概要

プリアは、ジャンカルロ・ピレッティがアノニマ・カステッリのために設計した折りたたみ椅子である。1967年のミラノ家具見本市で公開され、1969年から量産が始まった。3枚の金属ディスクを重ねた軸によって背もたれ・座面・脚部が回転し、厚さ約5cmまで畳める。名はイタリア語で折りたたむことを意味する動詞に由来する。

特徴・コンセプト

3枚のディスクによる軸

この椅子は、2つの長方形の枠とU字の枠という3つの部材からできている。それぞれの端を1か所に集め、3枚の金属ディスクを重ねた軸でつなぐことで、3部材が同じ中心のまわりを別々に回る。折りたたみ椅子は通常、部材ごとに蝶番を設ける必要があり、その数だけ厚みと部品が増える。回転の中心を1点にまとめたことで、畳んだときの厚さは約5cmに収まり、外から見える金物も軸だけになった。

畳んだ状態では平らに重ねられ、広げた状態でもスタッキングができる。壁のフックに掛けて収める使い方も想定されている。

透ける座面

座面と背もたれには透明な樹脂が用いられる。初期のモデルはセリドール、現行はポリカーボネートである。折りたたみ椅子は必要なときだけ出す家具であり、置いたままでも視線を遮らないことが求められる。透明な面は背後の床や壁を透かすため、複数脚を並べても空間が塞がって見えない。フレームには楕円断面のクロームメッキ・スチールパイプ、軸のディスクにはダイキャストのアルミニウム合金を用いる。

エピソード

1967年のミラノ家具見本市で公開されたとき、来場者の反応は展示品を持ち去る者が出るほどのもので、カステッリは展示中の椅子を鎖でつなぐことになったと伝えられている。以後、この椅子はカステッリを代表する製品となり、ピレッティは20世紀のトーネットと呼ばれるようになった。

ウィーン風の籐を無垢材の枠に張った仕様など、素材を変えた展開も加わっている。

評価と影響

単純な構造と量産に適した工程によって価格を抑えた点が、発表当時から評価された。1971年にリュブリャナ・ビエンナーレのBIO 5賞、1973年にドイツ連邦共和国のグーテ・フォルム賞を受けている。

美術館コレクション

ニューヨーク近代美術館は、1967年設計のプリアを収蔵番号419.1972.1-2で登録している(製造元からの寄贈。クロームメッキ鋼、鋳造アルミニウム、ABS樹脂による2脚組、各76.2×46.7×43.2cm、座面高46.3cm)。

基本情報

名称 プリア / Plia
デザイナー ジャンカルロ・ピレッティ(Giancarlo Piretti)
ブランド アノニマ・カステッリ(Anonima Castelli)
発表年 1967年(量産開始 1969年)
デザインの成立国 イタリア
分類 チェア(折りたたみ)
主要素材 楕円断面のクロームメッキ・スチールパイプ、ダイキャストアルミニウム合金のディスク、透明樹脂(初期はセリドール、現行はポリカーボネート)
折りたたみ時 厚さ約5cm
機能 折りたたみ、スタッキング、壁掛け収納
受賞 BIO 5賞(リュブリャナ・ビエンナーレ、1971年)、グーテ・フォルム賞(ドイツ、1973年)
収蔵 ニューヨーク近代美術館(419.1972.1-2)

Reference

Plia | Anonima Castelli
https://www.anonimacastelli.com/en/products/plia-cane
Plia Folding and Stacking Chair | MoMA
https://www.moma.org/collection/works/3529