このページについて
アントニーチェアは、ジャン・プルーヴェが1954年に設計した椅子である。ヴィトラが復刻を手がける。常時の生産ではなく、期間を限った販売による。時期によって素材と仕上げが異なる。
このページでは、期間を限った販売、時期による仕様の違い、寸法と設置、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ジャン・プルーヴェの設計思想や経歴について詳しくはジャン・プルーヴェ プロフィールページをご覧ください。
アントニーチェアのデザインストーリーについて詳しくはアントニーチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
アントニーチェアは、プルーヴェが自ら「構築家(Constructeur)」と称した設計哲学をよく表した作品である。熱成形されたブナ材合板(オリジナル)またはパイン材合板(2025年限定版)による一体型のシートシェルが、背もたれから座面にかけて優美な曲線を描き、人体の自然な姿勢に寄り添う。このシートシェルをL字型のスチールフレームが支える構造は、コンパス・ディレクションテーブルと共通する構造原理を持ち、2つのシートメタル・ブラケットが座面の曲線に沿って配置され、横方向のチューブブレースが脚部を安定させる。ブラケットと座面の間に意図的に設けられた微細な隙間が、適度な弾力性とクッション性を生み出す革新的な設計である。
| 正式名称 | アントニーチェア |
|---|---|
| 製造 | ヴィトラ。常時の生産ではなく、期間を限った販売による |
| 座面(近年の仕様) | 近年の仕様では松の合板を成形する。蝋による仕上げ |
| 座面(過去の仕様) | 過去の仕様ではブナの合板を成形した。着色の仕上げによる |
| 枠 | 鋼による。板と管を組み合わせる。粉体塗装の仕上げ。色は時期によって異なる |
| サイズ | 幅505 × 奥行671 × 高さ880mm。座面の高さ325mm |
| 重量 | 約8〜10kg |
| 価格 | ヴィトラは公式サイトで製品情報を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。販売の時期によって仕様と価格が変わる |
| 収蔵 | MoMA アントニー チェア(No. 356、1954年) 収蔵番号 358.2004。メトロポリタン美術館も収蔵している(収蔵番号 2016.645.2) |
期間を限った販売
常時の生産ではない。期間を限って販売される。
そのため、希望する時期に購入できるとは限らない。取扱店に予定を確認する。
販売の時期によって仕様が異なる。素材、仕上げ、枠の色が変わる。
個体に番号が付く場合がある。購入時に確認できる。
選び分けの目安
- 購入の時期を考える場合
- 期間を限った販売による。取扱店に予定を確認する。
- 仕様を指定したい場合
- 販売の時期によって異なる。過去の仕様は中古による。
- 正規品を確かめる場合
- 個体に番号が付く場合がある。購入時に確認する。
時期による仕様の違い
座面の素材と仕上げが時期によって異なる。
| 比較項目 | 近年の仕様 | 過去の仕様 |
|---|---|---|
| 座面の素材 | 松の合板 | ブナの合板 |
| 仕上げ | 蝋による | 着色による |
| 枠の色 | 時期によって異なる | 時期によって異なる |
松の合板は柔らかい。ブナの合板とは傷の付き方が異なる。
蝋の仕上げは塗膜をつくらない。着色の仕上げとは手入れの条件が分かれる。
選び分けの目安
- 手入れの手間を考える場合
- 蝋の仕上げは塗膜をつくらない。定期的な手入れを要する。
- 傷の付き方を確かめる場合
- 松の合板は柔らかい。ブナの合板とは異なる。
- 中古を検討する場合
- 時期によって仕様が異なる。年式を確かめる。
寸法と設置
幅505 × 奥行671 × 高さ880mm。座面の高さは325mm。
座面の高さ325mmは低い部類にあたる。背もたれは高い。
座面が低く背もたれが高いため、深く座る姿勢になる。立ち座りの動作も一般的な椅子とは異なる。
脚は鋼による。床に接する箇所も金属にあたる。保護材の要否を確かめる。
選び分けの目安
- 立ち座りを考える場合
- 座面の高さ325mm。低い部類にあたる。実際に座って確かめる。
- 置き場所を確かめる場合
- 幅505 × 奥行671mm。高さ880mm。
- 床材を確かめる場合
- 金属の脚が床に接する。保護材の要否を確かめる。
同じ設計者・同種の椅子との比較
椅子は入手の条件と座面の高さで性格が分かれる。
| 比較項目 | アントニー | シェルチェア(CH07) | ゲリドン |
|---|---|---|---|
| 入手 | 期間を限った販売 | 注文できる | 注文できる |
| 用途 | 椅子 | 椅子 | 机 |
