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LC1 バスキュラントチェアは、ル・コルビュジエらが1920年代に設計した椅子である。カッシーナが製造する。背もたれが左右を軸に回転し、姿勢に応じて角度が変わる。4つの型式が展開される。

このページでは、背もたれが回転する機構、4つの型式、ライセンスを受けていない製品との違い、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

LC1バスキュラントチェアは、ル・コルビュジエが考案した人体寸法と黄金比に基づく比例体系「モジュロール」に準拠して設計されている。「住宅は住むための機械である」という建築哲学を家具のスケールに翻訳した本作は、装飾を徹底的に排除し、水平・垂直・直角・回転という建築的要素を幾何学的な基本形態へと還元している。座面と背もたれの裏側に配されたスチールスプリングが適度な弾力性を生み出し、金属フレームのみで構成された外観からは想像しがたい快適な座り心地を実現する。座面高400mmという低めの設定は、リラックスした姿勢で会話を促進するために精密に計算されたものである。2022年9月に製品名が本来のフランス語名称へ改められ、2023年のiマエストリ コレクション50周年に際して、デザイナーの相続人および財団との合意のもとLCの接頭辞が外された。従来の「LC1」は本来のフランス語名称「1 Fauteuil à Dossier Basculant」へと回帰している。

正式名称 LC1 バスキュラントチェア
現行製造 カッシーナ
フレーム 鋼管。めっきと塗装から選ぶ
座面・背もたれ 革または仔牛の毛皮から選ぶ
肘掛け 厚い革を掛ける構造による。座面の素材によって色が決まる
サイズ 幅600 × 奥行650 × 高さ640mm。座面の高さ400mm、肘掛けの高さ580mm
重量 約7〜10kg
可動機構 背もたれが左右を軸にして回転する。姿勢に応じて角度が変わる。座面と背もたれの裏面にばねを備える
レザーカラー 多数の色から選ぶ。取り扱いは取扱店に確認する
毛皮 天然の柄による。個体差がある
型式 4つの型式が展開される。標準の型、詰め物を加えた型、布を用いる型、屋外に対応する型がある
収蔵 MoMA 背もたれが傾く肘掛椅子(1928年) 収蔵番号 281.1934
価格 カッシーナは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。型式と素材で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける
グライド ビーズグライド
美術館収蔵 MoMA(ニューヨーク近代美術館、収蔵番号281.1934)

背もたれが回転する機構

背もたれは左右を軸にして回転する。座る姿勢に応じて角度が変わる。

固定されないため、背中を預ける位置によって傾きが変わる。

座面と背もたれの裏面にばねを備える。張りを保つ部材にあたる。

回転する機構のため、可動する部分の状態が座り心地に関わる。中古では確かめる。

選び分けの目安

座り方を考える場合
背もたれが回転する。姿勢によって角度が変わる。実物で確かめられるとよい。
長く使う前提の場合
可動する部分がある。状態が座り心地に関わる。
中古を検討する場合
回転する機構とばねの状態を確かめる。

4つの型式

4つの型式が展開される。素材と構成が異なる。

型式 座面と背もたれ 用途
標準の型 革または毛皮 屋内
詰め物を加えた型 詰め物を加える 屋内
布を用いる型 布と革を組み合わせる 屋内
屋外に対応する型 耐候性のある素材 屋外

詰め物を加えた型では座り心地が変わる。標準の型は張った面による。

屋内向けの型式は屋外では用いない。取り扱われる型式は取扱店に確認する。

選び分けの目安

座り心地で選ぶ場合
詰め物を加えた型がある。標準の型とは異なる。
屋外で用いる場合
対応する型がある。屋内向けの型式は用いない。
素材で選ぶ場合
革、毛皮、布から選ぶ。毛皮には個体差がある。

ライセンスを受けていない製品との違い

本製品には、ライセンスを受けていない類似の製品が流通する。

比較項目 正規品 ライセンスを受けていない製品
製造 カッシーナによる 製造元は個々に異なる
回転する機構 公表される仕様による 公表されない場合がある
素材 公表される革と毛皮による 公表されない場合がある
表示 製造元の表示が付く 付かない
部品の供給 取扱店を通じて相談できる 個々に異なる

