このページについて
413 CAB は、マリオ・ベリーニが1977年に設計しカッシーナが製造する椅子である。黒く塗装した鋼管の骨組みに、革のカバーをかぶせてジッパーで留める。骨組みは革の内側に隠れる。肘掛けの付いた仕様にあたる。
このページでは、カバーを留める構造がもたらす特徴、選べる寸法と革の色、正規品とライセンスを受けていない製品との差、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
マリオ・ベリーニの設計思想や経歴について詳しくはマリオ・ベリーニ プロフィールページをご覧ください。
413キャブのデザインストーリーについて詳しくは413キャブ 紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
正規品はイタリアのカッシーナが生産し、日本ではカッシーナ・イクスシーが扱う。
| 正式名称 | 413 CAB(キャブ アームチェア) |
|---|---|
| 製造ブランド | カッシーナ |
| フレーム | 黒く塗装した鋼管 |
| 座面 | 黒い樹脂の下地に、冷間で成形したポリウレタンのフォームを重ねる |
| カバー | 厚みのある革。脚の内側のジッパーで留め、取り外せる |
| サイズ(標準) | 幅620 × 奥行520 × 高さ820mm、座面高450mm、肘掛けの高さ640mm |
| 寸法展開 | 標準のほか、幅660 × 奥行570mm の大きい仕様がある |
| 革の色 | 複数の色から選ぶ。手作業でぼかしをかけた仕上げも用意される |
| 価格 | カッシーナは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。正規取扱店への問い合わせによる。寸法と革の色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受ける |
| 収蔵 | MoMA キャブ アームチェア(1978年) 収蔵番号 4.1980/Met キャブ アームチェア(1978年設計・1987年製造) 収蔵番号 1987.370.1 |
412にあるBabyは413には設定されていない。アームレスのない キャブ 412 は幅が10cm小さく、テーブル下に収めやすい。
正規品とライセンスを受けていない製品の違い
権利者のライセンスを受けていない同型の製品が流通している。公表されている情報から確認できる差を整理する。仕様が公表されていない項目は「公表なし」と記し、推測では埋めていない。
公表されている仕様
カッシーナは、骨組みが黒く塗装した鋼管であること、座面が黒い樹脂の下地に冷間で成形したポリウレタンのフォームを重ねる構成であること、カバーが厚みのある革で脚の内側のジッパーで留めること、寸法、イタリアでの製造を公表している。
ライセンスを受けていない製品では、これらの仕様が公表されていない場合が多い。ジッパーの位置と縫製は外から確認できる箇所にあたる。カバーが取り外せる構造かどうかも、この箇所で判別できる。
| 比較項目 | 正規品(カッシーナ) | ライセンスを受けていない製品 |
|---|---|---|
| 骨組み | 黒く塗装した鋼管(公表) | 公表なし |
| カバー | 革。ジッパーで留め、取り外せる(公表) | 公表なし |
| 座面の構成 | 樹脂の下地+ポリウレタンのフォーム(公表) | 公表なし |
| 寸法 | 幅620×奥行520×高さ820mm(公表) | 公表なし |
| メーカー保証 | 対象 | 対象外 |
類似商品・競合との比較
革を用いる椅子は、革をどう留めるかで分かれる。骨組みに張り付けるか、かぶせて留めるかによって、交換の可否が変わる。
| 比較項目 | 413 CAB | ハンティングチェア | トニエッタ |
|---|---|---|---|
| 革の留め方 | 骨組みにかぶせ、ジッパーで留める | バックルでフレームに留める | 座面と背もたれに張る |
| 骨組みの見え方 | 革の内側に隠れる | 木部が見える | 金属が見える |
| カバーの交換 | 取り外せる | 張り替えられる | 張り替えの可否は取扱店による |
| 詰め物 | あり | なし | あり |
| 座面高 | 450mm | 280mm | 465mm |
選び分けの目安
- 骨組みを見せたくない場合
- 革が骨組みを覆うため、金属や木部が外に現れない。革の面だけで輪郭がつくられる。
- カバーの手入れを想定する場合
- ジッパーで留める構造のため、カバーを取り外せる。取り外した状態での手入れができる。
- 寸法に余裕を求める場合
- 標準のほか、幅660×奥行570mmの大きい仕様がある。
使用感と設置条件
カバーを留める構造
革のカバーを骨組みにかぶせ、脚の内側のジッパーで留める。骨組みは革の内側に隠れ、外からは見えない。
