概要
キャブ413は、マリオ・ベリーニがカッシーナのために設計したアームレスト付きのチェアである。アームレストを持たないキャブ 412と同じく、スチールパイプのフレームに革のカバーをかぶせ、ジッパーで留める構造をとる。背もたれからアームレストへ革が連続し、側面が閉じた形になる。
特徴・コンセプト
アームレストの構成
アームレストは別部材を後から取り付けたものではなく、背もたれから続く革の面として立ち上がる。フレームのパイプが内側を通り、その外側を革が包む。座ったときに腕が触れるのは革の面だけで、金属や木の縁が現れない。骨組みを覆い隠すのではなく、革そのものを構造の表面として扱う考え方が、肘掛けの部分でもそのまま貫かれている。
この構成により、側面から見た輪郭は412よりも閉じたものになる。座面まわりに囲いができるため、背をあずけて長くとどまる姿勢に向く。
寸法
標準寸法は幅62cm、奥行52cm、高さ82cm、座面高45cm、アームレスト高64cm。412より幅が10cm、奥行が3cm大きい。高さと座面高は412と共通で、同じテーブルに混ぜて並べても座面のそろいが崩れない。
2019年以降はXL(型番M)も選べる。標準に対して奥行が5cm、幅が4cm大きく、幅66cm、奥行57cmとなる。412にあるBabyは413には設定されていない。
評価と影響
412との違いと共通する製法については キャブ にまとめている。アームレスの412と組み合わせて用いられることが多い。
美術館コレクション
ニューヨーク近代美術館は、スチールパイプと革によるキャブのアームチェアを収蔵番号4.1980で登録している(アトリエ・インターナショナルからの寄贈。制作年1978年、幅60cm・奥行52.1cm・高さ81.9cm)。メトロポリタン美術館も同型を収蔵番号1987.370.1で登録しており、1987年にカッシーナとアトリエ・インターナショナルから寄贈されたロシアンレッドの革の個体である。いずれの館も設計年を1978年としており、カッシーナが公表する1977年とは1年のずれがある。
マリオ・ベリーニの設計思想や経歴について詳しくはマリオ・ベリーニプロフィールページをご覧ください。
カッシーナの歴史や他の製品について詳しくはカッシーナブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | キャブ 413 / Cab 413 |
|---|---|
| デザイナー | マリオ・ベリーニ(Mario Bellini) |
| ブランド | カッシーナ(Cassina) |
| 発表年 | 1977年(美術館の記録では1978年) |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | ダイニングチェア(アームレスト付き) |
| 主要素材 | 黒塗装スチールパイプ、樹脂製シートシェル、冷間成形ポリウレタンフォーム、サドルレザー |
| サイズ(標準) | 幅62cm × 奥行52cm × 高さ82cm、座面高45cm、アームレスト高64cm |
| 寸法展開 | 標準、XL(幅66cm × 奥行57cm) |
| 収蔵 | ニューヨーク近代美術館(4.1980)、メトロポリタン美術館(1987.370.1) |
Reference
- Cab Armchair | MoMA
- https://www.moma.org/collection/works/1335
- "Cab" Armchair | The Metropolitan Museum of Art
- https://www.metmuseum.org/art/collection/search/484804