このページについて

ミスター・インポッシブルは、フィリップ・スタルクらが2008年に設計しカルテルが製造する椅子である。ポリカーボネートの2枚のシェルを溶接して一体にする。透明の仕様と不透明の仕様がある。

このページでは、溶接による構造がもたらす特徴、色の選択、屋外で使う場合の条件、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

以下はカルテル正規品ミスター・インポッシブルの基本仕様である。購入検討にあたっては、カラーバリエーションやサイズ感を実物で確認されることを推奨する。

正式名称(日本語) ミスター・インポッシブル
製造ブランド カルテル
製造国 イタリア
主要素材 ポリカーボネート。骨組みと脚は透明、座面と背もたれは透明または着色による。2枚のシェルを溶接して接合する
サイズ 幅550 × 奥行540 × 高さ840mm。座面高460mm
重量 約5.5kg
カラーバリエーション 透明の仕様6色、不透明の仕様2色から選ぶ
耐候性・耐衝撃性 屋外でも使える
スタッキング できない
耐荷重 約113kg
価格 カルテルは公式サイトで価格を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。色で価格が変わる場合がある
収蔵 本製品の収蔵は当サイトの照合対象4館では確認できていない。同じ設計者の他の椅子では、MoMA が複数点を収蔵している
付属品 正規品の証明書
派生モデル 不透明の光沢の仕上げによる別の仕様がある

溶接による構造

ポリカーボネートの2枚のシェルを溶接して一体にする。接合の部材を用いない。

透明の仕様では、この接合の線が内部に見える。輪郭の内側に線が走る見え方になる。

接合部を持たないため緩みが生じない。いっぽうで、割れた場合の補修はできない。部材ごとの交換も成り立たない。

選び分けの目安

透明の仕様を選ぶ場合
接合の線が内部に見える。この見え方を含めて判断することになる。
不透明の仕様を選ぶ場合
光沢のある仕上げによる。接合の線は外から見えない。
補修を想定する場合
一体成形のため、割れた箇所の補修はできない。

類似商品・競合との比較

樹脂の椅子は、製法によって強度と補修の条件が変わる。溶接する方式では、接合の線が見え方に関わる。

比較項目 ミスター・インポッシブル パントンチェア ゴーストチェア
素材 ポリカーボネート 樹脂 ガラス
製法 2枚のシェルを溶接 一体成形 1枚を曲げる
透明の仕様 ある(6色) ない 透明のみ
重ねられるか できない できる できない
屋外での使用 できる 屋内向け 屋内向け

選び分けの目安

透明の椅子を求める場合
透明の仕様が6色ある。色付きの透明という選択肢は、無色の透明とは見え方が異なる。
屋外で使う場合
屋外でも使える。ただし紫外線で色が変わる。
使わない時期に片付ける場合
重ねられない。重ねる必要がある場合、別の製品が該当する。

使用感と設置条件

寸法と座り方

幅550×奥行540×高さ840mm、座面高460mm。座面高460mmは一般的な食卓の椅子(400〜450mm前後)よりやや高い。

重量は約5.5kg。片手で持ち上げられる。耐荷重は約113kg。

詰め物を持たない。座面は樹脂そのもので、硬さがそのまま伝わる。

透明の仕様

透明の仕様では、背後の壁や床が透けて見える。設置場所の色が椅子の見え方に関わる。

色付きの透明では、光を通した色が床や壁に映る場合がある。日の当たる位置では、この効果が現れる。

接合の線が内部に見える。

屋外で使う場合

屋外でも使える。ただしポリカーボネートは紫外線で劣化し、色が変わる。屋外に置く場合、この進行が屋内より早い。

透明の仕様では、変化が黄ばみとして現れやすい。

経年変化とメンテナンス

素材に起きること

ポリカーボネートは紫外線で劣化し、色が変わる。透明の仕様では黄ばみとして現れやすい。

表面に細かい傷が付くと、光の透過が変わる。透明の仕様では、この変化が目立つ。

有機溶剤に触れると表面が変質する。ひび割れの起点にもなる。

一体成形のため、割れた箇所の補修はできない。

日常の手入れ

ふだん
柔らかい布で拭く。汚れは薄めた中性洗剤で落とす。
避けるもの
研磨剤、硬いたわし、有機溶剤は表面を傷める。アルコールを含む洗剤も避ける。
乾いた埃
付いたまま擦ると細かい傷が入る。先に払ってから拭く。
置き場所
直射日光を避ける。色の変化が早く進む。

どこで買うか

取扱店の調べ方

カルテルは公式サイトで製品情報と価格を公開している。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なるため、正規取扱については輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

注文の際に決めるのは色である。透明の仕様6色、不透明の仕様2色から選ぶ。

実物を確認する

透明の仕様は、背後の色によって見え方が変わる。展示の状態がそのまま自宅での見え方になるとは限らない。

接合の線の見え方も、現物で確かめられるとよい。

中古の流通

2008年以降の個体が流通している。相場は色と状態で幅があり、一定していない。廃番となった色は中古でしか入手できない。

確認箇所は、表面の傷と色の変化、割れとひび、接合部の状態である。透明の仕様では黄ばみの程度も確かめる。一体成形のため、割れた個体の補修はできない。

購入前チェックリスト

  • 色の選択(透明6色/不透明2色)
  • 透明の仕様では接合の線が内部に見えること
  • 透明の仕様では背後の色が見え方に関わること
  • 座面高460mm(一般的な食卓の椅子よりやや高い)
  • 重ねられないこと
  • 屋外に置く場合、紫外線による色の変化
  • 有機溶剤とアルコールを含む洗剤が使えないこと
  • 中古の場合、黄ばみの程度と割れの有無

よくある質問

価格はどのくらいですか?
カルテルは公式サイトで価格を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なり、色で価格が変わる場合があります。
どこで購入できますか?
カルテルの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
どんな構造ですか?
ポリカーボネートの2枚のシェルを溶接して一体にします。接合の部材を用いないため緩みが生じません。透明の仕様では、この接合の線が内部に見えます。
色は何種類ありますか?
透明の仕様6色、不透明の仕様2色から選べます。透明の仕様では背後の壁や床が透けて見えるため、設置場所の色が椅子の見え方に関わります。色付きの透明では、日の当たる位置で光を通した色が床や壁に映る場合があります。
屋外で使えますか?
使えます。ただしポリカーボネートは紫外線で劣化して色が変わり、屋外ではこの進行が屋内より早くなります。透明の仕様では変化が黄ばみとして現れやすくなります。
重ねて収納できますか?
できません。重ねる必要がある場合は別の製品が該当します。
割れたら修理できますか?
一体成形のため、割れた箇所の補修はできません。部材ごとの交換も成り立ちません。
手入れはどうすればよいですか?
柔らかい布で拭き、汚れは薄めた中性洗剤で落としてください。研磨剤、硬いたわし、有機溶剤は表面を傷めます。アルコールを含む洗剤も避けてください。乾いた埃が付いたまま擦ると細かい傷が入るため、先に払ってから拭いてください。