| 座面の高さ | 325mm | 350mm | 該当しない |
| 脚 | 鋼 | 木(3本) | 木と鋼 |
| 座面の素材 | 成形した合板 | 成形した合板とフォーム | 該当しない |
選び分けの目安
- 購入の時期を考える場合
- 期間を限った販売による。注文できる製品とは条件が異なる。
- 立ち座りを考える場合
- 座面の高さ325mm。より低い部類にあたる。
- 床材を確かめる場合
- 金属の脚が床に接する。木の脚とは条件が異なる。
使用感と設置条件
座面の形状
座面と背もたれが一体になる成形した合板による。詰め物を持たない。
そのため、張地の椅子とは座り心地が異なる。実物で確かめられるとよい。
枠の構成
鋼の板と管を組み合わせる。粉体塗装の仕上げによる。
枠の色は販売の時期によって異なる。
重量
約8〜10kg。片手で持ち上げられる範囲にあたる。
幅505mmが通る搬入経路を確かめる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
成形した合板は日光で色が変わる。蝋の仕上げではとくに進む。
松の合板は柔らかい。硬いものが当たると跡が残りやすい。
粉体塗装の枠は擦れると下地が現れる。床に接する箇所から進みやすい。
合板の縁は層が見える。欠けが生じる場合がある。
日常の手入れ
- 座面
- 乾いた布で拭く。蝋の仕上げでは定期的な手入れを要する。
- 枠
- 柔らかい布で拭く。研磨剤は塗装を削る。
- 床に接する箇所
- 塗装の剥がれを確かめる。保護材の状態も確認する。
- 置き場所
- 直射日光を避ける。合板の色が変わる。
修理と部品
座面の補修や枠の塗装については、取扱店を通じて相談する。
期間を限った販売にあたるため、部品の供給も確かめる。
どこで買うか
取扱店の調べ方
ヴィトラは公式サイトで製品情報を公開している。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
期間を限った販売にあたる。次の販売の予定を取扱店に確認する。
実物を確認する
座面の高さ325mmでの座り心地は、実際に座って確かめられるとよい。
詰め物を持たない座面の感触も現物で分かる。
中古の流通
過去の仕様の個体が流通する。素材と仕上げが異なるため、年式を確かめる。
確認箇所は、座面の傷と縁の欠け、枠の塗装、脚の状態、個体の番号である。
購入前チェックリスト
- 期間を限った販売であること(次の予定を確認する)
- 販売の時期によって仕様が異なること
- 座面の高さ325mm(実際に座って確かめる)
- 詰め物を持たないこと
- 座面の素材と仕上げ(手入れの条件が分かれる)
- 置き場所(幅505 × 奥行671mm、高さ880mm)
- 金属の脚が床に接すること
- 部品の供給
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- ヴィトラは公式サイトで製品情報を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。販売の時期によって仕様と価格が変わります。
- どこで購入できますか?
- ヴィトラの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。常時の生産ではないため、次の販売の予定を取扱店にご確認ください。
- いつでも買えますか?
- 常時の生産ではなく、期間を限って販売されます。希望する時期に購入できるとは限らないため、取扱店に予定をご確認ください。
- 仕様は時期によって違いますか?
- 座面の素材と仕上げが異なります。近年の仕様は松の合板を蝋で仕上げ、過去の仕様はブナの合板を着色していました。枠の色も時期によって異なります。
- 座面の素材による違いを教えてください。
- 松の合板は柔らかく、ブナの合板とは傷の付き方が異なります。また蝋の仕上げは塗膜をつくらないため、着色の仕上げとは手入れの条件が分かれます。
- 設置に必要な寸法を教えてください。
- 幅505×奥行671×高さ880mm、座面の高さは325mmです。座面が低く背もたれが高いため深く座る姿勢になり、立ち座りの動作も一般的な椅子とは異なります。実際に座ってお確かめください。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- ニューヨーク近代美術館が収蔵しています(アントニー チェア No. 356、1954年、収蔵番号358.2004)。メトロポリタン美術館も収蔵しています(収蔵番号2016.645.2)。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 座面は乾いた布で拭き、蝋の仕上げでは定期的な手入れを要します。枠は柔らかい布で拭き、研磨剤は塗装を削ります。合板の縁は層が見え、欠けが生じる場合があります。