概要
ティー&コーヒー ピアッツァは、アルド・ロッシがアレッシィのために設計した銀のコーヒー・ティーセットである。1983年に発表された同名のプロジェクトの一つで、ガラス張りの陳列ケースにコーヒーポット、ティーポット、シュガーボウル、クリーマー、スプーンを収める構成をとる。オフィチーナ・アレッシィから限定99セットが製作された。
特徴・コンセプト
ケースに収める
器物を個別に置くのではなく、切妻屋根を持つガラスのケースの中に収める。ケースが外形を決めるため、内側の器物は寸法や配置を揃えなくてよい。塔のような円錐形のポットと小さなシュガーボウルが同じ枠内に並び、街区に建つ建物の並びのように見える。
ケースの屋根の中央には時計の文字盤が配され、旗竿が立つ。時計は動かない。
先行する作品との連続
ロッシは1978年に「テアトリーノ・シエンティフィコ(小さな科学劇場)」を制作している。自身が機械と劇場と玩具の中間にある物体と形容した作品で、舞台の枠を持つ構成をとっていた。ピアッツァのケースは、この枠の構成を食卓の道具へ移したものにあたる。
素材
925銀を主体に、金、エナメルを施した銀、真鍮、酸化処理した銅、ガラス、時計部分のクオーツ、布地が用いられる。各器物にはアレッシィの刻印、ロッシのイニシャル、製造年とエディション番号が記される。
エピソード
プロジェクトは1979年、当時アレッシィのアートディレクターだったアレッサンドロ・メンディーニと社長アルベルト・アレッシィの対話から始まった。11名の建築家にコーヒー・ティーセットの設計を委嘱するもので、参加者にはマイケル・グレイヴス、ハンス・ホライン、リチャード・マイヤー、ロバート・ヴェンチューリ、山下和正らが名を連ねた。
いずれの設計も工場での量産に適さない複雑さを持っていたため、925銀による手仕事で限定99セットが製作された。1983年にミラノのサン・カルポフォロ聖堂とニューヨークのマックス・プロテッチ・ギャラリーで初公開されている。
このプロジェクトのために、アレッシィ社内に「オフィチーナ・アレッシィ」が設けられた。量産の制約を外して実験的な製品を扱うための部門である。
評価と影響
ロッシのピアッツァに現れた円錐形のコーヒーポットは、1984年に発売されたステンレス製のエスプレッソメーカー「ラ・コニカ」へ展開された。1988年には「ラ・クーポラ」が続いている。限定の銀器として構想された形が、量産品へ移された例にあたる。
2003年、メンディーニとアレッシィは22名の建築家を招く後継の企画を実現している。同じアレッシィでは、9093 ケトルがプロジェクト参加者による量産品にあたり、5070 サラダセットがその前段の時期に位置する。
収蔵
以下の収蔵が確認できる(V&A=ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)。同館はロッシがアレッシィのために設計した銀めっきとエナメルによるコーヒーポットほか一式を、1983年頃の制作として登録している。
- V&A コーヒーポットほか一式(1983年頃) 収蔵番号 M.57-1988、M.57A-1988〜M.57E-1988
アルド・ロッシの設計思想や経歴について詳しくはアルド・ロッシプロフィールページをご覧ください。
アレッシィの歴史や他の製品について詳しくはアレッシィブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ティー&コーヒー ピアッツァ / Tea & Coffee Piazza |
|---|---|
| デザイナー | アルド・ロッシ(Aldo Rossi) |
| ブランド | オフィチーナ・アレッシィ(Officina Alessi) |
| 発表年 | 1983年(企画開始は1979年) |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | テーブルウェア |
| 構成 | ガラス張りの陳列ケース、コーヒーポット、ティーポット、シュガーボウル、クリーマー、スプーン |
| 主要素材 | 925銀、金、エナメルを施した銀、真鍮、酸化処理銅、ガラス、クオーツ、布地 |
| 生産形態 | 限定99セット(作家証明付き試作3点を含む) |
| プロジェクト企画 | アレッサンドロ・メンディーニ(11名の建築家に委嘱) |
| 派生 | ラ・コニカ(1984年)、ラ・クーポラ(1988年) |
| 収蔵 | V&A(M.57-1988ほか) |
Reference
- Coffee pot | Victoria and Albert Museum
- https://api.vam.ac.uk/v2/objects/search?q=M.57-1988