概要

360°コンテナは、コンスタンチン・グルチッチが2009年にマジスのために設計した収納ワゴンである。中央の垂直ポールを軸に、引き出しが回転して開く構造をとる。キャスターを備える。

回転する引き出し

通常の引き出しは前後にスライドするため、正面に引き出す分の空間が必要になる。回転式であれば引き出しは軸の周りを回るだけで、前方に必要な空間は生じない。中央のアルミニウム製ポールが軸を担う。壁際や机の下など、前方が塞がった位置にも置ける。

キャスターにより移動できる。回転式の引き出しは向きを問わないため、移動先で本体の向きを合わせる必要がない。

素材と寸法

引き出しには光沢のあるABS樹脂を用いる。回転のたびに隣接する引き出しと擦れるため、表面が滑らかである必要がある。中央の支柱は研磨したアルミニウムによる。

5段は幅32×奥行42×高さ72cm、10段は高さ127cm。段数を増やしても平面の寸法は変わらないため、床の占有面積が増えない。

色と外形

光沢のあるABS樹脂の表面は周囲の光を反射する。つや消しの面では影が輪郭を強調するが、光沢面では周囲が映り込んで境界がぼける。支柱は細いアルミニウムで、引き出しの体積に対して占める面積が小さい。

色の展開

彩度の高い5色と、白・グレー・黒の計8色で展開される。引き出しは樹脂そのものに色を練り込むため、擦れても色が剥げない。

シリーズの構成

360°シリーズには、同名のチェア、スツール、テーブルがある。いずれもキャスターと高さ調整の機構を備え、同じ寸法体系に収まる。コンテナはこのシリーズの収納にあたる。

評価と影響

引き出しを回転させる構成は、前方の空間を必要としない点で、スライド式とは設置の条件が異なる。棚板を固定するモンタナシステムコンパイル シェルビングは壁面に対して正面を持つが、360°コンテナは向きを持たない。

5段と10段を混在させれば高さに差が生まれる。平面の寸法が共通のため、並べたときに輪郭が揃う。360°コンテナの美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。

基本情報

製品名 360°コンテナ(360° Container)
デザイナー コンスタンチン・グルチッチ(Konstantin Grcic)
ブランド マジス(Magis)
デザイン年 2009年
分類 ワゴン/収納家具
素材 ABS樹脂(引き出し)、アルミニウム(中央ポール)、ナイロン製キャスター
サイズ 5段モデル:幅32cm × 奥行42cm × 高さ72cm
10段モデル:幅32cm × 奥行42cm × 高さ127cm
カラー イエロー、ピンク、ボルドー、グリーン、ブルー(ヴィヴィッド)、ホワイト、ライトグレー、ブラック(ニュートラル)
生産国 イタリア
特徴 360度回転する引き出し機構、キャスター付き移動式、全方位アクセス可能