背もたれが回転する構成のため、可動する部分の仕様は座り心地と耐久に関わる。確認する事項になる。

選び分けの目安

機構を確かめる場合
回転する部分の仕様を確認する。座り心地と耐久に関わる。
正規品を確かめる場合
製造元の表示が付く。購入時に確認する。
長く使う前提の場合
部品の供給と張り替えの対応を確かめる。

同じ設計者・同種の椅子との比較

椅子は背もたれの構成と素材で性格が分かれる。

比較項目 LC1 パパベアチェア LC6テーブル
用途 椅子 椅子
背もたれ 回転する 固定される 該当しない
座面 革または毛皮を張る 天然の素材による詰め物 該当しない
鋼管 無垢材 鋼管
屋外 対応する型がある 該当しない 該当しない

選び分けの目安

座り方を考える場合
背もたれが回転する。固定される椅子とは異なる。
座り心地で選ぶ場合
張った面による。詰め物を用いる椅子とは異なる。
屋外で用いる場合
対応する型がある。

使用感と設置条件

寸法

幅600 × 奥行650 × 高さ640mm。座面の高さは400mm。

1人で座る椅子としては小さい部類にあたる。置き場所を確かめる。

肘掛け

厚い革を掛ける構造による。枠に渡される。

使用によって革が伸びる。掛かり方が変わる場合がある。

床との関係

脚は鋼管による。床に接する箇所も金属にあたる。

床材によっては傷が付く。保護材の要否を確かめる。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

革は使用によって色と質感が変わる。乾燥すると硬くなる。

毛皮は摩擦で毛が抜ける場合がある。日光でも色が変わる。

めっきの枠は湿気の多い環境で曇る。塗装の枠は擦れると下地が現れる。

回転する部分とばねは経年で緩む場合がある。

日常の手入れ

乾いた柔らかい布で拭く。水分をすぐに拭き取る。
毛皮
柔らかい刷毛で毛並みに沿って払う。強く擦らない。
柔らかい布で拭く。研磨剤は仕上げを損なう。
回転する部分
動きと緩みを定期的に確かめる。

修理と部品

張地の交換や回転する部分の調整については、取扱店を通じて相談する。

どこで買うか

取扱店の調べ方

カッシーナは公式サイトで取扱店を案内している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。

型式と素材から選ぶ。取り扱われる範囲は取扱店によって異なる。納期も確かめる。

実物を確認する

背もたれが回転する動きは、実際に座って確かめられるとよい。

毛皮を選ぶ場合、柄に個体差があるため現物を確認する。

中古の流通

相場は型式、素材、状態で幅があり、一定していない。

確認箇所は、回転する部分の動き、ばねの状態、革の伸びと乾燥、肘掛けの掛かり方、枠の仕上げである。

購入前チェックリスト

  • 背もたれが回転すること(姿勢によって角度が変わる)
  • 型式の選択(4つ。素材と構成が異なる)
  • 屋外で用いる場合、対応する型を選ぶこと
  • 素材の選択(革/毛皮/布)
  • 毛皮には個体差があること
  • 置き場所(幅600 × 奥行650mm)
  • 金属の脚が床に接すること
  • 回転する部分の定期的な確認

よくある質問

価格はどのくらいですか?
カッシーナは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。型式と素材で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
カッシーナの公式サイトで取扱店が案内されています。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
背もたれは動くのですか?
左右を軸にして回転し、座る姿勢に応じて角度が変わります。固定されないため背中を預ける位置によって傾きが変わります。実際に座ってお確かめください。
どのような型式がありますか?
標準の型、詰め物を加えた型、布を用いる型、屋外に対応する型の4つです。詰め物を加えた型では座り心地が変わり、標準の型は張った面によります。
屋外で使えますか?
屋外に対応する型があります。耐候性のある素材によるもので、屋内向けの型式は屋外では用いないでください。
毛皮を選ぶ際の注意点を教えてください。
天然の柄によるため個体差があります。可能であれば現物をご確認ください。摩擦で毛が抜ける場合があり、日光でも色が変わります。
収蔵されている美術館はありますか?
ニューヨーク近代美術館が収蔵しています(背もたれが傾く肘掛椅子、1928年、収蔵番号281.1934)。
手入れはどうすればよいですか?
革は乾いた柔らかい布で拭き、水分をすぐに拭き取ってください。毛皮は柔らかい刷毛で毛並みに沿って払い、強く擦らないでください。回転する部分は動きと緩みを定期的にお確かめください。