼが生産している。

特徴・コンセプト

ステッチで面を締める

丸い形をフォームだけで包むと、張り地が余って皺が出る。縦方向のステッチで面を区切れば、それぞれの区画で張りが取れる。カボチャの溝に見える線は、この処理によるものである。線の位置がそのまま外形の分割を決めている。

層を重ねる

熱成形したABS樹脂の台の上にポリエーテルフォームを積層し、その上に密度の高いポリウレタンフォームを重ねる。硬い台が形を保ち、上の層が身体に沿う。硬さの異なる層を分けることで、外形を崩さずに沈み込みを得ている。

低く座る

座面高は37cm。一般的な椅子より低く、腰を深く落とした姿勢になる。座面と背もたれが一続きの曲面で、身体を包む形をとる。

展開

アームチェア、回転式、背の高い仕様、2人掛け、3人掛け、フットスツールが用意される。カバーは取り外しに専門の作業を要する。

エピソード

1970年前後、ポンピドゥー大統領夫妻はフランスのデザイン産業を活性化させる意図から、エリゼ宮の私的な居室を刷新する計画を立てた。設計を任されたポーランは約3年をかけて居間、食堂、喫煙室、展示室を一新している。

当初はアルファ社が少数を生産したのみで、1973年に終了した。2007年から2008年にかけて、ポーラン自身の監修のもとリーン・ロゼから一般向けに復刻されている。

評価と影響

同じポーランによるタンチェア (F577)リボンチェアが継ぎ目のない張りで面をつくるのに対し、パンプキンチェアはステッチの線を表に出している。パシャ ラウンジチェアも同じ方向にあり、いずれも脚を持たないか低く抑えた構成をとる。

4館の公開データでは、パンプキンチェアの収蔵は確認できていない。

基本情報

名称 パンプキン / Pumpkin
デザイナー ピエール・ポーラン(Pierre Paulin)
ブランド リーン・ロゼ(Ligne Roset/2008年より復刻)/アルファ(当初)
発表年 1971年
デザインの成立国 フランス
分類 ラウンジチェア
構造 熱成形ABS樹脂の台にフォームを積層。縦方向のステッチで面を区切る
サイズ(アームチェア) 幅105cm × 奥行83cm × 高さ70cm、座面高37cm
バリエーション アームチェア、回転式、ハイバック、2人掛け、3人掛け、フットスツール
設計の背景 エリゼ宮の私的居室(ポンピドゥー大統領の依頼)

Reference