ウッツォン ペンダント(JU1)― 船と光の造形
1947年、のちにシドニー・オペラハウスの設計で知られるデンマークの建築家ヨーン・ウッツォンが手がけたペンダントランプが、ウッツォン ペンダント(JU1)である。造船技師であった父の設計図に幼少期から親しみ、船舶の滑らかな曲線に魅了されていたウッツォンは、その記憶をこの照明のかたちに取り入れた。
積層する金属シェードによるモジュラー構造は、船の煙突や襟を思わせるシルエットを描きながら、内側から上下へやわらかな光を放つ。当初は「ティボリ ペンダント」の名でノルディスク・ソーラー社から発売され、現在はデンマークの&tradition(アンドトラディション)が製造を続けている。
特徴とコンセプト
本作の特徴は、建築的なスケール感を凝縮したモジュラー構造にある。各シェードは金属を深絞り(ディープドロー)や回転成形(スピニング)といった技法で成形したもので、鋭いラインのなかに有機的な曲線をたたえている。シェードの間から漏れる光が、ラッカー塗装や磨かれた金属の表面とあいまって、やわらかな表情を見せる。
配光にも工夫がある。上方へ広がる間接光が天井をやわらかく照らし、下方への直接光が手元やテーブル面を照らす。上下二方向への配光により、空間全体に穏やかな明るさを保ちながら、必要な場所に十分な照度を確保する。
ティボリからJU1へ ― 名称の変遷
本作は当初「ティボリ ペンダント」の名で、ノルディスク・ソーラー社(Nordisk Solar Compagni)から発売された。しかし、コペンハーゲンのティボリ公園(Tivoli Gardens)の名称を使用できなくなったため、1960年代に型番「P254」へと改称された。その後、2010年に設立されたデンマークの&tradition社が「Utzon Pendant JU1」として再び生産を開始し、現在に至っている。
2023年には、シドニー・オペラハウスの完成50周年を記念して、特別色「スティールブルー」のスペシャルエディションが発表された。
評価
ウッツォン ペンダント JU1は、20世紀北欧デザインを代表するペンダントランプのひとつに数えられる。小ぶりながら存在感のあるプロポーションは、住宅のダイニングや寝室のほか、カフェやレストラン、ホテルのカウンターなどで多灯使いにも向く。ヴィンテージ市場では、ノルディスク・ソーラー社製のオリジナルがコレクターズアイテムとして取引されている。
基本情報
| 商品名(日本語) | ウッツォン ペンダント JU1 |
|---|---|
| 商品名(英語) | Utzon Pendant JU1 |
| デザイナー | Jørn Utzon(ヨーン・ウッツォン)/ デンマーク / 1918–2008 |
| デザイン年 | 1947年 |
| ブランド | &tradition(アンドトラディション)/ デンマーク(2010年設立) |
| 旧製造元 | Nordisk Solar Compagni(旧名称「ティボリ ペンダント」「P254」) |
| 素材 | ラッカー塗装スチール/ブラス、ファブリックコード、PVCキャノピー |
| サイズ | Ø 約22cm × H 約23cm |
| 重量 | 約1.4kg |
| 光源 | E26/E27口金 ×1(最大40W)、LED対応 |
| カラーバリエーション | マットホワイト、ストーングレー、ブラス、スティールブルー(スペシャルエディション) |
| コード | ファブリックコード 約3m |
| 取付方法 | 引掛シーリング(日本仕様) |
| 保護等級 | IP20(屋内専用) |
| 参考価格帯 | 約58,000〜108,000円(税込目安・仕上げにより異なる) |
| 分類 | ペンダントライト |