ジッパーは脚の内側にあり、正面からは目に入らない。カバーを取り外せるため、手入れや交換の際に本体から分離できる。
革が構造の一部として働く。カバーが緩むと、座ったときの張りが変わる。
座り方と寸法
幅620×奥行520×高さ820mm、座面高450mm、肘掛けの高さ640mm。座面高450mmは一般的な食卓の椅子と同程度である。
座面は樹脂の下地にポリウレタンのフォームを重ね、革を張る。詰め物があるため、革だけで受ける椅子より沈む。
肘掛けの高さ640mmは座面から190mmで、腕を置いたときの高さになる。テーブルに寄せる場合、天板の下端に肘掛けが当たらないかを確認する。
寸法の選択
標準のほか、幅660×奥行570mmの大きい仕様がある。並べる台数と設置場所の広さから選ぶ。
経年変化とメンテナンス
革に起きること
革は使用と日光によって色が濃くなる。表面に艶が出る。手作業でぼかしをかけた仕上げでは、色の変化が場所によって異なって現れる。
乾燥するとひび割れる。とくに折れる箇所から進む。定期的に油分を補う。
革は荷重で伸びる。カバーが緩んだ場合、座ったときの張りが変わる。
日常の手入れ
- 革
- 乾いた柔らかい布で埃を払う。年に数回、革用のクリームで油分を補う。水濡れは染みになる。
- ジッパー
- 開閉の動きを確かめる。噛み込みがあれば無理に動かさない。
- 置き場所
- 直射日光と暖房の風を避ける。革の乾燥を早める。
カバーの交換
カバーは取り外せる構造をとる。交換の可否と手順については、取扱店を通じて確認する。
どこで買うか
取扱店の調べ方
カッシーナは公式サイトで取扱店を案内している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
注文の際に決める項目は、寸法(標準または大きい仕様)と革の色である。手作業でぼかしをかけた仕上げも用意される。
実物を確認する
革のカバーが骨組みを覆う構造のため、座ったときの張りと沈み方は実物で確かめられるとよい。
手作業でぼかしをかけた仕上げは、個体によって色の出方が異なる。
中古の流通
1977年以降の個体が流通している。相場は年式、寸法、革の色、状態で幅があり、一定していない。
確認箇所は、革のひび割れと伸び、色の変化、ジッパーの動き、脚の接地部である。カバーは取り外せるため、内部の状態も確認できる場合がある。
購入前チェックリスト
- 寸法の選択(標準/幅660×奥行570mm)
- 革の色(ぼかしをかけた仕上げは個体差がある)
- 設置場所の寸法(幅620×奥行520×高さ820mm)
- テーブルに寄せる場合、天板の下端と肘掛けの干渉
- 革の手入れ(油分の補給)を継続できるか
- 直射日光と暖房の風を避けられる位置か
- 中古の場合、革のひび割れとジッパーの動き
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- カッシーナは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。寸法と革の色で価格が変わり、輸入品のため為替の影響も受けます。
- どこで購入できますか?
- カッシーナの公式サイトで取扱店が案内されています。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
- カバーは取り外せますか?
- 革のカバーを骨組みにかぶせ、脚の内側のジッパーで留める構造のため取り外せます。ジッパーは脚の内側にあり正面からは目に入りません。交換の可否と手順については取扱店を通じてご確認ください。
- 骨組みは見えますか?
- 見えません。黒く塗装した鋼管の骨組みは革の内側に隠れ、革の面だけで輪郭がつくられます。
- 座り心地はどうですか?
- 座面は樹脂の下地にポリウレタンのフォームを重ねて革を張るため、革だけで受ける椅子より沈みます。座面高450mmは一般的な食卓の椅子と同程度です。
- 寸法は選べますか?
- 標準(幅620×奥行520mm)のほか、幅660×奥行570mmの大きい仕様があります。並べる台数と設置場所の広さからお選びください。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- ニューヨーク近代美術館(Cab Armchair、1978年、収蔵番号4.1980)と、メトロポリタン美術館(Cab Armchair、1978年設計・1987年製造、収蔵番号1987.370.1)が収蔵しています。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 革は乾いた柔らかい布で埃を払い、年に数回クリームで油分を補ってください。水濡れは染みになります。乾燥するとひび割れ、とくに折れる箇所から進みます。直射日光と暖房の風は革の乾燥を早めるため避けてください。ジッパーの開閉の動きも定期的にお確かめください。